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第15週レビュー。いまだ決着が見えないプレーオフ争い(2020/12/23)

シーズンもだいぶ押し迫ってきたので、軽く第15週を振り返りつつプレーオフ争いの状況を見てみましょう。

今週のゲームで最も注目を集めたのは、前回取り上げたセインツVSチーフスの「スーパーボウル前哨戦」でしょう。

これはマジで強いチーム同士が激突したテンションの高いゲームでしたが、結果は32-29と3点差でチーフスが勝利。

ところでこの試合、セインツは、第10週の49ers戦で負傷退場して以来4試合を欠場していたエースQBドリュー・ブリーズが復帰しました。
しかし後で知ったのですが、何とろっ骨を11本も骨折しており、この試合の時点でも完治はしていなかったということでした。

チーフス・ディフェンスの頑張りももちろんありましたが、体調不備もあっての「キャリア最低のパス成功率」だったのですね。
ブリーズ不在の間は超ユーティリティ・プレイヤーのテイサム・ヒルが代役を務めていましたが、先週はイーグルスに負けてしまったし、今週はチーフスが相手。
ここはやはりエースの力が必要ってことだったのでしょう。

そしてその期待にしっかり応えた、ドリュー・ブリーズ。
最後は王者チーフス相手に、もう少しでチームを逆転勝利に導くパフォーマンスを見せるなど「もし万全であったら勝負はどうだったのか?」と思ってしまいますよね。
あらためてドリュー・ブリーズという男の凄みを感じた一戦でした。

そしてチャージャーズVSレイダースの試合では、チャージャーズのルーキーQBハーバートの活躍に胸を打たれました。
とはいえ、これも他で書いているので軽く触れるにとどめましょう。

それよりも今週言いたいのは「おいおいマジか、スティーラーズ?!」ってこと。

先週の時点でAFC北部地区、1位は11勝のスティーラーズ。
2位は9勝のブラウンズ。
3位は8勝のレイブンズ。
そして4位は、ここまでわずか2勝しかできず、ひとり蚊帳の外のベンガルズ。

そのベンガルズのホーム、シンシナティで行われたベンガルズVSスティーラーズの試合。

普通に予想したらベンガルズの6連敗という結果しか思いつかず、スティーラーズにとっては地区1位を決定させるための通過儀礼のような試合。
それが何と…17点しか取れずに敗戦。

ベンガルズ 27-17 スティーラーズ

ベンガルズのQBは、ルーキーながらエース格で頑張っていたジョー・バロウがすでに離脱しているため、2番手~3番手のQBであるライアン・フィンリー。
ちなみにフィンリーもまだNFLのキャリアは2年目の若手で、ここまで目立った実績も無し。

対するスティーラーズは強力なディフェンス・チームの活躍に後押しされ、今シーズンは開幕から11連勝を飾るなど近年まれに見る好調ぶり。
昨年、ケガでシーズンを棒に振ったエースのベテランQBベン・ロスリスバーガーも復帰し、一時は「このままスーパーボウルまで駆け上るか?」と思われたほど。

ところが第13週でワシントン相手に初黒星を喫してから2連敗。
11連勝時の頃のような勢いは、さすがに薄れてきました。

とはいえ先週の相手は強豪バッファロー・ビルズ。
絶好調でも簡単に勝てる相手ではありません。

ということで、この試合では苦戦はしても、よもやスティーラーズがベンガルズに負けることはないだろうと思えたのですが、いやいや、ロスリスバーガー率いるオフェンスの出来があまりにも酷すぎました。

単にゲインできないだけでなく、イージーミスからのファンブルやパス・インターセプトなどを連発し攻撃権を泥に捨てるかのごとき体たらく。

ベンガルズも、そりゃ頑張っていましたが、それでも元々弱い上にエースQBを欠く状態。
堂々の地区1位がビビる必要などみじんも無いはずなのに意味不明の絶不調ぶり。

とはいえ、そのスティーラーズも看板の強力ディフェンス・チームはさすがの力を発揮し、オフェンス・チームが点を取れなくても一方的なゲームになることだけは阻止していました。

でもそれにも限度があります。
ゲームには流れや勢いというものがあり、あまりにもチャンスをつぶし続ければやがてピンチが訪れるもの。

ベンガルズQBのライアン・フィンリーがこの試合で一世一代のパフォーマンスを見せたのかもしれませんけど、徐々にスティーラーズ・ディフェンスの極厚プレッシャーの間隙を縫って得点を挙げていきます。

ベンガルズ 17-0 スティーラーズ
前半はスティーラーズ、まさかの無得点。

後半に入り、スティーラーズも2本のタッチダウンを決め、わずかばかりの抵抗はしましたが、時すでに遅し。

サイドラインで落ち込むロスリスバーガーを見ていると「今シーズン限りの引退すらあり得るかも」と思える深刻さ。

プレーオフ進出はすでに決めているとはいえ、このままではすぐ後ろに迫っているブラウンズに最後に逆転されて地区優勝をさらわれる可能性すら出てきました。

天国から地獄。
本当に、いったいどうしたスティーラーズ?

ちなみにクリーブランド・ブラウンズは今週もエースQBベイカー・メイフィールドが好調ぶりをアピールした上、ディフェンス陣も躍動。
相手は勝ち星の伸びていないニューヨーク・ジャイアンツとはいえ、20-6で危なげなく勝利。

そしてそのブラウンズをさらに1勝差で追いプレーオフ進出に望みを残しているレイブンズもまた好調。
こちらは言わずと知れた新世代QBの代表、ラマー・ジャクソンを中心に攻守にジャガーズを圧倒し40-14で勝利。

ボルチモア・レイブンズは元々ポテンシャルはリーグでもトップクラスなのに、なぜ地区3位に甘んじているのか疑問ですね。
ここ一番で勝てないメンタル面の問題かな?

さてさて、AFC北部地区の話ばかりになってしまいましたが、他の第15週の話題と言えば、ニューイングランド・ペイトリオッツがルーキーQBトゥア・タゴヴァイロア擁するマイアミ・ドルフィンズに負け、12シーズンぶりにプレーオフ進出を逃したこと。

レジェンド中のレジェンドたるトム・ブレイディを放出した後、今シーズンはいかに新しいペイトリオッツを構築していくのか注目されていましたが、実績あるキャム・ニュートンをもってしてもチームのパフォーマンス低下を食い止められなかったという感じですね。

一方のドルフィンズは勝利したことで、わずかにプレーオフ進出の望みを残しました。

またAFCではコルツがテキサンズを下し、こちらもプレーオフ進出争いに踏みとどまっています。

いや、勝利数でいうとこれで10勝目ですので、地区1位のタイタンズと並んでいます。
またワイルドカード争いという意味でも、10勝のブラウンズと並び、レイブンズやドルフィンズより上にいます。

なのになぜ「踏みとどまった」という表現をしたのは、当該チームとの対戦結果などの関係上、コルツはこれほどの好成績ながら他のチームの結果によっては1つでも負けたらプレーオフ進出の望みが絶たれてしまうという崖っぷちにいるのです。

それほど今シーズンのAFCのプレーオフ進出争いは過酷。
ワイルドカードの席が例年の2から今年は3に増え、それほどの成績でなくともプレーオフに進出できるチームが出てくるのではないかと予想されましたが、実際は全く逆。
その一番厳しいところに位置しているのがインディアナポリス・コルツなんですね。

今シーズンはベテランのフィリップ・リバースをエースQBに据え、そのゴツゴツとしたプレースタイル同様、武骨な戦いぶりで勝利を重ねていますが、果たして最後まで勝ち続けることができるのか?
次の対戦相手は、何とピッツバーグ・スティーラーズです!!
これは、いろんな意味で超注目の一戦ですね。

おっと、軽く振り返るといいつつ、なかなか長くなってきました。
しかもほぼAFCのことばかり…。

余談ながら、私のひいきのチームというのが、チーフス、レイダース、スティーラーズ。
さらにレイブンズ、ブラウンズ、テキサンズ、チャージャーズ、ドルフィンズも嫌いではない…ということで、必然的にAFCに偏った見方になってしまうんですよね~

NFCだと、動向を気にしているのがベアーズ、セインツ、バッカニアーズぐらいかな。
カージナルス、ラムズ、49ers、カウボーイズ、イーグルスあたりも対戦カードや試合内容によっては注目しますけど、AFCの個性豊かで煌びやかなチームたちに比べると、思い入れを持って観るには、今一つ魅力に欠ける気がしますね。(※もちろんこれは私の独断と偏見に過ぎませんが!!)

ということで最後に簡単にNFCのチームに関連するゲームの話題をひとつ。

NFC西部地区のライバル対決、ファルコンズVSバッカニアーズ。

もはやプレーオフ進出の可能性はないファルコンズですが、この試合のプレーからは同地区のチームにむざむざやられるわけにはいかないという意地を感じました。

前半はQBマット・ライアンがキレキレのプレーを連発してほぼ一方的なファルコンズ・ペースとなり「この試合、どれほどの大差がつくのだろう?」と思ったほどでした。

17-0。
ファルコンズがバッカニアーズをシャットアウトしたまま前半は終了。

ところが後半に入り、トム・ブレイディが自分のイメージについて来れない味方に細かく指示を出すなど、周囲を自在に操り始めてからバッカニアーズの反撃ムードが出てきました。

チームを蘇生させる驚異的な力ってとこでしょうか。
前半は一方的にやられていたにも関わらず、ブレイディは第3クオーターでほぼ互角の展開に持ち込みます。

ファルコンズ 24-21 バッカニアーズ

そして迎えた第4クオーター。
オフェンス陣の頑張りにディフェンス陣も応え、バッカニアーズがファルコンズの攻撃を次々と押し返します。

すると試合残り6分。
トム・ブレイディからアントニオ・ブラウンへの51ヤードのタッチダウン・パスが通り、ついにバッカニアーズが逆転!

完全なる劣勢を挽回し、ついには逆転勝利に導いたブレイディの力。
いまだ衰えずというところですね。

これで9勝目を上げたバッカニアーズ。
しっかりプレーオフ進出圏内をキープ。
この状況を見て、プレーオフを逃したペイトリオッツは、今頃、後悔していないかな?

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