立場逆転(2020/12/29)
NFL第16週のマンデーナイト、AFC東部地区のライバル対決、ビルズVSペイトリオッツ。
21世紀のNFLにおいて、スーパーボウルに9回出場し、うち6回を制覇するという王朝を築いたニューイングランド・ペイトリオッツ。
その象徴たるスーパーヒーロー、トム・ブレイディを放出し「新生ペイトリオッツ」を標榜して臨んだ今シーズン、結果は12シーズンぶりにプレーオフ進出を逃すことになったのは以前お伝えした通り。
(蛇足ながら、そのブレイディを獲得したバッカニアーズは見事2007年以来のプレーオフ進出を果たしました!)
一方、1990年代には4度のスーパーボウル出場を果たし強豪の名を欲しいままにしたものの21世紀に入ってからは完全にペイトリオッツの後塵を拝し、地区2位〜3位を争う立場となっていたバッファロー・ビルズ。
しかし今シーズンは凋落するペイトリオッツを尻目にQBジョシュ・アレン、WRステフォン・ディッグスらの活躍で快進撃を見せ1995年以来の地区優勝を果たしました。
今や完全に立場が逆転している両チーム。
しかし第8週で対戦した際には24-21でビルズが勝ったものの内容的には互角。むしろQB対決ではキャム・ニュートン(ペイトリオッツ)の方がジョシュ・アレン(ビルズ)を上回っていました。
今シーズン2度目の対戦となったこの試合。
立ち上がりは両者の意地と意地がぶつかる感じのテンションの高さがありました。
ジョシュ・アレン、キャム・ニュートン、ともに調子は上々ながらディフェンス・チームの気迫がさらに上回っている印象で、タッチダウンがなかなか取れません。
両チーム、第1クォーターにフィールドゴールで3点ずつを取り合った後はしばらく試合が膠着。
スペシャル・プレーを織り込んで事態を打開しようとするビルズ。
その狙いはある程度の効果を発揮しますが、2度にわたりタッチダウン・パスをレシーバーがキャッチミスをしていては、なかなか波に乗れません。
しかし第2クォーターに入りようやくビルズの攻勢が実を結びます。
RBザック・モスの5ヤードのラッシング・タッチダウンが決まり10-3。
対するペイトリオッツ。
タッチダウンを取られた直後、ランを中心にエンドゾーン残り9ヤードまで進み、最後は相手のパスカバーがタイトと見るやキャム・ニュートンがスクランブル。
これが鮮やかに決まりタッチダウン。
その後のキックは外してしまいますがスコアは10-9。
…と、ここまでは接戦の様相でしたが、それ以降は急激に流れはビルズへ。
第2クォーターだけでも、さらに2本のタッチダウンを加え、24-9でハーフタイム。
そして後半も変わらず攻め続けたビルズが38対9で圧勝。
後半のペイトリオッツの守備は気持ちが切れたのか「ザル」としか言いようがない状況で「よく38点で止まったな」と思ったほど。
見るも無惨という感じになってしまいましたね。
ところでこの試合、ビルズのパス・プロテクションの堅さには驚きました。
ペイトリオッツのパス・ラッシュが甘かったせいもあるのでしょうが、NFLの平均の倍の時間は持っている印象でした。
あれだけ余裕を持てたらジョシュ・アレンでなくとも好パスを連発できるでしょうね!
また、敗れたペイトリオッツ。
特に何が悪いと言うのは難しいですが、全体的に少しずつ力不足な印象です。
孤軍奮闘気味のキャム・ニュートンは良いQBではありますが、ラマー・ジャクソンほど突き抜けているわけじゃないので、周りのサポートがもう少しあればと思います。
ともあれ、現在の段階ではAFCのチャンピオンシップにおいて「打倒チーフス」の一番手はビルズという思いを強くした一戦でした。
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