見出し画像

AFCプレーオフ進出濃厚チーム同士の激突は…(2020/12/15)

NFL第14週のゲームのうち、ビルズVSスティーラーズとドルフィンズVSチーフスの2試合を続けて観ました。

ちなみに、ビルズはAFC東部地区で、スティーラーズはAFC北部地区で、そしてチーフスはAFC西部地区で首位を走っていて、ドルフィンズもAFC東部地区の2位でワイルドカード圏内にいるという、2試合とも、いわばAFCのプレーオフ進出濃厚なチーム同士が対決するカードでした。

まずはビルズVSスティーラーズ。
先週のワシントンとの試合で、それまで無敗で突っ走っていたスティーラーズが初黒星を喫し「強豪ビルズを相手にメンタルを含めチームを立て直せたのか?」というところに注目したゲームでしたが、前半は正直言ってかなり退屈なゲームとなりました。

両チームともなかなかボールが前に進まず、しかもパス失敗が続くために時間が遅々として進まず、0-0のまま攻撃権だけが延々行ったり来たりするだけという何とも刺激のない展開。

その要因はというと、ひとつはスティーラーズのディフェンスが強力なためジョシュ・アレン率いるビルズのオフェンスが機能しなかったことと、さらにそこそこ強いビルズのディフェンスを相手にロスリスバーガー率いるスティーラーズのオフェンスがミスを連発して攻撃がほとんど組み立てられなかったこと。

あまりに退屈で何度も観るのをやめようと思いつつ我慢して観てると、前半も終わり近くになって、まずはスティーラーズが1タッチダウンを決め7-0。
その後、ビルズが1フィールドゴールを返し、7-3。
両チームともディフェンス・チームが作ったチャンスを何とかオフェンス・チームが点数に結び付けるという形で、ようやく試合が動きました。

ところで、ここまでは曲がりなりにも試合はスティーラーズのペースだったのですが、前半終了間際、ロスリスバーガーのパスをインターセプトしたビルズのCBタロン・ジョンソンがそのままエンドゾーンまで走り込んでタッチダウンを決めビルズが逆転したあたりから流れが変わります。

後半に入るとビルズが立て続けにタッチダウンを決め、あっという間の23-7。
ビルズは攻撃が思ったように展開しない中、手を変え品を変え打開を図っていましたが、ついに突破口が開けた感じです。

その後、スティーラーズも1タッチダウンと2ポイント・コンバージョンを成功させ23-15としますが、ビルズもフィールドゴールで追加点を挙げ、結局26-15で勝利。

振り返ってみると、ビルズが第3クオーターで決めた2本のタッチダウンは見事でしたけど、それ以外はおおむねスティーラーズ・ディフェンスがビルズのオフェンスにプレッシャーをかけ続けていましたし、スティーラーズにとっても十分勝機のあるゲームでした。
それをモノにできなかったのは、やはりオフェンスに原因がありますね。
ロスリスバーガーもたまにいいパスを通すのですが、目を覆いたくなるようなひどいパスも多くて、英雄の末路という雰囲気すら漂い始めています。ちょっと痛々しいですね。

ところで、これでスティーラーズは2連敗ですが他チームの結果によりプレーオフ進出は決定しました。
ここで立ち直るのか、このまま崩れていくのか。
レギュラーシーズン残り3試合で何かを掴まないとプレーオフに出ても初戦敗退となりそうな気配ですので、早くも正念場かもしれません。

そしてドルフィンズVSチーフス。
こちらは立ち上がりに波乱がありました。

なんとチーフスのオフェンスが信じられないミスを連発します。
最初のシリーズでは敵陣深くまで攻め入りながらパス・インターセプトを献上。
2回目のシリーズではセンターのスナップが乱れてマホームズがファンブルしたり、QBサックを食らって13ヤードも後退させられエンドゾーンまで残り3ヤードまで押し込まれたり、3回目のシリーズでもいい感じで攻めながら、結局パスをインターセプトされるという悪夢ような展開。

まったくチーフスはオフェンスラインのパス・プロテクションが弱すぎますね。
毎度毎度、相手の圧に押されつつ攻撃しなきゃいけない感じです。

まあ完全無欠じゃない方がスリルがあって面白いとも言えますが、それにしてももう少しQBを守ってあげないと、危機回避能力抜群のマホームズといえど気の毒ですよね。
今回のインターセプトも迫ってくる相手ディフェンスの手に弾かれたせいだし、QBサックも当然そうです。とにかく常に相手のラッシュから逃れながらのプレーになるので余裕が無い。
オフェンス・コーディネーターがサイドラインで激怒している様子も画面に映し出されていましたね。

一方のドルフィンズ・オフェンスはというと、大物ルーキー、トゥア・タゴヴァイロアが随所に才能の煌きを見せてなかなかの出足。
一時は10-0とリードを奪います。

しかし、そこまで散々だったチーフスが、なぜか10点の差をつけられてから意味不明のV字回復を見せます。

まずは「チーフス・ディフェンスの魂」であるタイラン・マシューを筆頭に、ディフェンス・チームがオフェンス陣の不調を取り戻すかのような活躍ぶりを見せ、要所要所でドルフィンズの攻撃を止めていきます。

そしてオフェンス・チームもそれに呼応するようにスーパープレーを連発。

「エンドゾーンまで32ヤードの地点からまさに風のように密集を駆け抜けたタイリーク・ヒルのタッチダウン」と「エンドゾーンまで6ヤードの距離からマホームズが相手のラッシュをかわしつつ豪球パスをケルシーに通したタッチダウン」という2本のタッチダウンで逆転に成功し、前半は14-10とチーフスのリードで終了。

後半に入るとチーフスの攻撃力が爆発。
何と第3クオーター開始わずか10秒でマホームズが44ヤードのタッチダウン・パスをヒルに通して21-10。
その1分後にはNFLを代表するリターナーでもあるWRメコール・ハードマンが鮮やかな67ヤードのパント・リターン・タッチダウンを決め、28-10。急に点差が開いてしまいます。

それにしても、タイリーク・ヒルといいメコール・ハードマンといい、チーフスWR陣のスピードは凄まじいこと!!

その後、相手陣深くまで侵入したハードマンがファンブルし相手に攻撃権が移ったこともありましたが、チーフスのDEクリス・ジョーンズが直後に痛快なセーフティでお返しするなど試合のペースは完全にチーフス。

しかし第4クオーターに入ると、今度はドルフィンズが大反撃!
ディフェンス陣が躍動してチーフス・オフェンスの勢いを止めると、オフェンスではタゴヴァイロアのパスをレシーバー陣がギリギリの競り合いをことごとく制するなど、気持ちのこもったプレーを見せ、一時は終戦ムードの漂ったゲームを、何と第4クオーターだけで17点を奪い、33-27と1タッチダウン差まで追い上げます。

結局、試合は33-27でチーフスが勝って地区優勝&プレーオフ進出を決めましたが「ドルフィンズ侮るべからず!」という印象が残るゲームとなりました。

名門マイアミ・ドルフィンズ。
長年の不調の末についに浮上の気配ですね。
チーフスとしてはプレーオフでまた対戦する可能性もありますし、スーパーボウル連覇を狙う上で要警戒です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?