水遊びが好きで、誰かに水をかけてしまう人のこと
障害者の支援施設で働いている方から、こんな質問をいただきました。
「知的障害のある成人男性の利用者さんが、水遊びが好きで、人に水をかけてしまうことがある。どうしたら止めてもらえるのか、わからない」
わからない、と悩まれていることがまず、素晴らしいと思いました。
仕方ないと諦めるのではなく、しっかり向き合っているからこそ、悩まれるのでしょう。
私の息子も水遊びが大好きで、水を触ってストレスを発散していた時期が長くありました。
水を触ると、落ち着く人は多いです。
皆さんも子どもの頃、そんな経験があったのではないでしょうか。
知的障害や精神障害など、コミュニケーションが苦手であったり、集団生活にストレスを感じやすかったりする人にとって、心を落ち着かせるのはとても良いことです。
水をかけると、人は「きゃあ」「わあっ」と声をあげます。
その様子を見た息子は、喜んでくれていると勘違いすることもありました。
本人はもしかしたら、一緒に遊んでいる、と思うのかもしれません。
人に水をかけてはいけない、困ってしまう、ということを伝えることが大切です。
して良いことと悪いことは、わかってもらわないといけません。
水で遊ぶのは、良いこと。水を人にかけるのは、悪いこと。
伝える時に大切なのは、「わかってもらえることを前提に話す」こと。
どうせ言ってもわからないだろう、という諦めの気持ちが少しでもあると、たちまち伝わりにくくなります。
言葉にだけ頼らなくても良いのです。
人に水をかけてしまったら、水道を止める。
水遊びをしている手を止める。
違う遊びに誘導する。
そうやって、行動を促すことでも、わかってもらえます。
水をかけられた人は悲しくなる、ということを、顔の表情や身振り手振りで伝えてもわかりやすいかもしれません。
時間はかかるかもしれませんが、諦めずに向き合えば、きっとわかってもらえる。
それは、私と息子の生活の中で、気づいたことでした。
スキやSNSシェアだけでもすごく嬉しいです。サポートをいただけた場合は、娘・奈美と、息子・良太との美味しい思い出づくりに、大切に使わせていただきます。