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あの4ヶ月にやっと折り合いがついた 《転職ばっかりうまくなる》

この本のタイトル「転職ばっかりうまくなる」を見て、思い出したのは4ヶ月でやめた会社のこと。不信感が募って耐えきれず、おどおどしながら社長に辞めますと伝えたあの日。何を言われるんやろうと下を向いていたら「じゃあ明日まででいいわ」と言われたときはびっくりしたな……。

たった4ヶ月のこと。でも私の職務履歴書には一生のこる。転職活動をすれば「ここはなんですぐに辞めたんですか?」と聞かれる。もう終わったことだから別にいいけど、こうやって転職する度に掘り返して、当時の生焼けみたいな気持ちを思い出すのは、ちょっとイヤだなー。

他の人はどんな感じなんだろう? と気になって、この本を手にとってみた。ら、あのときの気持ちが溶けていく感覚があった。

自分がみじめにならないかどうか

転職を繰り返して、仕事を選ぶ上でいちばん大事だと感じたのは、「自分がみじめにならないかどうか」だと気づいたからである。いくら条件が良くても、いくら好きな仕事をすると言っても、みじめな思いをして続ける仕事は、長い目で見てマイナスになる。

ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』百万年書房

これすごくわかる。お金をもらっている以上、会社の期待に応えるのは大事だけど、自分にフィットするやり方じゃないと、どこかで歪みが生まれる。

私は営業の仕事が向かない。犬みたいな従順さと体育会ノリを求められる職場もちょっと……。

苦手なことを仕事にすると、毎日ただただ反省する日々を送ることになるし、会社の雰囲気と肌が合わなければ、浮いてしまう。

いまだったら自分の向き不向きがなんとなくわかるけど、当時はやってみるまでわからなかったなあ。

自分自身を極められることを選ぶ

では、自分を極めるためにはどうしたらいいのか。それは、自分が少しでも違和感を抱いたら、ひとつひとつきちんと距離を取っていくことだと思う。「合ってる」もの、自分の体にぴったりとフィットするものを見つけることの方が時間がかかる。それに比べれば、「なんか気持ち悪いな」「これは自分にはしっくりこない」と「合っていない」ものを見つけるのはそこまで難しくない。

ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』百万年書房

みじめな気持ちにならないように、自分を極めるということには、めちゃくちゃ共感。

追い求めたら転職回数は増えたけど、おかげでいまは楽しく働いている。日々、小さな悩みはあっても、あの4ヶ月と比べると天国だなと思う。

あの経験があったおかげで、いまがある。そう考えると、ようやく心に残っていた気持ちが溶けて、成仏できた気がする。自分のことを知る、極める、良い経験だったんだと。

早期離職って、「一生消えない若気の至りで彫ったタトゥー」みたいに思ってたけど、案外「幸せへ続くのぼりが急な階段」ぐらいなのかも? それはちょっと言い過ぎかな。

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