発達障害で精神障害者手帳を取得するか迷ってる人が知っておいた方がいいこと
発達障害の診断を受けたら、精神障害者保健福祉手帳の交付を申請することができます。
手帳を申請できるといっても、実際取得した方がいいのかよくわからないですよね。
特に、大人になってから診断を受けた方は、「障害者手帳って自分とは関係ないものだと思ってた」と戸惑うかもしれません。
わたしも初めは「そこまで深刻な話じゃないけど」という感じでした。
それでも、持ってみないことにはよくわからないので、ひとまず取得してみることにしました。
そして、取得しておいてよかったと思ったのは、何年も後になってからのことです。
これは手帳を取得するかどうか考えている人にぜひ知っておいてほしいので、ここでご紹介します。
精神障害者手帳で受けられる主なサービス
ざっくりいうと、精神障害者手帳で受けられる主なサービスには以下のものがあります。
● 税控除や公共料金等の割引
● 障害者枠での就職
● 地域による手当や助成
● 民間事業者による割引
これらは手帳の等級やお住まいの市区町村、所得額などによって適用可否やその額・範囲などが変わってきます。
このため、手帳を取得した方がいいかどうかは、ご自身の状況を総合的に考えて、申請の手間や診断書にかかる費用を上回るメリットがあるかどうかで判断することになります。
知っておくといいこと:失業手当の支給期間が延長される
失業手当の給付期間が長くなる。
わたしはこれをうつ病で休職して会社の退職を考えるまで知りませんでした。
厚生労働省の精神障害者手帳に関するウェブページにも、失業手当についての記載はありません。
ただし、ここで一つ注意があります。
給付日数が長くなるのは、自己都合でなく病気や解雇などの「やむを得ない理由」により離職した場合だけです。
発達障害を持つ人が二次障害として精神疾患を発症して退職せざるをえないことや、ミスが続いたりコミュニケーションが苦手なために解雇されてしまうことは、少なからずありますよね。
実際、どれくらい日数に差があるかというと、それは年齢と雇用保険の加入年数によって変わってきます。
例を挙げると、こんな感じです。
● 30歳未満、加入期間1年以上5年未満の場合:90日→300日
● 45歳以上、加入期間20年以上の場合:330日→360日
障害者手帳を保有していない一般の人も、年齢が高くなるほど、また雇用保険の加入期間が長いほど失業手当の給付日数が長くなるので、障害者などの「就職困難者」の給付日数との差が少なくなっていきます。
つまり、若い人の方が手帳を持っているかどうかで大きな差が出るということです。
なかなか希望の就職先に採用されないときはもちろんのこと、じっくり自分の適性を見極めたいとか、スキルを身につけてから再就職したいときにも、生活費の心配が少なくて済むので助かりますよね。
早期に再就職するなら意味ないのでは?
とはいえ、再就職を目指すなら、一般的にブランクが短い方が採用されやすいです。
それに、失業手当を受給し続けるより、早く働き出した方が収入は多くなります。
それなら、早く就職した方がいい。
「どっちみち1~2ヶ月くらいで再就職するなら、給付日数が長くなっても意味ないんじゃない?」と思いますよね。
でも、ちょっと待ってください。
早期に就職した場合には、「再就職手当」というものが支給されます。
これは、所定の給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合に、残りの給付日数に支給されるはずだった手当の額の一部を支給してもらえる制度です。
つまり、給付日数が長いと、その分再就職手当も多くなるのです。
さらに、障害者などの「就職困難者」には、所定の給付日数の3分の1未満が残っている時点で就職した場合にも、「常用就職支度手当」というものが支給されます。
就職してもすぐに給与が入るわけではないので、再就職の際に手厚いサポートを受けられるのはありがたいですよね。
そして、再就職した先で長く働ける保証があるわけでもありませんよね。
再就職の後、再び失業した場合には「残りの日数分の基本手当」から「再就職手当として受け取った分」を差し引いた日数分の基本手当を受給することが可能です。
まとめ
このように、すぐに再就職する場合も、何らかの事情で就職活動が長引いた場合も、精神障害者手帳を持っていた方が手厚い給付を受けられます。
精神障害者手帳を取得するかを検討する際は、失業した時のことも考えてみてくださいね。
(この記事は2018年に書かれたものです)
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