きっとそれは、コーヒーに落とした角砂糖。
わたしは感情が動くと、文章を書きたくなってしまう。病的なものなんじゃないかと自分でも思うほどに。
少し前、ある人に自分が抱えている苦しみの話をした。あまりつまびらかにしたくはなかったはずなのに、なんとなく話してしまった。いつかその苦しみが溶けてなくなればいいのに、と。
すると、思いもよらぬ返事が来た。
「コーヒーに落とした角砂糖みたいなものなんですよ、きっと」
たまらなく素敵な言葉だと思った。
わたしはコーヒーが飲めない。それでも、コーヒーに角砂糖を落として、くるりとかき混ぜて飲んでみたくなった。
ゆっくり溶けて、黒の中に溶け込んでいく。色は黒だけど、これまでと違う要素を持つ。苦しみが次第に馴染んでいく。想像すると、何気ないようで甘美でとてもやさしい情景だ。
そんな言葉を紡ぎ出せる感性を持つ人に、わたしもなりたいと思った。そう思った時、心の内側にあった苦しみが少し溶けていく気がした。
普段の自分ならしないことに、サポートの費用は使いたいと思います。新しい選択肢があると、人生に大きな余白が生まれる気がします。