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withコロナで生きていくために。

ああ。このままじゃ、破滅の一途だ。

コロナウイルス感染拡大のニュースが流れてくるたび、暗澹たる気持ちになりました。リーマンショック以上に恐ろしいことが起きるだろう、と2月の終わり頃から思い始めるようになりました。

わたしはホームレスの人たちに関わるようになって、16年ほど経ちます。
▼経過はこちらに詳しく書いていますので気になる方はよかったら▼

リーマンショックといえば、2008年。わたしはまだ高校生でした。その後大量の派遣社員が失業することになり、派遣村ができました。それは高校生のわたしにもわかる異常事態でした。住まいと仕事を失った人が社会のキワに押し出されてしまった異様な光景はよく覚えています。

上のリンクにある通り、わたしはホームレス支援の現場で働いているのですが、今でも「もともとリーマンショックの影響を受けて、こういう生活になってね」と話す人がいます。「(阪神/東日本などの)震災の影響で」と話す人もいます。

「何年も昔にそんな大変なことがあったね」と片付けることはできないのだと、その度に思わされます。つまり、過去の話ではないのです。その人たちにとっては、今も続くある種の呪縛なのです。

いままた新たなコロナ禍という呪縛が、生まれようとしています。すでに生まれてしまっていると言い切れるかもしれません。

人は貯蓄住まい仕事を同時期に失ってしまうと、下のトライアングルの図のように自力でやり直すことは不可能に近いです。

(頼れる人や資金の援助をしてくれる場所、公的な制度や支援にアクセスできたりすれば、再度住まいを構えたり仕事に就くことがしやすくなります)

負のトライアングル


わたしはホームレスの方や生活にお困りの方にたくさん会ってきました。何百、何千という人の生活に触れ、その人たちの生活歴を聞いてきました。

「こんなことになるなんて、思ってなかった。」

多くの人が悲痛とも苦悶とも取れる表情でそう言います。その言葉を聞くたびに、心が痛くなります。わたしは、これ以上この言葉を聞きたくないのです。

困ったときに早期に相談できる場所があって周知されていれば、誰もこんなふうに自分を追い込む必要はないはずです。

災害や大きな禍が起きたとき、重要になるのは適切なケア素早い対応の2点だと思います。そして困窮者支援においては住居の確保が行えるか/今ある住居が失われないかは何よりも大事です。

日本の行政も動き始めています。たとえば以前から使いにくいと言われていた住宅確保給付金。利用要件の緩和が進んでいます。

とはいえ、行政だけに任せておくことができないほど、今日本は危機的な状況にあると感じています。だからわたしも自分が働く組織内外で動くことにしました。

①生活の相談に乗るオンライン窓口を開設

わたしが働くNPOだけでなく、他の大阪府下の団体とも手を取り合っての総合窓口です。

困っているけど、どこに相談していいかわからないという方はどうか気軽に相談してください。無料です。お知り合いが困っているという場合も、ぜひご連絡ください。

②上記相談を受け入れるためのクラウドファンディングを開始

民の力の素晴らしいところは小回りが利くこととスピード感だと思っています。よかったら協力お願いします。

③withコロナで生きていくってどういうこと?を公開型イベントで考える

なんだか、今までと同じことをしていたらwithコロナ時代をわたしは生きていけない気がするんです。コペルニクス的転回があらゆる場所で求められている気がします。でも、それについて上手く言語化できないんです。

わたしはこの公開理事会をそのモヤモヤの正体を暴く場所にしたいなって思っていて。今日でHomedoorは10周年なんですが、そんな記念すべき日にこんなイベントを発表することになるなんて、学生の時のわたしは考えもしなかったことでしょう…。

無料で100名まで参加できますので、「GW出かけられないし、実は自分もモヤモヤしてるんだよね」と言う方はぜひ参加ボタンを押してください。


いろんなことを思ったり、迷ったり、考えたりを繰り返しているうちに4月が終わろうとしていています。

オンラインの可能性を考えたり、オフラインでできることを見つめ直したり。その間を上手く行き来することはできないだろうかと思案したり、もっと別次元でやれることはないのかを探ってみたり。

なんていうか、なにもかもが難しい。
生きるってすんごい大変。

そして、社会が今すごいスピードで脱皮しようとしています。
誰もがしんどい今だけど、きっとその先に見たことのない新しい社会が待っているって思うと少し楽しみです。

まだ見ぬ未来が絶望だらけではなくて、希望のひかりが溢れる場所になるように、わたしができることを見つけて精一杯邁進していきたいなって思っています。


最後に。Homedoorのページにも書きましたが、こちらでも。

誰がいつ生活に困窮してしまうか誰にもわからない時代がやってきました。相談すること、誰かに頼ること、それはけっして恥ずかしいことではありません。困っているときは遠慮せずに誰かを頼ってください。どこを頼ればいいかわからない時はHomedoorや他の支援団体にぜひ連絡をしてください。空間としての距離はあけながらも、「関係性を密にしていくこと」ができればwithコロナ時代も乗り越えていけると信じています。

いや、乗り越えると言うよりかは一緒に生きていくのほうが近いかもしれないなあ。なんだかまとまらない文章になってしまいましたが、心の内側にあるものをうにゅーっと出したらちょっと気持ちが軽くなりました。

では、また。


普段の自分ならしないことに、サポートの費用は使いたいと思います。新しい選択肢があると、人生に大きな余白が生まれる気がします。