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F5.6が美しい

タイトルでなんのことかわかる人はいますかね。

ジャンルはカメラです。

レンズは最高の画質を得られるのはそのレンズの設定できる絞りの中間値という話があります。

ズームレンズはだいたい開放F値がF4とかF5.6とかからですからF8とかF11ですね。
F2.8の明るいズームでもそのくらいでしょう。

最高の画質というのはこの場合は解像度だと思います。

ボケとか生かすには明るいレンズ、長焦点レンズの開放F値ですけどね。

F5.6というのなら開放F値がF1.4クラスのレンズですね。

でもそういう意味でのタイトルではなくて、
特定のメーカー、特定のレンズシリーズにおいての「美しい」です。

Nikon F3 Ai Nikkor 35‐135㎜ F3.5-4.5S

ニコンのニッコールレンズのカニの爪の位置です。

このあたりのカメラのカタログはほぼすべてこの位置だった記憶があります。

このカニの爪はどのレンズでもF5.6でこの位置です。

もともとは古いニコンの露出計や露出計付きのカメラにレンズの絞り値を伝えるためのものです。

初期の形状は丸みがなく直線的でした。

その後丸みを持たせたものに変わっていきます。

そしてこのレンズではカメラ側で光学的に絞り値をファインダー内に表示する際に影ができて見難くならないように明り取り用に爪に小さい窓が開けられています。

この爪はついているレンズから外してもらうこともできました。

外しても差しさわりのないのはAi連動爪にカメラが対応している場合です。

時代的にはFMとかFEとかの時期で、ニコンF2の露出計内蔵ファインダーではフォトミックAとフォトミックASが対応します。

逆にこのカニ爪を有料でつけることもできました。

AFニッコールの最初の方の絞りリングがあるタイプです。また、もともとついていなかったAiニッコール50㎜ F1.8Sは絞りリングを交換して爪付きにできました。もうすでにそのサービスは終了しています。

そういうサービスや、AFニッコールにまでカニ爪をつけられたのは古いカメラの露出計にも連動できるようにとのことでしょう。
古い一眼レフユーザーにも新しいレンズを買ってもらえる、ということでもあったのかもしれません。

一部の特殊レンズなどにはこの爪はついていませんし、つけられません。

レフレックスレンズはF5.6の明るさがないのと、絞り固定ですからついていません。

長々と書き連ねましたが、
実際に撮影時はもうあれこれ絞り値は変更しますし、
FAなどのプログラムAE搭載モデルでのプログラムAE使用時は最小絞りですので、美しくない。

撮影時はそもそもカメラを前から見るってことはないのでどうでもいいのかもしれませんし、
私もそんなこと気にして撮影なんかしていません。

ただ、カメラをバッグにしまうときとか、
防湿庫、棚に保管するときには暗黙の了解で
ユーザーはこの「F5.6のカニ爪の位置」にしていませんか?

几帳面でもない私がするのですから、そうする人は少数派ではないと考えています。

ちなみにこの爪がついているレンズから、自分で爪を外す際にねじを緩めて爪だけ外してねじを戻すのはねじが長いのでよくないそうです。

サービスで外してもらうと短いねじに交換されたそうです。

逆に外されているレンズのねじを爪付きに使用することもよくないと推測されます。

古いニコンFのフォトミック系とかニコマートユーザーにはおなじみの爪ですが、最近のデジタルニコンユーザーにはなじみがないのでしょうね、
きっと。


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