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バス(2020.3.11)

バスの中はいつでも夜で
わたしはいつでも心細く
どこへ向かうのかと
どこで降りるのかと
降りてよかったのかと
いつでも迷っている
十六夜の月の出
すこしの欠け具合が
不確かさに輪をかける
まだ乗っている
まだ降りられない
バスに乗っているあいだはずっと
水のような夜で
目を開いていても
眠っているようで
目を閉じてしまったら
もう二度と目覚めないようで
わたしは仕方なく
ただただ座っている
このバスは
どこへ行くのですか
このバスは
乗っていてもいいのですか
このバスを
いつ降りたらいいのですか
そんなことを聞いてもいいのですか
そんなことは誰に聞いたらいいのですか
もう目を閉じてもいいのですか
涙が止まらないのです

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