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散歩(2019.11.7)

歯車は
きちきちと
おのれの場所を
ぬかりなく
刻んでいるのですが
時おり
その耳に染みついた
きちきちという音も
その身を削るほどの
ぬかりなさも
すっかりうっちゃって
まろやかに刺すような
月の光に誘われたせいにして
ふらふらと
横道にそれては
鼻歌なんか歌ったりして
なんの役にも立たない
だれの為にもならない
どこにも辿りつかない
そんな散歩をしてみます
もっとも
次の朝には
きちきちと
ぬかりなく
歯車らしく
おのれの場所に
かしこまっているのですが

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