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残暑(2020.9.11)

彼の岸は
空の向こう
やがて踏む梯子の先
ひんやりとした青い色は
地上の名残を滅するほどの
陽の熱すらも懐にして
ひんやりと笑っている
焼かれ燻され墜ちていく
熱された体から惑い出た
もう望めない声たちを
その懐に抱こうと
彼の岸は
空の向こうに
ひんやりと待っている
外された梯子の
まだ下にいるわたし
手のひらを陽に焼きながら
彼の岸を睨む

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