【仕事】弁護士費用の見積もり
費用の見積もりというのは、建築でも車でも提示してもらうことは普通のことと思います。
では弁護士費用はどうなのかというと、大体の金額を言われるだけの場合もあれば、見積書という書面で提示する場合もあると思います。
弁護士費用は受任する段階でお支払いいただく着手金と、その成果に応じて生じる報酬金とに分かれます。
成果がなければ報酬金はゼロとなります。
着手金というのは手付金とは違います。税理士の先生や税理士事務所の職員の方が手付金だと勘違いしてくることがこれまでありました。
手付金というのは、本来の例えば売買代金のうちの一部を前払いするものです。
着手金は報酬金の前払いではありません。
着手金も報酬金もそれぞれ別個に発生するものであって一体のものではありません。
支払う側の考えによっては要するに全体を支払ううちのいくらを先に支払うのかという思考になってしまって手付金のような思考になってしまっているのかもしれません。
着手金も報酬金もそれぞれ、依頼者が受ける経済的利益というものを考えて、その金額の何%ということで提示することになります。
経済的利益というのは分かりやすく言えば請求金額のことです。
1000万円請求したいという人がいるとすればこれが経済的利益となります。
増額又は減額すべき何かしらの事情があればそこからさらに何%又は何割か修正することはあります。
これが基本的な費用の算出の過程です。
これに、訴訟をするなら訴訟の印紙代を預かるという項目も加わります。
通信費や戸籍取得費用などの実費に相当する金額も概算で決めたりします。
こうした決めた金額の総額が着手段階での費用ということになります。
これを見積書という書面に落とし込んで、交付して検討してもらいます。
その場で決めてもらう必要はなく、持ち帰って検討してきてもらっても大丈夫です。
不明点があれば説明できます。
金額面はこれで良いとして、時間面はというと、これは見積書には反映されていない部分です。
訴訟では半年とか1年かかることは珍しくなく、1か月くらいで判決が得られると思っている人にとっては驚かれることがあります。
最初の裁判所で判決が出ても、これに不服があれば次の裁判所で審理されることになり、どんなに早くてもさらにあと半年程度かかることになります。
これら時間の見積ともいうべきことも伝えられていない弁護士もいると思いますが、誤解がないように伝えたりしています。
このようにして、お互いの認識を共通のものにしていけばスムーズにその後の依頼も進めることができて双方にとってよいと思っています。
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