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クリーニング屋 その2
今や、体が不自由になると、機械の身体のパーツをスペアで代用できる時代になった。
心も同様に、辛い記憶は、クリーニング屋に行けばきれいに消し去ることができるようになった。
人々は、死ぬほど悩むこともなく過ごせることで自殺者は減り、この国の人口は右肩上がりに増加しつつあった。
今日も行きつけのクリーニング屋出たところで気がついた。
自分には知り合いが1人もいないのだ。
今の今までどうして気づかなかったのかと、スマホの履歴を開くと、1件だけ通話履歴が残っていた。だがこの人と話した記憶は、もう残っていない。
そもそも、俺は、どうして記憶を消しに行ったのか……。もしかすると、記憶を消しに行った原因は、この人なのかもしれない。
考えれば考えるほど指が震えてくる。
俺は、震える指で、通話ボタンを押していた。
【御礼】ありがとうございます♥