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初めての一人旅 in 北海道 ①

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一人旅は、自分発起でやるものだと思っていた。

最初から一人で行くことが前提で、「一人になりたい」とか「自分と向き合いたい」とか「自分の力を試したい」とか。

一人旅をする人たちは、そういう理由でどこかへ旅に出るのだろうと思っていた。

だから、一人旅をする理由に、
「偶然」という理由があるとは思ってもみなかった。
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食べることが大好きな友達と「食い倒れの旅」をするべく、卒業旅行もかねて北海道に行くことになった。

が、しかし、出発日の約3週間前、その友達が腰をやってしまった。

今までのぎっくり腰の中で今回が1番ひどいという。

リハビリを続け、なんとか、自力で寝返りを打ったり起き上がったりできるようになり、立っていられるようになったし座っていられるようにもなったから、と友達は言う。


旅行に行く気満々なご様子だ。


友達が徐々に回復しているのは心から嬉しかった。
しかし、旅行中は絶対にはしゃぐし、歩き続けるし、北海道ともなれば寒さで気づかないうちに力んでいるだろうし、それでまた悪化しては元も子もない。
一緒に北海道に行きたいけれど、それ以上に腰が心配だ。
そうして、私はやんわりと、キャンセルする方向へ促すことにした。
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はあ〜〜キャンセルか〜〜

大学一年生の頃からずっとずっと行きたくて、行く機会を逃し続けていた北海道。

なにがなんでも絶対に行きたいな。

今のところ1人だからお母さんでも誘うかな〜
でも一旦東京に来てもらうのもな〜
と、友達の埋め合わせを考えていた。

だが、ふと、


ん?1人、、?

私1人で北海道、、?

、、一人旅?

、、アリかも、、。

となり、本当にふと、急に、私は一人旅をすることになった。

一人旅をしようと決めたのは自分だけれど、
それは、全て自分で思い立って決めたことではなく、友達のぎっくり腰が理由の大半を占めている。

友達には申し訳ないけれど、このタイミングで友達がぎっくり腰になったのは、
すごく「偶然」のことで、一人旅を経験するチャンスを神様がくれたんだと思った。

そう思うと俄然わくわくして、一人旅に対する不安はほぼゼロになった。
ほんの少しの不安といえば
「一人で食い倒れられるか」
ということだけだった。
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そうと決まれば急いで準備に取り掛かる。
友達の飛行機をキャンセルして、新しくホテルを予約して、どこで何を食べるのか調べる。

そして、別の友達に、「そのコートで北海道は無理でしょ!」と言われたので、2月の北海道に相応しいダウンを探す。

「北海道 2月 服装」と検索すると、靴はスノーブーツとあったのでスノーブーツも探す。

その他、カイロやあったかそうな靴下など。

優柔不断だからじっくり決めたいのにそう言ってる暇はない。
けれど、買うならちゃんと気に入ったものを買いたい。

約5日間、渋谷や新宿、インターネットをひたすら歩き回る日々。

旅行の準備ってこんなに大変だったっけ?


前日まで準備に時間を削がれ、睡眠2時間でバイトに行き、仮眠をとる間もなく空港に前日イン。

羽田空港第3ターミナルのロビーで爆睡。

と言ってもベンチで寝ているから疲れは全くとれない。重だるい、、。

大丈夫か??これから北海道行くんだぞ??

と自問自答。

む、む、むりそう、、、なわけないじゃないか〜!!

と自分を奮起させ、なんとか飛行機に乗り遅れることなく、北海道へと旅立った。
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初めての一人旅。私には2つの旅のお供がいた。

それは、「写るんです」と、さくらももこさんの「ももこの世界あっちこっちめぐり」


北海道の壮大な景色をこのオンボロのiPhone8(通称:ボロフォン)で撮るのはもったいないにも程があるし、それ以上に北海道の景色に申し訳ない。

かといって、何万もするカメラを買うほどでは、、。

ということで、いかにもブームに乗りました系女子に見られないかな?という不安もありつつ、
中学校の修学旅行ぶりのこのカメラを、正式名称を知っていてもなぜか「しゃるんです」と言ってしまうこのカメラを、私の旅のお供として連れて行った。

そして、旅にアクシデントはつきもの。
初めての一人旅なら尚更だ。
けれど、さくらももこさんのこのエッセイを持っていれば、どんなアクシデントが起きても、さくらももこさんの言葉が笑い飛ばしてくれるだろう。
そんな気がして、「ももこの世界あっちこっちめぐり」も大切に、
機内持ち込みの手荷物の方のバッグに入れた。
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そしてもう一つ、初めての一人旅だからこそ、SNSから離れて旅行がしたかった。
せっかく一人で、誰にも縛られず、知り合いもいない北海道の地へ行くのだ。

私は北海道へとエスケープするのだ。

せめて旅行のときだけは自分の世界を、自分と向き合う時間を、大切にしたい。
エスケープ中の自分がSNSなんかで簡単に人や日常に吸収されては困る。

カメラと本は必ず持っていこう。
そして、少しでも携帯から離れるために、旅行用の手帳と小さめの紙に印刷した札幌と小樽のマップも用意。
北海道ではどんな景色、食べ物、人と出会うのだろうか。そしてどんなことを思うのだろうか。

そんな期待に胸を膨らませ、玄関の扉を閉めた。
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初めての一人旅 in 北海道


ここから先、この旅を優しく見守っていただける方がいたら、1日目、2日目、3日目と続く旅の同行を願います。



それでは、レッツゴー!

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