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世の中を変えるのは法律ではない

モネにマッシュポテトを投げつけ、ゴッホにトマトスープをかける…芸術品や高級品が破壊され市民活動にも影響が出ているニュースに胸が痛む。
環境活動家「Just Stop Oil(ジャストストップオイル)」がイギリス政府に、すべての石油とガスプロジェクトの新規事業停止を求める要求する抗議活動が話題になっている。

もっと違う方法があるだろうと思うのだが、なぜこのような過激派が出てくるのか?
歴史を振り返ってみるとた、さまざまな活動家が過激な抗議活動をして情報拡散をした例は存在する。シーシェパードもその一つだろう。

確かに過激な行動で情報拡散の意図は達成しているかもしれない。だが、その後まともに受け入れられていくかは疑問だ。
何かを変えようとする時、過激派が出てこないと時代は変わっていかないのだろうか。
Just Stop Oilの講義活動のニュースを見た時、過激派フェミニズムの歴史を思い出した。

過激派フェミニズムの歴史

フェミニズムは女性に対する差別や不平等を解消する思想で本来は素晴らしいものはずなのだが、一部の過激派フェミニストの行いや男性を攻撃する発言が目立ってしまい、
「フェミニストって、なんか怖いし激しいな。。。」という印象が根付いてしまっている。

現在は第4波フェミニズムと言われており、第1波は19-20世紀初頭に遡る。
当時のフェミニズム運動の主な目的は女性の参政権の獲得。初めは平和的に投票運動をしていたがほとんど効果はなく、徐々に過激派集団が登場。
放火や爆撃、郵便ポストを燃やすなど超過激な暴動を繰り返し、男性が集まる場へ行き自殺行為をして主張をするなどした。
このような女性集団をイギリスでは「サフラジェット」と呼ばれるようになり投獄者も多数出るが、刑務所内でもハンガーストライキ(断食)をするなど運動が続いた。

第2波は1960年代の女性解放運動で、主な目的は雇用や賃金の男女平等、女性の無償の家事労働の認知、女性の性の解放だった。
第3波と言われるのは1990年代頃で、第2波よりも性を解放し女性も性的なことを楽しんだり、スタイルの自由、セックスワーカーの肯定などが挙げられる。

確かにサフラジェットのような過激派の運動を超えて女性が参政権を獲得した歴史はあるが、女性の参政権は彼女らの運動によってというよりは、戦争などそれ以外の背景が大きい。

それに、彼らのように石油からできた衣服を身につけてストップオイルと叫ぶのは違和感しかない、個人的には。

法律や強制力は必要なくなってきた

女性の働き方について発信をしていると、必ずフェミニズムにぶつかる。
私は自分自身のことをフェミニスト的な思想の持ち主だと思っている。
だが、フェミニストのネガティブな印象がひとり歩きしており、誤解を避けるため「私はフェミニストです」とは言わず、別の表現で思想を説明したことがある。

もう性別や人種を差別したり環境問題なんてどうでもいいという人の方が少数派のはずだ。
美術品を壊したりハンストではなく、合法的な手段で訴えかけていく方がずっと耳を傾けてくれるかもしれない。

SDGsの広がりとメディアの在り方が変わり、環境問題も政治問題もじつは以前ほど法律や強制力は問題ない、という見方ができると思っている。

マスメディアを通さずに個人の意見を発信できるいまは、環境問題等を守っていない企業や団体にどれだけ厳しい目を向けていくかの方が大事だし、そのほうが法整備などの実効性を高めるのではないだろうか。
いつの時代も法律は後からついてくる。

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