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母校、エグモントホイスコーレンが修学旅行にやってきた。その②〜限界は誰が決める?~

お昼に飛行機を分けてやってきた。
デンマーク、エグモントホイスコーレンの
約40名の学生達が埼玉に到着したのは、
夕方ごろのこと。

到着したエグモント御一行

長いフライトで疲れた様子の学生もいるが
多くの学生は、初めての日本で
見るもの全てが楽しい様子。

『コンニチハ!』
『アリガト!』と覚えたての日本語で
挨拶してくれた。

2日目は、
秩父のお寺巡り。

桜が綺麗に咲いていて、まさに、ベストシーズン。
段差を超えてお寺へ

夕食はお宿に残った日本人卒業生とボランティアで作ったおいしいカレー。

3日目は、
チームに分けて半分が川越観光。
もうひとつは日本人との料理教室。
餃子と巻き寿司とサラダ
巻き寿司といっても作るのはキンパ!
『絶対こう!』なんてない。
そんなところもエグモントらしい。

デンマーク人に買い物リストを渡して、
彼らだけでサラダのおつかいへ。
リストの鰹節が桜海老になって
帰ってきているのはご愛嬌。

餃子の皮をみんなで包んで
自分で作ったご飯を食べる。

車椅子ユーザーだからできない?
そんなことはない。
アシスタントが海苔の上にご飯をおいたら、
広げる作業は自分でできる。
巻きすをアシスタントと握ることができる。

自分で作った料理ほど美味しいものはない。

その後エグモントの学生は、
和紙のミュージアムへ移動。
その間に先生は
日本人の希望した一般参加者と共に
デンマーク料理を作る。

介助者と共にやってくる
車椅子ユーザーにエグモント流の洗礼は
サプライズでやってきた。

先生達がこれから作るデンマーク料理を
説明した後で、

「介助者の方は今日は見守りで、
介助が必要な方は、デンマーク人の
アシスタントがつきます。
必要なら通訳を入れます。」
と一言。

戸惑う参加者に、
他のグループに散るように促す。
医療的行為や介助が必要な場面のみ
介助者がつくことに。

車椅子ユーザーの女性に
アシスタントのアスティが声をかける
「これからポテトサラダを作るんだけど、
このじゃがいも切ってみる?」

第一声は、
『できない。』だった。

するとアスティは
「じゃあ私がどうやって工夫すれば、
あなたはこれを切ることができる?」
と声をかけた。

彼女はぐるぐる頭を使って考えている。

『手を洗う』を、まずは選択。
アスティと二人で手を洗いに行った。

その後、アスティが4等分くらいまで
切ったジャガイモなら、
握力の弱い彼女でも切ることができた。

少しのきっかけや支えがあれば
自分でできるの可能性が広がる場所。

それがエグモントホイスコーレンである。

今回の料理教室で、
改めて日本の福祉とデンマークの福祉を
見つめ直すことができた。

限界を決めているのは、社会や環境、
もしかして自分自身なのかも?と
気づきを与える空間であったことを
彼女の笑顔から信じていたい。

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