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慢性疾患患者を苦しませる貴方の何気ない一言
こんにちは。先日の記事のお陰で「サイボーグH」というあだ名がついた@hirokonishimuraです。皆さんの周りには長年に渡る病気に悩まされている方が一人はいるのではないでしょうか?もしかして貴方が慢性疾患を患っている当事者かも?
過去の記事を読んでいただいている方には一目瞭然かもしれませんが、私も「慢性疾患患者」です。英語で言う、「Chronically Ill」ですね。私の場合は病気が障害を持ってきているので、「障害者」(Disabled)でもあります。
マガジン作ったので是非読んでみてください! → 大病奮闘記
慢性疾患
まずはじめに、「慢性疾患」とは。
徐々に発病し、治癒にも長期間を要する疾患の総称。心臓病・関節リウマチ・結核・糖尿病などの類。慢性病。
言ってしまえば、「治らない病気」「持病」ですね。発病してなんとか日常生活を保ってるけど、毎日が痛い・辛い・しんどい。薬を飲んでいるかもしれないし、通院しているかもしれない。「普通の生活」を送っているという「ふり」をするだけで毎日体力の200%を使ってしまっている。
急性疾患
風邪をひくと、薬を飲んで、寝て、数日休めば治ります。こういう病気には周りの人はとても慈善的です。カードを送ってくれたり、ご飯を持ってきてくれたり、「大丈夫?」と様子を伺ってくれます。
「早く良くなると良いね!(Get well soon!)」
そして、数日後に回復すると、「よかったね!」
急性疾患:突然発病して急激な症状を呈し、急速に経過してなおるか、または死にいたる病気。病気の経過の長短によって分類した名称。
さて、突然ですが「慢性疾患患者を苦しませる貴方の何気ない一言」。どんな一言なのでしょうか?
私は悪気がなく、良かれと言われている「早く良くなると良いね!(Get well soon!)」に毎回苦しめられます。
「早く良く」ならないとどうなるの?
大半の人は「風邪」「インフルエンザ」「出産」「骨を折る」などの「一時的」な病気や障害としか触れ合ったことが無いのだと思います。
そして「Get well soon!」はお見舞いカードとしてよく売っています。「良かれ」と発病者に言われます。
でも私たち慢性疾患患者は「早く良く」ならないのです。大概は一生を病気と共にするのです。
「早く良くなると良いね!」と良心的に言って貰い、心遣いはありがたいです。ですが内心、言われるたびに「私は一生良くならないんだ」ということをを思い知らされているのです。
そして、一番傷つくのが「良くならなかった時」に「呆れられる」事。
「なんでいつも疲れてるの?」「この間〇〇と遊んでたよね?なんで私とは遊べないの?」「なんで洗濯・掃除・自炊出来てないの?大人の基本だよね?」「なんでこんなに簡単な事が出来ないの?」
体力を「配給性」で使わないといけない私たちには行動や体力にむらがある。その「むら」が理解されない事が多く、辛いです。
自分の体調管理が行き届いていないから治らないんだ。もっと頑張れば治るはず。色々言われます。
でも、治らないんです。私は医者には寛解率は3%以下と言われているのです。
そしてそれが一番辛いのは。。。。当事者なのです。
「介護」者と障害者
私はには同じ歳の夫がいます。彼は私と付き合いだすまで「治らない病気」に掛かっている人との交流がありませんでした。
最初の数年はとても頑張ってくれて、色々助けてくれました。でも、何年か経った時、泣き崩れてしまいました。
「僕はこんなに頑張っているのに。こんなに助けようとしているのに。君は治らない。良くならない。僕は一生こんなことを続ける自信が無い。」と。
「介護」する人の衰弱。それはとても大きい問題で、でも文句を言うのはタブー。と言う感覚で介護者はストレスの発散場所が無く、とても辛い思いをします。
私の場合「介護」は必要では無いのですが、体力にむらがあるので家事などが満足に出来ない事が多いです。一人で暮らしている時は、体力がある時にまとめて処理するのですが、夫と一緒にいると、彼が全て処理してしまっていました。
彼としては、私を助けたくて、色々頑張りすぎてしまい、最終的には崩れてしまいました。でも、私は「出来る」のです。「普通」のスピードでは無くて、少々手抜きをして、なんとか「出来る」のです。
話し合って、彼は私を助けていればいつか私が「治る」と感覚的に思っていたということがわかりました。私が「治らない」と言っていても、やっぱり「感覚」として「治らない病気」というものの実態が理解できていませんでした。
これは多分、人口の大半の方が感覚的にわからないことだと思います。
私は大丈夫だよ。やってもらわなくても大丈夫だよ。でも、助けてくれることは感謝しているし、無理の無い範囲で助けてくれれば良いんだよ。
そう伝えました。
「アドバイス」
発病当時は、風邪をひいた人同様、周りの人はとても気遣ってくれます。そして色々アドバイスをしてきてくれます。自分が医者と話し合って決めている治療法でも、何故か素人の友達や同僚の方がその治療法を否定して、アドバイスしてきます。
私がリュウマチを発病した時、同僚や友達には沢山「アドバイス」されました。
「ヨガしないと!」「ビーガンにならないと!」「赤肉を食べたらいけないよ!」「〇〇(怪しいサプリ)を飲んだら治るよ!僕の姉もこれを飲んで治った!」「クミンを飲み物に混ぜると治るよ!僕の80歳の母さんはそうやって治したよ!」
キモセラピー治療を行っていると話すと、「そんなに体に悪いことをしてはいけない!体に毒を吸収させているようなものだよ!僕の従姉妹みたいにビーガンになったら治るよ!」と言われたこともあります。
私たちは医師の指示の元、治療を進めています。あなたがネットでこの間見た記事の「新しい奇跡的回復が望める薬!」は多分もう医師と話していることです。お医者さんが100%正しいとは私は思いませんが、それでもお医者さんと二人、歩んでいる道です。(勿論めちゃくちゃな事をしている人は止めないといけないかもしれないですが。)
「君は障害者なんかじゃ無い!普通だよ!」
元気付けようとして言ってくれているのはわかりますが、自分が辛い・しんどい・「普通」のことが出来ない。それで悩んでいる時に、「君は病人・障害者なんかじゃ無い!普通だよ!がんばれ!」と言われるとまた落ち込みます。
「甘えるんじゃ無い!お前は怠け者なだけだ!誰にでも出来ることがしたく無いだけだ!」
と言われているように感じます。(というか、はっきりそう言ってくる人も少なく無いです。)
それは、私たちが毎日自分自身と戦っている偏見なのです。毎日「普通」のことが出来なくて苦しんでいるのは私たち本人なのです。
元気付けようとしてくれているのは解るのですが、言われる都度に、「出来ることもしようとしない怠け者。」ともう自分で考えてしまっていることを再ループすることになります。
私たちはもう目一杯「頑張って」います。今ここで日常生活を送っていること自体が「頑張っている」のです。
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