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ミドル世代が抱えるモヤモヤ感の正体とは

働くみんなの必修講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは」(中原淳さん(立教大学経済学部教授)、小林祐児さん、パーソル総合研究所共著)を読みました。

転職を考えているわけではありませんが、
「転職時に何を考え、悩み、転職先を決めているのだろう?」
「ライフキャリアをデザインするのにヒントがあるでは?」
と手にとってみました。

ヒントがあったのは、ミドルの転職のパート。転職について書かれている部分ですが、現在の自分の立場に置き換えながら理解を整理してみます。

■ミドル世代が抱えるモヤモヤ感の正体

同年代で、キャリアについてモヤモヤしている人は多いけれど、なかなか腹を割って心底から相談し合うのは難しいものです。発言によって、「どう見られるだろう?」と他人の目を意識してしまうことが最大の原因かなと思います。

同書では、ミドル世代が抱えるモヤモヤ感の正体として、

ミドル層の多くは、所属している組織のなかで出世していくという組織内の「時間的展望」が低下しているにもかかわらず、組織を飛び出して転職するチャンスも失いかけています。「自分の人材としての価値」が信じられなくなった状態、それがミドルのモヤモヤ感につながっている、といえるでしょう。

と書かれていました。
確かに時間軸はあるかもしれません。この先、と考えたとき、60歳までなのか、定年までなのか、80歳までなのか、のゴールの違いによって、心の持ちようは変わります。

時間軸を掛け合わせた上で、「自分に何ができるか」というスキルや、「これを成し遂げたい」という強い意志を持ち合わせていきたいものです。

■「役割が曖昧」こそが誰にとっても悲劇!?

「役割曖昧性」が与える負の影響

この本でこのページが最も刺さりました。

組織内で自分が担う仕事の内容や責任の範囲についての情報を十分にもっていないこうした状況は、学術的には「役割曖昧性」と呼ばれており、さまざまな場面での負の影響を与えることがわかっています。多くの研究者が行っている複数の実証研究をまとめて分析する「メタ分析」と呼ばれる研究でも、この「役割曖昧性」は、仕事の満足度、組織への愛着、自身のパフォーマンスなどに負の影響を与え、本人の離職につながりやすいという指摘があります。あらためて私たちが実施した調査でも、この「役割曖昧性」が、中高年層の転職者が組織や仕事に馴染んでいくのを妨げる原因になっていることが確認できました。

任務の詳細は、明確に言語化されていません。多くの場合、抽象的なミッションや目標だけが示され、具体的なタスクは細かく説明されないのです。登山に譬えるなら、「めざすべき山の頂」が示されるだけで、「登り方はお任せします。優秀なパーティを組んで、適切なルートを設定して登ってください」といわれているような状況でしょう。

ミドル世代側の前提と会社側の期待とのギャップですよね。

同本では、転職したミドルが入社したときの上司との関係について書かれていましたが、役職定年になったミドルも同じではないか、と。

上司(上役)がミドル世代(自分)に期待していることが何なのか。
自分に求められている(課せられている)任務は何か。

ここを明確に擦り合わせる必要性がある、という問題提起だと捉えました。

「最初が肝心」とよく新入社員の育成に対して言われていた言葉ですが、いやいや、ミドル世代だって同じ。ギャップを埋めるためのコミュニケーションは、お互いが怠っては両方ともが不幸になります。

相手の話をしっかりと聴いて理解する。そして、「謙虚になる」ことはあらためて大事にしたいと思いました。

■学びは止めない

大人にとって、座学は学びではない。
時代や環境の変化を敏感に察知し、それらに適応して、「自らを変えていく」ことである。

その通りですね。
変化が激しいVUCAで正解がない時代。外部環境を捉えて、自分のゴールに対してどういった影響があるのか。そのために学ぶべきことは何か。と考えると、読みたくなる本が増えるばかりです・・・
そして、言葉にすることが学びを深めるので、興味がありそうな人と意見交換することで思考が深まると実感しています。
だからこそ、コミュニティを立ち上げることに意味があるのではないか、と考えています。
ミドル世代アップデートコミュニティを立ち上げます

時間が許す限り、これからも学び続けていきたいと思います(あー、言っちゃった!!)。



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