再認識!やっぱりすごい草間彌生
ルイ・ヴィトンと草間彌生のコラボレーション。
東京の色んなところで広告ジャックやインスタレーションを見ることができます。
草間彌生との最初のコラボレーションは2012年。あれから10年経ったのですね。早い!
というわけで、草間彌生がまたまた注目されているのですが、彼女のこと、皆さんはご存知だとは思いますが、再度彼女の凄さを言わせてください!
彼女は長野県松本市の比較的裕福な家に生まれます。放蕩癖のある父親と、それによるストレスで、ヒステリーを起こし虐待をしてくる母親のせいで、幻聴、幻覚、自殺願望に苦しんでいたそうです。
水玉が視界を覆うという幻覚に悩まされていた彼女は、それを緩和させるために、あのドット柄のアート作品をつくり始めたのだとか。
渡米後の1961年、彼女は幅10メートルもある作品を発表し、N Yでセンセーションを巻き起こしました。《無限の網》の制作で、三日三晩寝ずに描き続け、救急車で運ばれたこともあったそうです。
そんな彼女を60年代、治療のために訪ね、安価もしくは無料で治療を施した、医師の廣瀬輝夫にその感謝の意を示すため贈ったという作品が、2021年にボナムズ・ニューヨークで競売にかけられました。
その作品たちはこちらから見ることができます。
初期の作品にもあのドットがありますね。
その後、男根状の突起を家具などにびっしり貼り付けたソフト・スカルプチュアの作品も発表しています。性や食品に対するオブセッション(強迫観念)を主題としているそうですが、NYでアジア人、しかも女性がそんな作品を発表したのですから、びっくりしたことでしょう。
まぁ、女性以外が男根状のオブジェを作る方が変だったりするのでしょうが。。。
1965年には、《無限の鏡の部屋―ファルスの原野》という、壁には三方に鏡が貼られ、床には赤いドットが施された男根状のオブジェがぎっしり敷き詰められたインスタレーションを発表します。今では一般的ですが、彼女が先駆けだったようです。
1967年からは、ヌードモデルの身体にドットを描くなどのパフォーマンス「クサマ・ハプニング」(パフォーマンス)を仕掛けました。性への嫌悪感と執着とが生んだこのパフォーマンスは、アメリカだけでなくヨーロッパでも大きな話題となったそうです。
こちらは自身にドットを描いたパフォーマンスです。
こんな風に、彼女は世界的にセンセーションを巻き起こしたのです。
日本人の女性が、です!
しかし長くは続きませんでした。
26歳もの年齢差があった同じくアーティストのジョゼフ・コーネルと、相思相愛だったそうですが、彼が1972年に亡くなると体調が悪化し、日本への帰国を余儀なくされたそうです。
その当時、彼女を担当していたギャラリストに聞くと、80年代ぐらいまで作品は全く売れなかったそうです。
彼女自身も、「アメリカから帰ってきた時、日本は百年遅れていると実感した。そして、その時のショックは今も忘れられない。」と言っています。
日本もやっとアートのブームは来始めてはいますが、他の国に比べたら、まだまだ遅れていると言うしかありません。
今年93歳になる彼女。
そんな彼女を追随できそうな女性のアーティストが生まれてくれることを、私は強く望みます。
でも、日本以外で活躍しないと、難しいのかもしれませんね。
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