ドル円反落、円高の材料となったM&A案件
ドル円上値重く、東京後場から円高加速
今日の東京市場の大きな話題は2つ。
ドル円相場は東京市場で円高基調を強めました。
1)米労働省年次改定、雇用統計NFP100万人下方修正?
Xにマーケット関係者がウォッチするzerohedgeというアカウントがあります。危機を煽る方向にバイアスがある、とか政治的は右よりだとか批判も多いのですが、金融情報に特化したアカウントでその即時性から何処かのヘッジファンドが運営しているのではないか、などとも言われています。そのzerohedgeが東京19日月曜オープン前の4時ころ、こんなポストをしています。
雇用統計のNFPについては、速報で良い数字が出て翌月以降に下方修正されるパターンが常態化していることもあり、年次改定が大きく下方修正される可能性があることはエコノミストらの間では織り込まれているネタではあるものの、そんな話知らないという投資家も少なくないことから、週明けのドル円相場の重さはこのニュースが影響しているのでは?という指摘もありました。100万人は確かにギョッとする規模ではあります。
ただ、今日はお盆の長期休暇明けに輸入筋がマーケットに戻ってくるということもあり、円高圧力が強いだろうことは想定されていました。今年の場合、休暇前に高い水準に出しておいた「リーブオーダー」が休暇中につかなかったケースが多いと考えられるため、休み明けは輸出の売りから始まるだろう、という話です。ですからこのzerohedgeネタでドル円が下落していたかどうかはわかりません。
前の1年間のNFPが下方改定されたからと言っても、あくまで過去データーです。マーケットの新たなトレンドを醸成するほどの材料ではないと考えています。
ちなみに昨年23年は8/23に年次改定が発表されました。事前報道で50万人乗下方修正のリスクとされていましたが、実際は30.6万人だったと記憶しています。その時のドル円のチャートがこれ⬇️その日1円ほど円高になっていますが、トレンドを変えてしまうほどのインパクトではありませんでした。
2)カナダ企業、セブン&アイに買収提案 5兆円規模
日経新聞が13:22に打った特報です。
買収が成立するか否かはわかりませんが、5兆円規模に市場は反応したようです。今回の場合はカナダ企業が日本企業を買う可能性、ということで巨額の円買い需要が起こる可能性を瞬時に折り込みに行く動きだったと思われますが、過去ソフトバンクがポンド円相場を動かしたケースが記憶に新しいですね。ARM買収3.3兆円。これは2016年7月19日の記事⬇️
ああ、私も昔コラムに書いていました。米スプリント・ネクステル買収のときのことも。⬇️2016年7月19日のコラム。
というわけで、通貨先物市場の投機玉はどこかで必ず反対売買が起きますが、こうした買収による為替需給は反対売買がありません。今回の5兆円規模だと本邦通貨当局の1回の為替介入金額にも相当します。だとすると2~3んえ動いても不思議はないと考える投資家がある、ということでしょう。ドル円相場はきれいに38.2%戻りで上値を抑えられて反落してしまいました。
円高は日本株市場にも打撃となりますね。前場は堅調だった日経平均、後場急速に上げ幅を削ってしまいました。
さて、ここからです。23日の閉会中審査とジャクソンホール会合のパエウル議長講演まで、これと言った材料がないのですが、米国株市場は9月利下げ開始を歓迎する形で上昇が継続中。ハードランディングシナリオが後退し米株市場は今年の高値を狙っているかのような強さです。労働省の年次改定のニュースはバッドニュースですが、バッドニュース is グッドニュースという反応でしょうか。リスクオン相場なら再びドル円相場を買おうという投資家も出てきますね、いわゆるキャリー・トレード再開の可能性も出てくるわけですが、私はまだドル円ロングはせず様子見。
通貨インデックスを俯瞰してみるとドル独歩安基調は継続しています。
1.2864ドルコストのポンドドルロングを継続しています。ドルストのオセアニアロングでも良さそうです。
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