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NVIDIA決算通過で米株堅調、米GDP改定値上方修正でドル反発だが…

NVIDIA決算受けて下落も、マーケット全体への影響は軽微

注目されたNVIDIA決算、一言でいうと予想を上回る好決算でした。

24年5〜7月期決算
売上高:前年同期と比べ約2.2倍の300億4000万ドル(約4兆3500億円)
純利益:2.7倍の165億9900万ドル ~ともに市場予想を上回る。
・売上高、純利益ともに四半期ベースで過去最高を更新
・AI向け半導体需要の強さを確認

2025年度第3四半期(2024年8〜10月)のガイダンスは売上高325億ドル(±2%)。アナリストの予想の平均は317億ドルでしたので、こちらも予想を上回っているのですが、株価は下落の反応。投資家を満足させる内容ではなかった、ということのようです。投資家の期待値があまりに高すぎた、ということでしょうか。

NVIDIA日足 黄色矢印は決算発表日

決算発表後の時間外取引では一時8%安まで売られていましたが、29日(木)とNY市場では前日比3%安程度に収まっています。市場を混乱させるほどの下落ではありませんね。そもそも決算は良かったのですから。市場が警戒するリスクイベントは無事通過したという印象です。
今夜のダウ平均、史上最高値更新して楽観が広がっていますね。

ダウ平均日足

ドルが反発のフェーズに入った?!

ドル円相場、21:30に急伸となりました。5分足です。

ドル円5分足

材料は米国4-6月期GDPが上方修正されたことと、新規失業保険申請件数が先週より減少していたこと。
・4-6月期GDP改定値:前期比年率3.0%
             (予想:+2.8%、速報値:+2.8%)
・先週分新規失業保険申請件数:23.1万件
                                         (予想:23.2万件、前回:23.2万件)

今日、安田さんとLIVEセミナーで話していた時に教えていただいたのですが、新規失業保険申請件数も低めに出ている可能性がある(とFEDウォッチャーのニック・ティミラオスが指摘している)ようです。州毎に法が異なるそうですが、不法移民は失業保険を申請できない州もあるとのことで、実際は失業していても保険が申請できない労働者も多いため、申請件数の数字に出てこないようだ、というのです。雇用統計のNFPの下方修正癖も大概ですが、ここにも表面化しないだけで実態は悪い可能性があるという指摘があるのです。

しかし、こうした専門的な深読みが市場コンセンサスになるまでには時間を要します。今日のマーケットは素直にGDP改定値と新規失業保険申請件数の低下に反応、ドル買いになっています。ドル金利もリバウンド基調が鮮明となってきました。

米国債利回り

ドル円は素直に日米金利差について行っています。
黄色のラインは日米金利差(2年債)

日米金利差とドル円 5分足

4-6月期が良くても7-9月期のGDPはどうなの?という話もありますが、市場関係者が注目するアトランタ連銀の予測モデルGDPナウを確認すると7-9月期のGDP予想は+2.0%。足元でリセッションの兆候は見えません。

よくGDPは遅行指標だといいますが、しかし米国経済がこれだけ強いのに、年内1%もの利下げを織り込んでいて良いのか、と市場は我に返るわけです。今年は後4ヶ月です。FOMCは3回開催されます。通常0.25%づつの利下げが定石ですが、0.25%×3回だと年内全てのFOMCで利下げを実施しても0.75%にしかなりません。1%もの利下げを織り込んでいるということは、9月11月12月のいずれかのFOMCで、1回で0.5%幅の利下げがある、と見込んでいるわけですが、、、。(足元でもこの織り込み度に変化なし)

ドル円テクニカル分析、日足はレンジも短期的にはドル安修正か

ドル円相場1時間足、上値抵抗のレジスタンスを超えて来ました。200SMAで引っかかっていますが、ここを突破すると時間足で見る短期トレンドは上向きとなったと考えられます。

ドル円1時間足

ただし、日米の金融政策ピボット、金利差縮小が市場のテーマにシフトしている中で、腰の入った円キャリー・トレードが再開するかどうかはわかりません。140円~150円幅でのレンジ相場に入った、という見方が増えていますね。10円も幅があればトレーディングチャンスはいくらでもあるように見えますが、しかしそのレンジ内での短期トレンドが見極めにくく、スゥイング派の私の苦手な相場です。。。時間足、分足と時間軸を小さくしてデイトレ、スキャルが向いている相場かと思います。仕事柄PCに張り付いていられませんので、そういう取引はなかなか出来ません。

ドル円日足

どもかく、ドル円にトレンドが発生したことが確認できるのは0.382%戻り高値を超えてからです。需給面からは日本のドル需要は年々拡大傾向にありますので、長期的には再び円安基調が戻ってくると思いますが、これだけの大相場の後です、揉み合い相場で日柄を稼ぐフェーズだと思われます。

145.12円ショートは時間足でのレジスタンスを超えてしまったため、144.72円で買い戻しています。ここから買う気にもなれませんでしたが、GDPで上昇していきましたね・・・。

明日のPCEですが、ややインフレリバウンドの予想となっています。これでさらなるドル上昇となるでしょうか?


 ■ 7月個人消費支出(PCE)
前月比 前回0.3% :予想0.5%

 ■7月個人消費支出(PCEデフレーター)
前年比 前回 2.5%:予想 2.6%

■ PCEコア・デフレーター(食品・エネルギー除く)
前月比 前回 0.2% :予想0.2%
前年比 前回 2.6% :予想2.7%

■ 7月個人所得
前月比 前回0.2% :予想0.2%

とはいえ、来週はISM製造業景況指数、週末には雇用統計が控えています。それほど強いドル買い、ドル反発にはならないような気がしています。

ドイツCPI悪化でユーロが崩れだした

今日は17:00にユーロが急落しました。日足でみると上昇トレンドは終焉したようにも見えます。

ユーロドル日足

トリガーはドイツの消費者物価指数。

8月のインフレ率は2%、前月の2.6%から減速-市場予想は2.2%

ECBは次回9月12日に理事会を開きますが、継続利下げの確度が高まったと見られます。そもそもドイツのGDPはマイナス。景気が悪いというのに足元ユーロが上昇していたことのほうが不思議でした。これはこれまで為替市場のトレンドがドル安が顕著だったためと思われ、ユーロの売りがあぶり出されて踏み上がっていただけと見ることもできます。金利差からみても積極的なユーロ買いがあったとは考えにくいですね。。。

政策金利推移 欧州は4.25% 米国は5.5%

通貨インデックスを見るとドルが反発、ユーロが反落の基調。円もやや下落しています。今日はユーロの下落につれてポンドも下落。欧州通貨がトレンド転換したかに見えますが、豪ドル、NZドルは上昇しています。

通貨インデックス比較

なぜオセアニア通貨が強いのか。他通貨同様、ドル安トレンドにあったためではありますが、今日はドル高です。それでもオセアニアが強い。豪ドルに関してはまだ利下げをしておらず、先進国の中ではタカ派であるため理解ができますがNZの強さはなんなのでしょうね。

1.3095ドルで買いなおしたポンドドル。
今日はユーロの下落に連れて一緒に下る局面がありましたが、ポンドに売り材料が出たわけではないので、まだ持っています。23/7/14の高値1.3142ドルを割れたらやめます。

基本ドル安のトレンドは変わっていないと思っています。今夜は指標で米金利が反発したことでドル反発となりましたが、来週の指標でどうなるか。また、今日も人民元高、ドル安は進んでおり先般紹介した「人民元キャリー」の巻き戻しによるドル下落リスクもくすぶっています。

ドル人民元日足 直近安値を割り込んできた

中国人民元は29日、ドルに対し上昇し、今年の値下がり分を帳消しにした。米連邦準備制度が来月にも緩和サイクルを始めるとの見通しから、中国への資本環流が起きるとの期待が強まった。

NOTE

政府は柏崎刈羽原発(新潟県)再稼働を目指し、関係閣僚会議を開催する。岸田首相は地元の理解を得るため対策の検討を急ぐよう指示する方針。会議の構成メンバーも拡充する。首相には退陣前に原発活用の道筋を付けておきたい狙いがありそうだ。

原発が再稼働していくことでエネルギー自給率が高まれば貿易赤字も圧縮され過度な円安警戒は薄れていくと思われます。円安効果と地政学から半導体工場、データーセンターが日本中に建設されていますが、再生可能エネルギーでこれを稼働させるのは無理です。この流れの背景には原子力再稼働が急務であり、絶対条件でもあるのです。
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