止まらぬ米長期金利上昇、米財政問題懸念か?
一転、ドル独歩高「ドル高、円安」2つの力でドル円上昇
結局ドル円はレジスタンス超え。
今夜は円安に加えて「ドル高」となっています。今日25日(水)のドル円上昇は、円売りとドル買いの2つの力によって実現しています。昨日までは円安によるドル円上昇で、決してドルは強くなかったのですが、ドル高も加わってドル円の上昇が力強さを増してきました。
円安とドル高の2つの力によるドル円上昇、というのは通貨インデックスの動きから確認できます。25日(水)はドル独歩高、他通貨はすべて下落しています。
米長期金利の上昇が止まらない
何故、25日(水)はドルだけが強いのかハッキリわかりませんが、米国の長期金利の上昇が続いています。ドルが長期金利に反応している可能性が強そうです。
初回から0.5%の利下げに踏み切ったことと、次回11月FOMCでも0.5%の利下げが織り込まれているため短期金利は低下基調ですが、、、。
CME FedWatchは11月FOMCでの0.5%の利下げを59.4%の確率で織り込んでいます。FOMCでボードメンバー等が示したドットチャートでは11月は0.25%の利下げ見通しでしたので、市場はさらに踏み込んだ利下げを催促しています。
ところが長期ゾーンの金利の上昇が止まらない。この背景には何があるのか?仮説としては、ピッチの早い利下げによって、長期的には米国のインフレの再燃が懸念されることでイールドカーブがスティープ化し易いということ。(短期金利は低く、長期金利が高い利回り曲線がスティープニング)
もう一つは、米大統領選挙を経て米国の財政問題が噴出するリスク。財政悪化=国債の大量発行=国債価格の下落=金利上昇です。ムーディーズが米国債格付けについて格下げの警告を発しています。
米格付け大手ムーディーズ・レーティングス、米大統領選後の米政府の信用リスクを分析したリポートを公表
このニュースが意識されているかどうかはわかりませんが、金利上昇と言うことは長期債が売られているというころですので、その可能性もゼロではないかもしれません。
ドル円は短期金利ではなく長期金利との相関を強めている
金融政策を織り込んで動く短期金利は、1年2ヶ月ぶりに米国が利下げを開始したことで素直に下落基調にあります。金融政策転換期は短期金利とドル円相場の相関が強まるとされていますが、どうも足元では長期金利を見て動いているようですね。
143.62円でショートしたドル円ですがコストで撤退(同値で仕切り)このまま米国の長期金利上昇が続き、ドル円がそれの連れ高となるなら38.2%戻り水準である148円までの上昇があるかもしれません。
レジスタンス超えでドル円の強さを確認したので、144.38円でドル円ロングにスイッチしました。
昨日まではドルストレート通貨の押し目を考えていましたが、米長期金利上昇によるドル高で、ユーロやポンド、オセアニア通貨などの他通貨も大きく売られておりこれが押し目なのかどうか迷うところです。ドルストの買いは様子見です・・・。
NOTE
中国の利下げ、経済刺激策で中国株が上昇しましたが、続かないか?
香港ハンセン指数は高値では売りが降ってくるようです。
中国の緩和はコモディティ市況にも影響が。銅やアルミなどの非鉄相場が急伸しています。投機マネーが入り込んでいると見られます。そもそも3~5月の銅価格上昇も、同時期の中国株上昇と相関しており投機マネーが作り上げた相場です。今回もただの短期筋の投機マネーがボラティリティを高めているだけでしょうか。