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日銀利上げショック+米長期金利4%大台割れ

止まらぬ日本株売り、植田総裁タカ派豹変ショック?!

前日30日(水)のNY株式市場は、ダウ、ナスダック、S&P500など全面高の様相を呈していたのですが、日本株市場は米国株上昇を移すことなく下落となりました。場中、トヨタの決算が発表されましたが、売上高と純利益、4~6月期過去最高であったにもかかわらず一時8%も下落するなど、好決算にも反応しないセンチメント。北米とその他の地域=中南米、オセアニア、アフリカ、中東エリアが増収減益となったのがやや気がかりだったことと、通期の予想が据え置きだったことが嫌気されたとの指摘はあるものの、決算は悪くないのに大きく売り込まれました。

トヨタ日足

日経平均も下落。TOPIXも弱かった

日経平均 ◎日経平均  38126.33(-975.49)▼2.49%
     ◎TOPIX  2703.69(- 90.57)▼3.24%

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-01/SHJ19LT0G1KW00?srnd=cojp-v2

東証が今日1日発表した投資部門別売買動向では7月第4週は海外勢が現物、先者合算で1兆5701億円と10ヵ月ぶりの高水準で売り越していたことが確認されていますが、昨日の植田総裁の「政策金利は(2006年からの前回の利上げ局面のピークだった)0.5%を意識せず、今回示した経済物価の見通しが実現するなら、引き続き、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく。」との継続利上げの可能性を匂わせるタカ派発言で、海外勢は断続的に日本株を手放しているようなムード。1日の現物市場で38000円台で終わった日経平均ですが、夜間の先物取引で37100円台まで更に売り込まれています。

日経平均先物 NY市場にかけて売りは止まらず

米長期金利は4%大台割れ、ドル金利下落も米株全面安

悪いことに今夜は米国株市場も全面安です。これまでSOXやナスダックなどハイテクが下落してもダウやラッセルが上昇するという循環物色が効いているとされてきましたが、ダウ、ラッセルも比較的大きな下落となっています。

AM1:25時点の米国主要株価インデックス

何故でしょう?昨晩7月FOMCでパウエル議長は「我々が期待するデータが得られれば、9月の会合で政策金利の引き下げが検討される可能性がある。
より深刻な景気後退が見られるようであれば、それに対応するつもりだ。」と9月利下げを示唆するハト派スタンスを見せたというのに。ひょっとすると「9月FOMC利下げでは間に合わない」可能性が出てきたことで、市場が催促に動き始めた可能性はないだろうか。というのも、今夜の米経済指標が軒並み悪かったのです。


ISM製造業景況指数は4月をピークに下落を続けている

また6月建設支出は前月比▼0.3%。プラス改善予想に反し5月に続き2カ月連続のマイナスとなっています。そして新規失業保険申請件数も悪化。

新規失業保険申請件数は昨年8月以来の高水準。
今夜は米経済指標が軒並み悪かったのです。この分だと明日発表される雇用統計も悪いのではないか、、、?!米金利はさらに低下、とうとう長期金利は4%大台を割り込みました。

米国債利回り 長期金利は3.97%台へ低下

米株が下落し、米金利が低下している=米債が買われている=リスクオフ相場の様相ですね。このまま米株が崩れていくと、明日の日本株もまだ下落が続く可能性は否めません。


ドル円相場は148円台まで円高となるも150円台まで反発

足元で為替市場は典型的な「リスクオフ相場」時の値動きとなっています。教科書的には「ドル高、円高、スイスフラン高」ですね。基軸通貨であるドルはリスクオフ相場では株などのリスクアセットのキャッシュ化(ドル化)でドル需要が増しドル高となります。円はキャリー通貨であるためこれが手仕舞われて逆流するする際に円高、スイスフランはEU圏からも距離を置く永世中立国であるため「安全資産」と位置付けられています。巨額の経常黒字と対外資産、金保有国であることなどもスイスフランが安全資産とされる所以。


通貨インデックス比較 円とフランが大きく上昇、今夜ドルも小幅上昇

ドル金利低下でもドル売りとなっているわけではないのですが、円売りの巻き返しで暴力的な円高となっていることで8/1ドル円相場は148.50円まで下落しました。

ドル円日足

200SMA割れで多少は戻りがあるかと思いましたが甘かったですね。ドル円ショートは昨日手仕舞ってしまって、ドル円に関しては今日はノーポジでマーケットを眺めていましたが、明日の雇用統計の数字が更に悪ければ、さらなる下落の可能性があります。


明日8/2(金)雇用統計、注目は失業率?!

日曜日のボラタイルブログにも書きましたが、雇用統計の注目点を再掲します。⬇️

「~雇用統計前回6月は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+20.6万人で
予想+19.1万人を上回る伸びも
5月分が+27.2万人⇒+21.8万人、
4月分が+16.5万人⇒+10.8万人に大きく下方修正。
直近3カ月平均で+17.7万人と2021年1月以来の低水準に。

失業率は5月4.0⇒6月4.1%へと悪化しており、
発表後ドル買いが優勢となっていましたが、
見た目ほど良くない結果だっとして23:00以降大きく崩れました。

今回の予想は NFPが+17.5万(前回20.6万から悪化予想)
失業率は4.1%で前回と同じ予想
平均時給、前月比+0.3%で前回と同水準
前年比では+3.7%、前回+3.9%から鈍化見込み
            
特に失業率に注目しています。
これが4.2%に悪化していれば、さらなるドル金利低下、ドル売りが優勢となると思います。サームルールからみれば4.1%でも景気後退確率はほぼ100%です。

サーム水準=過去12ヶ月の失業率の最低水準+0.5%。現在の場合、過去12ヶ月の最低の失業率は3.5%。これに0.5%を加えた+4.0%が現在のサーム水準。   
サームルール=直近3カ月の失業率の平均がサーム水準を超えると景気後退。

現状、過去3ヶ月の失業率平均は4.0%でサーム水準と並んでいます。今回、4.1%と前月と同じでも過去3ヶ月平均が4.06%に上昇してしまうためサーム水準の4.0%を超えてしまいます。つまり米国の景気後退は始まっているということになります。」

英国が利下げ実施、ポンドはロングが積み上がっている

英国は政策金利を 5.25% ⇒ 5.0% に0.25%引き下げました。
これまで金利はほぼ1年間据え置かれていました。ベイリー総裁は、中銀は会合ごとに金利に関する決定を下していくと表明し、今後の利下げに関しての名言を避けていますが、市場が見込む次回9月の会合での追加利下げの可能性は約55%と比較的高いようです。年内後1~2回の利下げがあるのでは?という見方も。

ポンドは今回の会合での利下げ織り込みが高まる過程で、発表前から売りが優勢で下落が始まっていましたが、利下げ発表で一時材料出尽くしで反発。時間をおいて再下落となっています。日足で見ればただ下げているようにしか見えませんが。


ポンドドル日足
ポンド円日足

利下げ発表後、反発するも再下落となっているのですが、その下落の過程でポンドを売り参戦しました。ドルストレートとクロス円、どちらが優位かわからないのでどちらも。
コストはポンドドル1.2798ドル、ポンド円192.04円

ここまで下げてきているのに何故まだ売るか。ポンドは投機筋ネットロングがかなり積み上がっているんですよね。このロングが崩れる可能性も否定できず、ポンドには下値余地が大きいかも。英国は選挙で政権交代があり、これを好感して急速にポンド買いが積み上がっていたんですよね。

ポンドネットロング14.2万枚!!
http://www.forexwatcher.com/cmepos.htmさんから

今日からnoteで金融マーケット雑感、取引について書いて行こうと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ひろこのX

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