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『COUNT ME IN』感想

今日観たのは『COUNT ME IN』。
ドラマーをフィーチャーした音楽のドキュメンタリーです。

キャストは以下のとおり。
 ロジャー・テイラー(クイーン)
 イアン・ペイス(ディープ・パープル)
 ニック・メイソン(ピンク・フロイド)
 チャド・スミス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
 スチュワート・コープランド(ポリス)
 ニック・“トッパー“・ヒードン(ザ・クラッシュ)
 テイラー・ホーキンス(フー・ファイターズ)
 シンディ・ブラックマン・サンタナ(サンタナ/レニー・クラヴィッツ)
 クレム・バーク(ユーリズミックス/ブロンディ)
 ニコ・マクブレイン(アイアン・メイデン)
 ラット・スキャビーズ(ザ・ダムド)
 ボブ・ヘンリット(ザ・キンクス/アージェント)
 ジム・ケルトナー(トラヴェリンク・ウィルベリーズ/エリック・クラプトン/ライ・クーダー)
 エミリー・ドーラン・デイヴィス(ザ・ダークネス/ブライアン・フェリー)
 スティーヴン・パーキンス(ジェーンズ・アディクション/ポルノ・フォー・パイロス)
 ベン・サッチャー(ロイヤル・ブラッド)
 サマンサ・マロニー(イーグルス・オブ・デス・メタル/ホール)
 エイブ・ラボリエル・ジュニア(ポール・マッカートニー/スティング)
 ジェス・ボーウェン(ザ・サマー・セット)
( )内は彼または彼女が所属するバンドやサポートしているアーティストの名前です。

観に行く前にざっくりキャストを確認しようと思って観たサイトには個人名、しかも数名しか名前がなくて、うーんよくわかんないな、でもドラムのドキュメンタリーなんて面白いに決まってるから観に行こう、くらいだったのですが、実際始まってみたら目が点でした。
そもそも業界にはあまり詳しくないうえに名前を覚えるのが苦手な私でも声をあげるほど燦燦たる有名バンドや有名アーティストのサポートの方が続々と。
本当にキャストの個人名だけではピンと来てなくてごめんなさいって頭下げなきゃいけないレベルで目が点。

その名だたるドラマーたちによるこの映画は盛りだくさんです。
ドラムの魅力に取り憑かれた子供の頃、憧れたドラマー、いろんなドラマーいろんなスタイル、夢が叶った瞬間、有名ドラムドクターのところに新しいドラムセットを買いに行く、ドラマーたちのセッション。

彼らの過去の映像も満載でした。ドラマーに特化した映画で楽しかった!!
普段はライブでガン見するならともかく、例えばテレビだとか、ライブDVDとかでだってドラマーはあまり映らないですもんね。
バンドの正式メンバーならばそれでもまだいくらかは映るけど、アップになるのはドラムソロくらい。
それもドラミングがじっくり見られるような映し方をしているのがどれほどあることか。
顔や手元はアップにしてくれても、バスドラとかハイハットワークとか、そういうところはあまり映らないですよね。
この映画はドラマーに特化しているだけあって、そういうシーンを集めていたからめちゃくちゃ面白かったです。

それにしても、私は音楽が好きなのだけれどもこれまでいろいろライブにも行ったはずだけれども、それでもなんにも知らなかったんだなってつくづく思わされました。
私がちゃんと見たことあるのは、自分の好きなバンドのドラマーや好きなサポートドラマーの方くらい。SPYAIRのKENTAさんとか、UNISON SQUARE GARDENの鈴木貴雄さんとか、以前B'zのサポートドラマーだったシェーン・ガラース氏くらい。

ビートルズは聴いていてもリンゴ・スターがどんなドラムを叩くのかなんて全然知らなかった。
他の有名なドラマーのこともそう。どんなスタイルか。どんなドラムセットを組んでいるか。テクニカルなのかパワフルなのか、そんなことすらも気にしたことはなかった。ビッグバンドのドラマーの驚異的なテクニックも自分の目でちゃんと見たことはなかった。
貴重な映像がたくさんでした。キャストの方々の若い頃のドラミングを観ることもできて楽しかったです。

惜しむらくは最後のドラマーの競演が短かったこと。ああいうのこそたくさん見たいし、全景も映してほしかった。
楽しそうに叩いてるところ、ときどきは負けん気が出てくるところもすごく良かったし、もっと見たかったよ!!!

映画の中には、ドラムドクターという方も出てきました。
自身もドラマーで、今はドラムの専門店をやっている方。単にドラムを売っているだけでなくドラムのチューニングやメンテナンスもやっているけれど、チューニングなどの詳しいことは秘密だそうです。
その彼曰く、「自分の知っているドラマーは地に足がついていてワイルドなやつが多い。ドラマーのコミュニティは間口が広くて温かい」。

その言葉を聞いて、SPYAIRのKENTAさんと元BACK-ONのドラマーのICCHANさんのドラムのワークショップのこととか、KENTAさんがたまに写真を上げてるドラマーの飲み会を思い出しました。
私はKENTAさんとICCHANさんの主催するドラムワークショップに何度か参加したことがありまして、そのときもすごく楽しかったんですよね。
小さな頃はエレクトーンを習っていたし学生時代にはお遊びのようなバンドをやったことはあったけれど、ドラムはやったことはない私にも、彼らはいつも楽しそうに教えてくれて素人に毛の生えたレベルだけど楽しくて楽しくてしかたがなかった。
最近はワークショップには参加できていないけれど、また機会があれば行ってみたい。
ドラムって本当にめちゃくちゃ楽しい!

KENTAさんがときたまアップしているドラマーだらけの飲み会も、みんないつもすごく楽しそうな写真で見てるこっちもにこにこしちゃう。

そうして映画館を出た私が最初に思ったのはel tempoのライブに行きたい!ってこと。
el tempoとは、ドラマーのシシド・カフカさんが主宰する音楽集団。
一つ一つ意味のあるハンド・サインで打楽器の人たちに指示を出し、即興音楽を奏でる、という音楽プロジェクトです。
東京パラリンピックのオープニングにも参加されてましたね。
主催者であるシシド・カフカさんがハンドサインをされることが多いですが、他の方が変わることもあります。
私は一度だけ、たまたま東京に行ったタイミングでライブがあったので行ったことがあるのですが、めちゃくちゃ楽しかった。
el tempo、たまーに地方公演もあるのですが、ほとんど関東でのライブなんですよね。もっと地方にも来てほしいよ!!!

閑話休題。

音楽って本当に楽しくて楽しくて楽しくて大好きなんですが、本作のキャストの方々は本当に音楽が大好きでドラムが大好きで、一生ずっと叩いていたいと満面の笑顔で言われていたのが印象的でした。
本当にみんな大好きなんだなぁって。
若いドラマーから重鎮の方までみなさんそれは口を揃えて言っていて、観ているこっちもなんだか嬉しくて楽しくなってくる音楽好きにはぜひ観てほしい映画です。

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