見出し画像

『トップガン マーヴェリック』感想

高校の頃、月に一度か二度のペースで、クラスみんなで話して決めたことを何でもやっていい時間というのがありました。
青臭い高校生らしく青臭い議論をしたり、男女混合でバレーボール大会をやったり、午後いっぱい視聴覚教室を使わせてもらって映画を観たりといろいろやったなぁ。
そうして映画を観ることになったとき、男子たちがほぼ確実に選んできたのが『トップガン』(次点が『死霊のはらわた』だったか『13日の金曜日』だったか)。
恋愛も友情もあり、体育会系全開な部分もあり、戦闘機がたくさん出てくるからということもあり、割といろんなタイプの男子(そして女子からも)支持されていた記憶があります。
そういうわけで何度も見たことがあるのですが、今回思い出そうとしたけど驚くほど憶えてなかったよ『トップガン』。
でも音楽って偉大ですよね。あのテーマソングが流れてきた瞬間、ものすごい勢いで持っていかれました。憶えていないのに震えるってすごいよ。

『トップガン マーヴェリック』ですが、マーヴェリックというのはトム・クルーズ演じる主人公の名前。
『トップガン』からそれなりの月日が流れ、マーヴェリックももう引退を考えなければならないくらいの年齢になっていますが、昇進を拒んで一飛行機乗りのまま。腕が良く、言葉は悪いけど飛行機馬鹿であるがために上層部の意に染まないこともやってしまうマーヴェリックに、ついに上はブチ切れます。危うくクビになりかけたマーヴェリックですが、前線には出ない代わりに若きトップガンたちを教えることに。

上に書いたとおり、前の『トップガン』をびっくりするほど憶えていないのに、テーマソングが流れてきた瞬間とか、コックピットからの風景とか、海軍の面々がパブで飲んで騒いでいるシーンとか、ビーチでのトップガンたちとか、マーヴェリックとペニーのシーンとか、すごく胸に迫ってくるシーンがいくつもいくつもありました。
私自身が音楽が好きなせいもあるかもだし、懐かしい曲がふんだんに使われていたこともあるかもですが、私にはこの映画のなかで一番印象的だったのはBGMです。
どの曲が、といえばそりゃあテーマソングですが、それ以外にも懐かしい曲がたくさん。
せっかくだから轟音で揺さぶられたいと思って音響の良いシネコンに行ったのも良かったのかな。
IMAXとかではなかったけれど、それでも音楽と戦闘機の轟音に震えましたね。

音楽以外でぐっときたのが、マーヴェリックとペニーの関係が変わった瞬間のシーン。
言葉ではなく態度で、仕草というか行動でペニーが受け入れたことを現わしているところがものすごく好きでした。
彼女のあの行動の意味が分かった瞬間、なんかもう言葉でうまくはいけないけど、ぐあーって迫ってくる感情があって、その後、ああこういう表現の仕方があるんだな、なんて理屈で考えてすごいって思った。

と、ごちゃごちゃと言ってきましたが。
『トップガン マーヴェリック』は、先に観た人たちがみんな面白かったって言ってたし、はまって何度も通う人も見たし、そのために観る前から期待値が爆上がりしていたんですよね。なのに、それが裏切られなかったどころか期待していたよりももっと面白かったんです。
手に汗握る展開がありながらも、最後はちゃんと落ち着くところに落ち着くんだろうなという、なんというか謎の安心感に支えられた映画でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?