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『犬は食わねどチャーリーは笑う』感想

※この作品は2002/9/23(金)公開の作品です。私は先行上映で観ましたが、この感想を公開した時点では本上映は始まっておらず、公開前の作品となります。ネタバレが含まれますので、ご注意ください。

8/29(月)に『犬は食わねどチャーリーは笑う』の完成披露先行上映に行ってきました。舞台挨拶のライブビューイング付きのもの。
SMAPファンだから慎吾ちゃんの出る映画、というのもありますが、岸井ゆきのちゃんが好きなんですよね。私の見た数少ない朝ドラの『まんぷく』ですごく好きだったんです。

そういうわけで仕事が終わって急いで向かったシネコンでの上映会でした。
いつもどおりあまり情報は仕入れずに見る……はずだったんですがさすがに無理でした。だって上映前にライブビューイングがあったんですもん。

主人公は香取慎吾。ホームセンターに勤める裕次郎。その妻・日和を演じるのが岸井ゆきのちゃん。裕次郎の同僚役に井之脇海さん、的場浩司さん、余貴美子さんと癖の強い役者さんたちが並びます。
裕次郎と日和は恋愛結婚ですが、実は日和は裕次郎に隠れて「旦那デスノート」というSNSに裕次郎のことを投稿していて……。
というお話。この旦那デスノートのことを裕次郎が知ってしまったことから、周囲を巻き込んだ夫婦喧嘩が始まるのです。

犬も食わねど、というのは「夫婦喧嘩は犬も食わない」ですね、チャーリーというのは二人が飼っているフクロウですが、このチャーリーがめちゃくちゃ可愛いんですよ!
餌のことを考えたら私は絶対猛禽類は無理ですが、それでも家に帰ったらチャーリーが待っていてくれるっていうのは魅力的だと思ってしまう。

この映画は公式サイトにもあるように「ひと組の夫婦のゆずらないバトルをコミカルに描いたブラックコメディ」です。コメディです。
SNSの闇を描いた映画もいろいろありますが、そういう怖い感じではないです。私はあの手の話が苦手で、だからこれもどうかなーと思いながら観に行ったんですが、全然大丈夫だった。
SNSの闇系の話はだいたいがどこからそんなに、と思ってしまうほどの底知れない悪意の発露が怖くて見られないのですが、この話はそういうのではなくて、感情の持っていきかたや相手と顔を合わせて話すということなどのコミュニケーションの話が核なんだと思います。
この映画の主役の二人、裕次郎と日和の描き方などにそれが現れていると思うんですよね。

裕次郎と日和がどのように出会ったか、どのように二人の距離が縮まっていったか、そういうことがきちんと描かれていて、私はそれがとても好きでした。
市井監督ってロマンチストなんだなぁ、と思いました。
その、裕次郎と日和の距離の縮まり方や、二人を映す構図や、そういったものがとても少女マンガみたいで。
なんといったらいいのかな。好きな人の顔を見るだけでうれしい、今日は少し話ができた、というような、ちょっとずつ段階を踏んで親しくなっていく昔ながらの少女マンガ的な描き方だなあと。
そういうふうに二人の最初を丁寧に描いているので、旦那デスノートがバレたときのことや、ひどい口喧嘩がより際立って感じられる気がします。どうしてそんなことをしたか、どうしてそんなふうに思ったかが伝わってくる。

裕次郎と日和だけでなく、周囲の人々の描写も良かったな。
伏線を貼るというほどでもないけれど、最後になってみると、あの言葉は、あの視線はこういう意味だったんだというのが全部わかるのも良かった。無駄なシーンがないんですよね。

好きだったキャラは井之脇海くん。彼が、よくある最近の男の子な感じの普通の同僚⇒マリッジブルー⇒死んだ魚の目をしている、と徐々に変わっていくのがとても良かった。もちろんその後も。

映画を観終わって思ったのは、こんなふうに丁寧に作られている映画に慎吾ちゃんが関われてよかったなあ、ということ。
久々にちゃんとファンぽいことを考えてしまいました。

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