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『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』感想

2022/11/20鑑賞

チャドウィック・ボーズマンが亡くなった後、いったんプロジェクトが止まって新たに書き起こしたお話と聞きました。
チャドウィック・ボーズマンのティ・チャラ王がとても良かったので、まずはどのようなお話になるのかと言うことが気になっていたんですよね。ティ・チャラ王をどう描くのか。残された人たちをどう描くのか。
前作のブラック・パンサーを見ている限り、チャドウィック・ボーズマンに代わる新しいティ・チャラ王をキャスティングするというのは考えにくかった。それくらいはまっていたので。
なので、ティ・チャラ王がいなくなった後を描くと聞いてほっとしたと同時に、そんなことできるんだろうかと思っていました。あまりにも彼の抜けた穴は大きいんじゃないかと。

実際、彼の抜けた穴はとても大きかったなと思います。
思うのですが、これは彼がいなくなった後必要な映画だったんじゃないかと思う。
ティ・チャラ王亡き後のワカンダを描いた映画というより、チャドウィック・ボーズマンが、ティ・チャラ王がいないことを描いた映画だな、と。
だからこの映画は喪失が大きなテーマになっています。

まぁ正直なところ、シュリは頼りなかったなぁ。力量という意味ではなく、あまりにもティ・チャラ王にとらわれすぎという意味で、人物造形的にも、お話のキーパーソンとしても。そして若者にありがちな、これまでのやり方では駄目だ+それが講じてこれまでのやり方を大事にする年長者に反抗的な態度を取るというのも少々鼻につきました。
これはたぶん自分の年齢が年長者の方なのでそのせいだと思う。私が若かったら、シュリのように思ってしまうかも。
今回はオコエが割と出ずっぱりですが、その割に前回ほどの活躍がない……いや、活躍はしてるんですが、前回のように無双でないので物足りなかった。もっとちぎっては投げ、ちぎっては投げ、ってしているオコエが見たかったんですよね。これは完全に私の趣味ですが。

ストーリーとしては先に書いたように、ティ・チャラ王がいないということを描いた映画。
なので、大きな事件は起こるし大きな転換点でもあるのですが、あまり話が進んだ感じがしなかった。
なのでこの次に何かもっと大きな変革が起こるんじゃないかと予想しています。

前作のブラックパンサーもそうだったのですが、民族衣装にとても惹かれました。
色とりどりの刺繍が目にまぶしい民族衣装がとても好きで、そのシーンは何度見ても飽きないくらい。
でも、今回は同じく民族衣装でも、ティ・チャラ王の葬儀のときにみんなが着ていた喪服に目が行きました。
白い喪服なんですが、白い布に白い糸でやっぱりびっしり刺繍してあるの。
さすがにそれは最初は気づかなくて、お葬式のシーンの最後の方で気づいたのでなかなかじっくりは見られませんでした。
しかし白に白で刺繍ってなんて贅沢な……!
これがティ・チャラ王の葬儀だからなのか、王族だからなのか、それともワカンダではみんながそうなのかはわかりませんが、そういうところを解説してくれるのがあると嬉しいな。

さて、今回はと言うか今回も強い女性がたくさん出て来たブラックパンサーですが、次はどうなるんだろうな。
味方の男性がちょっと影が薄いので、味方の男性陣の大活躍のシーンがあるか、ヴィランではない強い男性が新たに出て来てほしいなぁと思います。

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