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『キャメラを止めるな!』感想

まさかフランスでリメイクされるとはかけらも思っていませんでした。しかもどんぐりさん(現在のお名前は竹原芳子さんですね)も出演されるとは。
『カメラを止めるな!』は見ていたのでストーリーは把握していたのですが、『キャメラを止めるな!』はそのままリメイクではなく、日本でヒットした『カメラを止めるな!』という作品をフランスでリメイクする、という設定で進んでいきます。うん、絶対この説明じゃわからないだろうな。
竹原芳子さんは『カメラを止めるな!』でもプロデューサー役でしたが、『キャメラを止めるな!』では日本で『カメラを止めるな!』を作ったプロデューサーがフランスに売り込みに行った、という体なんですね。
日本の役者さんは、竹原芳子さんと、彼女の通訳である成田結美さんの二人。竹原さんのインパクトは日本版と変わらずすごかったですが、成田結美さんもよかった。
ちゃんと通訳しつつ、適当な感じもよい。竹原さんのインパクトに全然負けてない。というよりも、あのインパクトが通じない感じ。
調べたらフランス在住の日本人俳優ということで、フランス語ペラペラなのも納得。
竹原さんは日本版と同じくインパクトがすごくて割とどこでも自分のペースで物事進めるタイプですが、今回は凄みもありました。本番直前の彼女は怖かった。

そしてフランス版の俳優さんたち。正直、監督を見たときにずるいと思いました。だって似てません? 日本版の監督役の濱津隆之さんとフランス版の監督役のロマン・デュリスさん。
顔の造りがではないんですよね。実際、隣に並ぶと特に似ていない。なのに『キャメラを止めるな!』のポスターを見たとき、映画を見たときにすごく似てると思ってしまった。寄せてきてるんだろうなとは思うんですが、その寄せ方がすごい。
監督の奥さん役のベレニス・ベジョさんもなんか似てる。というか、寄せてる。
フランス版のキャストは名だたる方々で、だからこそ、というのもあるんでしょうが、本気度がすごかった。

ただ元の『カメラを止めるな!』を見ているがためにネタがわかっているので、後半のすべてのピースが嵌まっていくというあの快感が味わえなかったのが残念です。最初の長回しのところから、ああ、これはあのシーンかってわかって見てるんですもん。そういう意味では、記憶を消して見たかったなと思います。
あと、ところどころ、日本版の方がよかったなと思うのは日本人だからでしょうか。
たとえば旧日本軍のどうたらという話だとか、後半でヒロインが逃げていくところだとか、日本の独特の雰囲気ならではの怖さってありますよね。そういう部分が何というか開けっぴろげな感じ。じっとりとした日本独特の怖さが、フランス版ではからっとしているというか。
怖さに対する感覚の違いなのかな。
仕方がないこととはいえ、そのあたりに違和感を覚えました。

最後に。
エンドロールの途中で帰ってしまう方がいらしたんですが。
最後の最後まで見てあげてって、リアルで泣き笑いの顔文字みたいな顔になっちゃった。

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