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『七人の秘書 THE MOVIE』感想

2022/10/10鑑賞

ドラマで七人の秘書というものをやっていたことは知っていましたが、見たことはありません。そもそもドラマをやっていると知ったのも、見ている友達が話していたからというもの。
なので映画になったと言われても正直さっぱりわからなかったのですが、ドラマを見ていた友達が見たいと言っていたのでだんだん気になってきました。
彼女とは趣味が近く、彼女が好きだというものは私も好きな確率が高いから。
もちろん違う人間なので趣味が合わないこともありますが、なんとなくこれは好きそうだなと。
付き合いが長くなるとそういうことがわかってくるので、あの人が言うなら見てみようかな、読んでみようかな、と思うものも多いです。そしてだいたいそういうのはやっぱり私の好みにも合うんですよね。
映画や読書のレビューで、好きなレビュアーさんの褒めているものに手を出すのと同じ感じ。『七人の秘書』は視聴率は芳しくないという話は聞いたことがありますが、視聴率よりも自分と趣味の近い人の意見の方が大事。

というわけで一応観に行く前に、どんな話かくらいは聞いてみようと彼女に話を振ってみましたが、帰ってきたのは一言だけ。
「広瀬アリスが一番下っ端」
彼女も私も基本的にネタバレが嫌いで、だから何も調べずに見るのが当たり前とはいえ、もうちょっとなんかこう……!と粘ってみましたがそれ以上はほとんど教えてもらえなかった。
そしてその情報は、映画が始まって5分どころかたぶん3分くらいでわかる情報でした。

それ以外に教えてもらったのは、江口洋介がもともとは秘書をしていたが今はラーメン屋店主をやっている、ということくらい。
その程度にしかこのシリーズのことをわかっていない私が見た『七人の秘書1THE MOVIE』の感想です。

始まりは「萬」というラーメン屋。江口洋介演じる萬敬太郎が営むこのラーメン屋には秘書たちがやってきます。
七人の秘書とは、望月千代(木村文乃)、照井七菜(広瀬アリス)、長谷不二子(菜々緒)、パク・サラン(シム・ウンギョン)、風間三和(大島優子)、鰐淵五月(室井滋)と萬敬太郎。
たぶん萬敬太郎も入れて七人よね?
そして七菜ちゃんが結婚を宣言するところから話はスタート。
ここのやりとりだけでめちゃくちゃ好きだったんですが、考えてみれば私は今まで広瀬アリスはどちらかと言えば姉御肌的なキャラクターばかり見てきたかも。だから一番下っ端というこの役は新鮮でした。
七菜ちゃんが結婚すると言いだした相手は、信州で牧場を経営する九十九二郎(濱田岳)。みんなから「絶対に騙されてる!」と言われるも、二郎さんは私を大切にしてくれるんです、といって七菜は聞く耳を持ちません。
そうして信州に行ってしまった七菜の結婚式に出席したのは、千代ひとりだけ。
まぁ仕事もあるしみんながみんなは行けないよな……とは思ったのですが、不思議だったのは、参列者はみんな九十九がらみばかりで七菜の方は親戚とか誰もいないのかな、というあたり(本筋には全く関係ないので結局調べてないけど)。
でも結局、結婚式は始まりませんでした。それというのも、九十九二郎は姿を現さず、そして牧場が火事になってしまったから。
そのまま二郎は行方不明となってしまいます。火災現場からも何も出ないことから、生きているのかしんでいるのかも不明なまま。
しかし二郎の父、九十九道山(笑福亭鶴瓶)は二郎を亡き者として扱います。そのうえ、この牧場は借金だらけで、きっと二郎は保険金目当てで放火したに違いない、この不始末はわしがつける、と土下座までして。

と、ここまでですでにこってこて。もう絶対この人悪い人やろ、と思ってしまう笑福亭鶴瓶さん。
最初にこの方に悪役をキャスティングした方は本当にすごいな。笑っているのに悪い顔は最高ですね。相手のお父さんがこの人だったら、私ならきっと逃げ出すわ。
でも七菜ちゃんは二郎さんのことを諦めず、なんならドレスのまま彼を探しに行こうとさえしてしまう。
千代さんは巻き込まれた形で彼女に協力しますが、千代さんを助けてくれる人が現れます。それは九十九の家に来る際、雪道で難儀していた彼女を九十九の家まで車で送ってくれた緒方航一(玉木宏)。
千代は、手を差し伸べてくれた彼と協力することになります。そしてまた、その計画には萬たちも参加することになり。

と、ここまで書くとストーリーはもうバレバレですが、テレビ朝日のこの手のドラマは、水戸黄門のように行き着く先がわかっていて、そのマンネリ感を楽しむものだと思うのですね。なのである意味では安心して観れるのです。
マンネリかもですが、私はこういうの大好きだし、ジャンルの一つとしてありだと思うんですよね。
何もかもが奇を衒わなければならない訳ではないと思うので。

と、マンネリを楽しむお話ですが、それ以外の部分で好きだったのは、七菜ちゃんと二郎さんのカップル。
濱田岳演じる二郎さんはちょっとしか出て来ませんが、七菜ちゃんとデートするシーンはめちゃくちゃ可愛かったです。
考えてみればこの二人は釣りバカ日誌の二人なんですね。息が合ってるのも当然だ。
千代と航一の淡い恋も良かったなぁ。
そのほかに好きだったのはアクションシーン。私は強い女性のアクションが好きなんですが、菜々緒は予想どおりとして、大島優子ちゃんがなかなか良かった
私は邦画における前田敦ちゃんの立ち位置がとても好きで、彼女が出ているとついなんか企んでいそうって嬉しくなります。もちろんそうでない役もたくさんあるので、敦ちゃんごめん、と心の中で謝ることもある。
大島優子ちゃんもそういうふうに、独自の立ち位置を持っていろんな映画に出てくれると嬉しいな。
ただ彼女は声が独特なので、映画やドラマよりも舞台向きかも、とも思います。舞台だと結構声が通ってたので。

だらだらと書いてきましたが、この映画、私はとても楽しかった。
最後に落ち着き先がわかっている分安心して楽しめるお話。
この手の映画を否定する意見があることは知っていますが、私は好きなんですよね、こう言うの。
ときどきはこういう映画もやってほしいなぁと思います。

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