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『ザ・ロストシティ』感想

最初にこの映画を知ったのは、映画館での大きなポスター。そのときには特に何とも思ってませんでした。ああ、今度はこういう映画があるのね、くらい。
それが公開日が近づいてくるにつれなんとなく気にかかるようになり、直前には観てみようかな、に変わり、公開当日のネットでの感想を見て、その日の夜に観に行ってました。
一言で言えばお馬鹿映画ですね。

かなり前に、具体的に言えば『トップガン』の前作くらいの時期(のはず)に『ホットショット』という映画がありました。トップガンのパロディなんですが、そりゃあもう馬鹿馬鹿しくて下品でめちゃくちゃ面白かった。
今ではとても地上波は無理。当時でさえやるとしたら深夜だっただろうな。私はレンタルで借りて観たんですが、親と見ることはできなかったなぁ。
それくらいに下品で馬鹿馬鹿しい映画だったんですが『トップガン』のパロディということもあり、私の中では『トップガン』と結びついている映画です。

この前日に『トップガン マーヴェリック』を観たときに、今回は『ホットショット』みたいなのがなくてちょっと寂しいなと思ってたんですが、ありましたよ馬鹿で下品で面白い映画。

とはいえ、『ホットショット』ほどの突き抜けた感はないんですが、時代もあるんでしょうね。いまの時代にスクリーンで公開するには、そしてそれを日本に持ってくるにはあの突き抜けた馬鹿馬鹿しさと下品さはなかなかになかなか難しい。でもこの作品はいい感じのお馬鹿映画だと思います。

主人公はサンドラ・ブロック演じるロマンス小説家のロレッタ。共演はチャニング・テイタム演じる、そのロマンス小説でいつも表紙に起用されているセクシーで脳筋なモデルのアラン。
ロレッタは新作のブックツアー(著者が書店を回って本について講演したりサイン会をしたりする販促イベント)に駆り出されますが、一人でいいというのに彼女のエージェントはアランもブッキング。ロレッタは知的な男性が好みなのですがアランは真逆なタイプで、かつ、ロレッタに対する愛情を隠しはしません。
そんなアランに辟易するロレッタですが、ブックツアーから先に帰ろうとするロレッタの前に突然、謎の資産家のフェアファックスが現れロレッタは彼に誘拐されてしまいます。
フェアファックスは古代の秘宝を蒐集しているのですが、ロレッタの新刊を読み、ロレッタが伝説の古代都市の場所を知っていると考えたのです。
実際、ロレッタはもともと考古学が専門のようで、夫と一緒に研究をしていました。夫が亡くなり研究を離れ、今ではロマンス小説家になったのですが、いまも亡き夫と研究を恋しがり、新作には研究途中だった古代都市について書いていたのです。
アランと、ロレッタのエージェントのベスはロレッタを連れ戻すべく手を打つのですが、ロレッタとアランは南の島のジャングルをさまよい宝探しをすることに……。

主役のロレッタはロマンス小説家とありますが、女性が主役のヒストリカルロマンで、恋と冒険が売りのシリーズ。そしていささか情熱的すぎるほどのラブシーンもふんだんに。
私はこのジャンルはあまり読んだことがないので、ジャンル全体がそうなのか、ロレッタの作品がその辺に特化されているのかはわかりませんが、かなりエロティックなラブシーンが人気みたい。
それを匂わせつつも、実際はそういうシーンはほぼないんですが。

いやーそれにしても、チャニング・テイタムが良き脳筋でした!
私は割と脳筋なキャラが好きなんですが、本当になかなかに脳筋。考えるな、行動しろ、のタイプですが、愛するロレッタのためなら無茶すぎるくらいな無茶もする。決して知的なタイプではありませんが、ロレッタのためなら無私の行動をいとわない一途な青年が良かったです。

そしてこの映画のもう一つの見どころはブラッド・ピット。
ですが、出番はあまり多くありません。ポスターでも扱いは小さくて、本当に出るのかな?と最初は半信半疑で調べちゃいました。私は映画を観る前にあまり調べない方なんですけども。
でも、ですよ。実際に観てから思ったのは「ブラピはそれでいいのか?」ってことですよ。ブラピの無駄遣いとも言う。
最近はあまり出る映画を選んでないんじゃないか、というか、なんとなく面白そうと思ったら自分の俳優のイメージなどは度外視して出てるんじゃないかと思ってたんですが、この映画はまさにそんな感じ。
マジで?って呟いちゃいましたよね。

そしてフェアファックスを演じるのはダニエル・ラドクリフ。
この人誰だっけ? この顔知ってるんだけどなぁってずー-------っと思ってて、結局エンドロールまで思い出せなかった。本当にすみません。
ダニエル・ラドクリフはこの映画では悪役ですが、めちゃくちゃ良かった!
イカレたことを言いだすときにはフェアファックスの目がきらきら輝いていて惹きつけられました。
私の持論として、洋の東西を問わず、イカレた役を魅力的に演じる俳優さんは将来イケオジになる、というのがあります。
マッツ・ミケルセンとかはまさにそのタイプ。
そしてダニエル・ラドクリフもそのタイプだと確信しました。他の映画でも不意に出会えるのを楽しみにしています。

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