コロナ禍採用Ⅴ;第3波前の状況確認。9月が市場(売手と買手)の転換ポイント???

夏になって話題にもならなくなった失業率とかの話です。最近また第3波か!というような報道が出てきたので、混乱し始める前に現状を確認しておきたいと思います。

労働力調査 (基本集計) 9月分

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※総務省統計局 労働力調査 (基本集計) 2020年(令和2年)9月分

就業者が対前年で79万人マイナス

79万人就業している人が前年よりも減っている。ちょっと乱暴に言い換えると、79万人分の仕事がなくなっているということですね。
後ほど述べますが、有効求人倍率がほぼ1倍(求職者一人に対して仕事が一つ)なので、余剰ポジションはない状態です。

つまり、今の日本は、この79万人分の仕事がなくなった現段階で、余っている仕事はありませんという状態と数字的には言えるのではないでしょうか。

正社員;+48万人、非正規;-123万人の対前年の差です。6月からのこの4ヶ月、概ねこのぐらいの水準でずっと推移しています。

産業別に見ると

【減少一途の産業】
農業・林業、宿泊業・飲食サービス業が減少傾向。
製造業は、8月より大きく減少。
コレらの産業は、コロナの影響を受けている産業ですね。

そのほかの産業は、多少の凸凹はありますが、概ね増加傾向へと推移しています。そして、運輸業・郵便業、学術研究・専門・技術サービス・サービス業(他に分類されないもの)と上記の減少傾向の産業をのぞき、全て対前年で就業者数は増加しています。運輸は、航空業界でしょうか? そのほかは、サービス業が目立ちます。

産業によって、傾向に違いが見え始めました。コロナの影響を受ける産業と受けない産業で、就業者数に変化が見て取れるようになっているようです。

完全失業者数は、42万人ほど。この3ヶ月は40万人台で推移しています。

どうもこう見ると、コロナの影響で、正社員じゃなかった人が正社員へ転向し、対前年で+48万人となっているということは、間違いありません。ただし、非正規社員だった人たちが対前年で120万人減少しているのには気になります。この人たちが、今どうしているのかが心配ですね。

有効求人倍率 9月分

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※厚生労働省 一般職業紹介状況(令和2年9月分)について

○令和2年9月の有効求人倍率は1.03倍で、前月に比べて0.01ポイント低下
○令和2年9月の新規求人倍率は2.02倍で、前月に比べて0.20ポイント上昇

とうとう1倍に限りなく近づきましたね。新規が2倍でも求職者過多だから有効求人倍率が上がってこない構図。

正社員有効求人倍率(季節調整値)は0.78倍となり、前月と同水準となりました

正社員は、すでに買い手市場になっているようです。こりゃ厳しいな。。

9月の新規求人は、建設業(5.9%増)で増加となり、生活関連サービス業,娯楽業(32.9%減)、宿泊業,飲食サービス業(32.2%減)、卸売業,小売業(28.3%減)、製造業(26.7%減)、運輸業,郵便業(25.1%減)などで減少となりました。

建設業以外は全滅です。

経済の先行きがまだ見えてこないが。

経済関連のニュースで、10月に上昇に転じる明るい材料が見当たらなかったので、今月末に発表される10月の結果がどうなるか。。。といったところでしょうか。そして、11月は、USでは、大統領選とワクチン開発のちょっと明るい話題がでましたが、日本国内では、第3波の不安材料もあります。株価は上がってますが。。。

こうなると、やはり「まだこの先どうなるかわからないなぁ」という不透明感が景気の回復を押さえかねないなぁと客観的に思います。

そろそろ22卒の新卒の方向性を出していかないといけない中、結論が出しにくい状況に経営者は頭を悩ませるかもしれないですね。

元気な企業には有利な市場に。

このような市場がどっちつかずの時は、勢いのある企業にとってチャンスと言えるでしょう。

採りたくても取れない企業が出てくる中、将来に不安を持った人材は、優秀な人から先行きの明るい企業へ転職し始めます。今の会社の状況がどうなのかがわかりやすく現れているからです。

最近、お話を伺っている企業の中には、近年まれにみないほど採用がうまくいっているという企業に出会います。こういう企業は、何かしら強みのある企業で、求職者が引き寄せられているなぁと思います。

「採用」比重を「定着」比重に

経済の先行きが見えず採用に力が入れられない時は、いまこそ目の前にいる社員の「定着」に視点を移してみてはいかがでしょうか。

離職対策をこういう時期にきちんとして、不安定な世の中でも安心して働ける環境づくりを目指していくことで、より良い働く環境が際立ってきて「離職」防止につながります。

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