コロナ禍採用Ⅱ; 4月の雇用状況からみえる、したたかな採用戦略。

4月7日に緊急事態宣言が発令されてから、全国的に4月はみんな#stay homeの1ヶ月間でした。
この4月の1ヶ月が過ぎ去った結果として2020年の4月の
- 失業率は前月から0.1ポイント悪化の2.6%
- 失業者数は189万人
- 有効求人倍率は1.32倍で、前月に比べて0.07ポイント低下

報道でも、ネガティブな論調で先行きの不透明感が連日報じられています。「あー、やっぱり景気悪くなってんな。」と思っちゃいますよね。 

しかし・・・。

採用自粛の雰囲気に乗っかってる経営者は、やばいかも。

雇用形態別雇用者数というこの指標をみてほしい。
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※総務省統計局 労働力調査 (基本集計) 2020年(令和2年)4月分より(単位:万人)

対前年(2019年4月)にくらべた、「雇用形態別」の雇用者数の増減です。

・・・「正社員」だけ増えてるやんかーーい!!

そうです。この表の数字だけ見ると、昨年に比べて、雇用者の減少数の2倍の人数が正社員になって増加。そのかわり、非正規社員が3倍減っています。

この数字から想像できることは、

コロナでダメージを受けた企業などから、泣く泣く大量の正社員・非正規社員が流出した。しかし、これまで正社員採用で充足していなかった企業を含め、ガッツリ正社員での採用が進んだ。蓋を開けてみれば、4月は、去年に比べ63万人多くの人が正社員になっている。なにーーー!

ということは、前年4月に比べ63万人多くの人を採用できているということなのではないでしょうか?(日本の新卒1学年分の人数に相当するんじゃないか?!)。考え方、あってますよね?

ーーーー<6/1 追記>ーーーーーー
”大変恐縮ですが雇用のデータ分析しているので、このような人事専門家のグループでミスリードが起きると困るので意見させていただきます。
労働力調査は雇用数です。正社員の場合は1-2月に採用が決まっていた採用なのでコロナ影響少ないです。非正規雇用は景気を即座に反映して、正社員は遅行指標なだけです。” 
という専門家の方のご指摘をいただきました。ありがとうございます!

1-2月の採用分が4月に反映されるということは、今年は、コロナ直前に前年を上回る採用が行われていたということが考えられますね。

コロナ禍でどさくさに紛れて、採用がバッチリできたところがかなりあったんじゃないでしょうか? 採用担当者は、自粛どころではなかったのかもしれません。リモートで、オンライン面接してたんじゃないすかー??
採用自粛を判断してしまった経営者は、もったいないことをしてたのかもしれません。

↑この認識をしてしまうのは、この段階ではまだわからないということになります。
指摘をいただいた内容で再考すると、コロナ禍(3-4月)の正社員の採用がどれだけできたかは、5月以降で見えてくるということでしょう。

次回からのこの指標には、より注目していく必要がありそうです。
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4月は採用リバウンドしてた?

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※総務省統計局 労働力調査 (基本集計) 2020年(令和2年)4月分より

確かに、3月の正社員数は前年に比べ大きく増えていますが、2月から3月にかけて正社員の実数は落ち込んでいます。そのリバウンドなのか、4月に頭ひとつ抜けた感じで、実数が増えています。この2年で、一番多い正社員数に至っていますね。

求職者数、減ってる??

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*厚生労働省 一般職業紹介状況(令和2年4月分)について

次に、有効求人倍率で見てみましょう。
月間の求人数が今年に入りぐんぐん減ってきているのがわかります。
これは、コロナの影響もあるかもしれませんが、そんなに劇的に縮小されているわけでもないことがわかります。
不思議なことに、失業者が増えているにもかかわらず、有効求職者数は、3月前月に比べ若干減少しています。
一見すると、ちゃんと採用が進んでいるから、求職者数も求人数も減少したのでは?と勘違いしそうです。

どうも、グラフだけ見ていると、今年に入り、求職者数は横ばいだが、有効求人数が直線的に減少しているため、コロナの影響というだけの話でなく、別の要因も影響して求人数の減少が引き起こされているようにも見えます。

競争が緩和されている事だけは確か

求職者数は、この2年横ばいが続いていますが、求人数は去年から減少傾向が続いています。今年に入りその勢いが増しています。
つまり、求人だけが減っているということは、採用競争が緩和されてきているということです。人手不足が緩和されてきてるんですかね。
求職者数が横ばいということは、経済はまだ保てているのではないでしょうか。

となれば、採用チャンスです。

報道などは、どうしても不安を煽るばかりなので、ネガティブになりそうですが、冷静に数値を見てみると今の日本は、まだまだ人手不足だということは変わらないと思います(正社員採用に関してですが)。

事業経営計画は、コロナの影響により、さまざま変更しなければならないと思いますが、その中でも採用戦略に関しては、明るい環境で挑戦できるのではないでしょうか。

そして、ニューノーマルな世の中で、事業計画を再考するのであれば、ぜひ、国内マーケットのみならず、今だからこそ、海外マーケットへの挑戦を計画してみてはいかがでしょうか?



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