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京大理学部の教員としての日常が本になる

初めて、論文ではない僕の文章が本として出版されることになったんだけど

以下、それまでの過程で頭をよぎった思考の一部です。(具体的な本の内容は触れません)

注) 大学教員としての業務の一環として出版されたこの本は、僕の他に複数の執筆者や登場人物がいます。本全体として様々な視点から京大理学部の日常の教育・研究風景を覗くことができる内容になっており、そこで生活することを想像したことあるけど未体験の方は一読の価値があると思います。以下このnoteの記事に書いてあることは僕の担当部分についてのみ書いてあり他の部分と関係ありません。



まず、今回のような形式の文章であるなら論文を書くことに比べれば、アイディア出しから実際書くことなど全てひっくるめてもはるかに作業量は少ない。初稿書くのにシルバーウィーク全部潰れたとしてもだ。もちろんアイディア出しや校正など出版チームの皆さんに助けていただいた過程で新たに学ぶことがあって感謝しているのは当然として、事実はそうだ。

また出版された本は値段がついて売られるわけだが、僕が過去に書いた出版論文も本屋さんで売られてはいないが、読むにはお金がかかる場合もしばしばあるので僕の文章に値段がつくことも特別ではない。(一応知らない人のための注として、もし万が一誰かがお金を払って論文を読んでも僕にお金は入りません。)


ということで、"上の意味では"今回の件で特別なことはないわけなんだけど、なんだか論文を出版するときとは違った何かしらふわふわした感触がしたのでそれを整理してみた。



まず僕が出版してきた論文の主な内容は客観的な事実の報告、つまり書いてある通りにやれば誰でも書いてあるとおりになります、というものと、それに主観的な学術的歴史解釈や予想が付属している、というような表現がしっくりする。

つまり値段がついている場合は、その大小については保証はないが誰にとっても変わらない"真理"またはそれに向かう部分の価値を使って出版ビジネスが成り立っているんだろう*。

*注) 科学的成果の出版ビジネスに関しては著者が払うこと(オープンアクセス)もあったり、いろいろな考えとシステムがあるけど僕自身はまだ真剣に悩んだことはない。例えば、原則的に給料から出費しないとできない研究はしないことにしている(今まで緊急の例外はあったけど)ので、そういうふうに迷ったこともない。


話を今回出版される本に話を戻すと、今回書いた記事の大半は主観的な体験や感想で、読み手にとって受け取り方は様々でその意味で客観性はないと言っていいだろう。たぶんそれがひっかかっていたのか書き進めるにあたって、可能な限り実際に起きたことがそのまま伝わるよう(ドキュメンタリーになるよう)に意識した。

さらに言えば「ドキュメンタリーだからオッケー」というわけでもない。

今回の文章のどこかに価値があるとすれば、「知的娯楽を提供する」ということなんだろう。そういう方向性の経験がないのでなんかふわふわしてるんだと思う。


そういう意味で、

「なんだこれ」

という思考が誰かの頭をよぎる前に

「あ、、、そこは読まなくても。。」

と言いたくなる気がしてくる。


まあでも、

「なんとなくわかるかも!」

とか

「似たようなことあったかも!」

とか思う人もきっといて、そういう人の中でもさらに、

「元気がでた!」

みたいに楽しんでくれる人がいれば意味あるんだろう、たぶん。


ということなのだが、この本を読んで楽しそうにしてる顔がぱっと思い浮かばない。。。








いたわ、、親だ。



腑に落ちた

この本なら論文と違って、なんか夜にパジャマ姿でソファに座ってページめくってる真剣な顔が浮かぶ

近いうちに著者用として送られてくるはずの本は親に送ろっと






っと書いておいたのだけど、その後
高校バドミントン部同期からいきなり本の表紙の写真が送られてきて、

「読むの楽しみー」(意訳)

と言ってくれたので何かしら意味があったことが確認できてよかった。



追記) この本を買おうと思ったけどこの文章を見て宣伝してるから怪しい、と思った稀有な方は、本を買っても僕にはお金は入りませんのでその点においては怪しまなくもいいです。ま、宣伝と言えば宣伝なんだろうけど。
あと、最初に出版社に提示していただいた価格について、僕は無礼にも
              
「高い!」

と言い放ち、因果関係はわかりませんが最終的には少し安くなったようです!

このnote記事の公開時点で本は未出版なのですが、出版されたら出版記念と題して1度は実験してみたかったnote記事の有料化(こっちは万が一誰かポチると僕個人の収入になります)をしてみようかな、、まあ、この記事をお蔵入りさせることになるだけか


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