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事業計画書に書いた事

開業する為に作成した事業計画書に記した創業の動機(事業計画書の最初に書く項目)
原文そのまま。

公庫に相談に行った時に担当の方から下手でも手書きで汚くても想いを伝える事が大切ですよ。と言われたので、上手く書く事より嘘無く本音で書くように心掛けた。

創業の動機

私が創業を考える様になったきっかけは子供の頃の「料理」の記憶が強くあるからかもしれません。
「料理」の記憶と言うより「美味しさ」の記憶です。
私は子供の頃から家でよく料理をしていました。好き嫌いの感情よりも両親が共働きだった為仕方なくという理由からです。ただ美味しいものに関しての興味は強く、子供の頃から美味しい思い出は味のイメージと共に頭の中に鮮明に残っています。その記憶の数は遊園地に行ったり、おもちゃを買ってもらった事より数多く鮮明で、いつ頃どこで何を食べてどう感じたかまで覚えています。 
私が料理を仕事にしたのは二十歳の時です。 病床数700床以上の地元では大きくて有名な総合病院の調理師として働きました。5年半ほど勤めましたがもっと美味しさを求めた料理をやりたくなるのと同時にもっと自分が考える食の場所を創りたいと強く思い、当時調理技術向上の為に参加していたセミナーの講師を務めていたシェフのお店にお世話になる事にしました。26歳にして初めてフランス料理店で働くことになります。
当初は数年修行して地元に戻り飲食店を経営する事を前提に上京しましが、フランス料理の奥深さに夢中になりました。途中スペイン料理をやってみたりもしましたが、フランス料理への想いは強く、31歳で渡仏しました。約1年間で3店舗のレストランで働き腕を磨く事は勿論、様々な角度からフランス料理について、料理そのものについて考える事ができました。
帰国後は食とは何か。食事、料理、調理とは。食堂、居酒屋、バー、レストランとは。などより深く考える様になりました。そこで私は自己満足の料理ばかり作ってきた事に気付きます。考えれば考える程、自分の愚かさに気付かされました。
「料理とは何か。」その答えに戸惑ってしまう間は人からお金を貰って料理を作るのは辞めようと思い、飲食店を辞めました。

しばらく専門学校の調理実習の教員として働き、料理とは何かを考える時間を作りました。
この2年間は私の人生にとても大きな影響を与えてくれました。
そして私の中で出た答えは、調理とは人が食べる物を作る作業。料理とは作り手が相手を想い創り出したもの。
凄い技術を駆使した食事をしてもそこに想いが無ければ満たされません。逆に凄い技術が無くても相手を想い作られた料理は心まで満たされます。

料理は食材そのもの以上にその他の要素でできている。

それに気付けた事で私の料理は格段に美味しくなりました。
そして、もう一つ気付けた事が私は料理を作る事よりも楽しむ事の方が何倍も好きという事です。
私は、私が表現する「料理」を楽しみたいと思い「美味しさの記憶」に共感してくださる方々が沢山いらっしゃると確信しています。

「料理」がある場所を作る。

それが私が創業する動機です。


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