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個人事業主からはじめる小さな飲食店開業(個人編)

前回が客観的な概要を書いたので今回は具体的に主観で書く。


準備の準備(店舗イメージ)

開業準備当初のイメージは
場所:銀座
広さ:10〜12坪
席数:カウンター6〜8席、テーブル1個(4〜6席)

実際の店舗は
場所:渋谷区富ヶ谷
広さ:約6.5坪(12平米)
席数:6席、外に立飲みカウンター4名程度


準備の準備(お金)

借りられるお金や自己資金についてはネットに色々と出ている。最低自己資金1/10とかまずは1000万円など。私はお金のプロでは無いのでここで明言は出来ないが私の場合どう考えて、どうして、どうなったかをここに書いてひとつの参考にしてもらえたらと思う。
まずは資金がいくら必要でいくら自己資金が必要なのかわからないだろうし不安だと思う。なので私は準備前に色々な先輩方に話を聞いた。しかし、人によって条件も違うし金融機関も違うので其々が違う事を言っていた事に余計に不安になってしまった。ただ借りられるだけ借りた方がいい
という事はみんな言っていた。正直、多く借りればそれだけ返す事が大変になってしまうという不安も大きかったが公庫で1,000万円の融資を申し込む事にした。
結果、現在はそれで良かったと思っている。
実際、諸経費や設備費は予算オーバー、持続化給付金を貰えない(開業が5月なので)コロナ禍の飲食店運営は困難。本当に有難い事にオープン景気はあったもののすぐにお金は無くなった。

物件

物件探しは見つからないまま気付けは1年経過などザラに聞く話である。
前記事にも書いたが、理想通り100%の物件はまず無いと思った方がいい。
ここで生きるのが店舗イメージだ。どこまで理想的でどこまで妥協できるかのせめぎ合いになるのだ。私の場合は開業の半年前に居抜きの話を貰っていた。内見前は迷っていたのだが実際に客として営業中に内見していいイメージが出来たので即決した。しかも実際に内見する事により具体的ないいイメージが湧くか否かは大事だし、私の場合はカウンターメインのお店をイメージしていたので、テーブルを諦めて外のカウンターは立ち飲みでカジュアルに店内は着席のレストランというイメージがすぐに湧いたし、テーブルを諦めて小さくなった分(10坪イメージ→6.5坪)家賃も安くなった。


事業計画書

必要な書類を集めて一般的な店舗運営を素直に計算すれば簡単だが雇われていた時にそういう経験や勉強をしていないと少し難しいかもしれない。ここに関しては個人差が大きいと思う。
なので難しければ経営者の先輩に書き方を教えて貰うのがいいと思う。
私は元々、時間があると頭の中の新店舗を数字化して作る妄想癖があったので私にとっては事業計画書作成は難しくなくなかったが、時間をしっかり取ってじっくり書いた。
公庫の窓口の方に下手でも思いを込めて書くのがコツですよ。と言われたので最後に正直な気持ちの作文を書いた。


融資

融資金額は希望の満額ではなく900万だった。
担当者からは「規模が小さいのでは800万くらいが妥当」と言われていたので当時は嬉しかったが、今思うと1,000万の方が良かったと思うし、結局コロナ対策として追加融資してもらい、現在は1,000万円融資してもらっている。

物件契約

物件の契約は契約金が掛かる。この時点で融資されていない場合も多いと思うので、最低でも自己資金がここで必要となる。私の場合は6.5坪の小さい物件で家賃が少ないのでここでかかる金額は大きくないが、約100万円支払っている。私の場合、契約金は5ヶ月分だが、銀座とかだと契約金が10ヶ月とかもあるので100万円は相当低い方だと思う。本契約に至る迄に明確な条件を確認し、事前準備が必要である。

着工から竣工まで

結果、着工から竣工迄の日程は予定通りだったのだが、予定通りに妥協しながら進めた部分も大きい。着工から竣工までは別記事で書くのでここでは簡単に言うとスケジュールもお金もその通りにはいかず、設備費の予算は倍近く掛かってしまった。


オープンまで

コロナの影響で納品が遅れるものがあったり、細かいところに気づき始めて修正したりと、久々の17時間労働を味わった。夫婦二人の規模なので竣工からオープン迄は8日しか取らなかったが、普通に1ヶ月くらい余裕を持って良かったと思っているし、今考えるとよく8日で開けたと思う。早ければ早いほど売上を作る事はできるのだがこの辺のスケジュール感はゆっくり考えた方がいい。特に半年位はあっという間に過ぎてしまうのだから。


最後に

20代の頃に早く始めた方がいいとよく周りから言われたが、私は今で良かったと思っている。
早く始めればノウハウも早く付くし、お金も早く貯まるだろう。でも、もし私がそうしていたら今になって得られた大切なものを見失ってしまっていた気がしてならないからだ。今独立したのは正にそのタイミングが今と思えたからでそう思わせてくれたのは妻をはじめ、ここ数年で出会えた方々の影響が大きい。
その存在が無ければレストランという業態ではなかったかもしれないし、まだ独立もしていなかったかもしれない。
「分からない事が多くて不安になる事もあると思うが、焦る必要は無く、今がその時だと思えるタイミングを逃さずに自分を信じて進むべき」
私から偉そうな事は何も言えないが独立開業を目指している同業者に強いて言うとすればこう伝えたい。

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