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「人の振り見て我が振り直せない」時代のメンバー教育ってどうなるんだろう

GWから読み始めた本の1冊が『世界標準の経営理論』である。
現象ドリブンではなく理論ドリブンで、ビジネスの世界を捉えている視点が、
読んでいてウーっと頭を唸らされている感じがして良い。
普段現場で目の前の現象に躍起になっている今の自分に新しい思考を巡らせてくれているのを実感できる。
アウトプットを積極的にしていくぞ!と宣言した自分としては、全部をいっぺんには難しいが、少しずつでもアウトプットしていかなければ。

「人の振り見て我が振り直せない」時代のメンバー教育って?

在宅勤務が中心となり1ヶ月。オンラインでのMTG・面談・面接に慣れ始めてきた中、この上期の個々のメンバーの目標管理について考えていた。成果・プロセスの目標設定、その目標達成に向けて行動する中でどう成長していくかみたいなことを。
プロセスの評価が難しくなってくるので、成果主義がより強くなっていくことは明白である。加えて、特に若手メンバーについては、評価もそうだが個人の成長もすごく大事であるが、成長に繋がる「チャレンジ」「成功体験」「失敗体験」「苦悩」などは、同じ職場にいることが激減したこの環境下では見ること・感じることが非常に難しくなっている。その結果、その行動に対する適切なフィードバックができない。この辺りを解消するためにも、コミュニケーションの取り方をこれまでとは変えていく必要があると感じているが、今回はこれらとは別の観点の話をしたいと思う(=また別の機会にアウトプットする)。

モチベーション。
メンバーのマネジメントにも携わるようになってから、すごく意識するようになった。もちろん、自分のではなくメンバーのだ。
冒頭に記載した『世界標準の経営理論』の中では、このモチベーションに関するパート(章)もあり、そのメカニズムは複雑であるとしながらも、それを説明する理論をすごく丁寧に説明してくれていて、マンジャーの立場・人事の立場どちらからしても、非常に勉強になった。
モチベーションのメカニズムの中で、「自己効力感」という概念が取り上げられている。「自分がある状況において、必要な行動をうまく遂行できるか」に対する認知であり、要するに自身の能力に対する自信のようなもの。この「自己効力感」により、「自分はもっとできる」と考え、より高い目標を設定し実際の行動・努力の自己管理も徹底して行う(コミットメントレベルが高い)ことになるとのこと。もちろん、この「自己効力感」は前述したメンバーが成長していく上でも重要である。
そして、この「自己効力感」に影響を与える要素の1つとして「代理経験」ある。「代理経験」とは、他者の行動・結果を観察することで、自身の自己効力感が変化することと説かれている。自分と似た人が似たような業務を成功させれば、「それなら自分もできるはずだ」と考え、自己効力感が高まる傾向がある。逆に、似た人が業務を失敗させると、「彼ができないのだから、自分にも難しいだろう」と考え、自己効力感は低下するということだ。
なるほど確かになあと思いながら、この「代理経験」は上記の通り自己効力感に対する影響もあるが、人の成長にもめちゃくちゃ大切だなと思った。自身のこれまでを振り返っても、周りの先輩方の仕事ぶりや姿勢を見て・聞いて・感じて自身の仕事にも活かしたものだ。いわゆる「人の振り見て我が振り直せ」だ。
モチベーションというテーマだけでなく、ビジネスの場において、この「代理経験」という要素は幅広く影響力を持っていそうだ。
うんうんと感じていたのだが、ふと・・・

リモートが当たり前になったら、「代理経験できないじゃん!」

と、大声で叫びそうになってしまった。
「代理経験」は同じ環境下にいるからこそ体験できるものであろう。リモートになった場合、自身のマネジメントを担当している上司とのコミュニケーションはオンラインで実施されるであろうが、同僚が上司とやり取りをしていたりする姿を見ることはほとんど無くなってしまう。リモートが当たり前になっていくこれからの時代では、若手の成長を促進する機会を1つ失うことになってしまいそうだ。
他の機会を作り出すか、「代理経験」を得られる環境下を用意するか、また1つマネジメントにおける検討すべき課題が出てきた。『世界標準の経営理論』では、目標は高ければ高い(課題が困難であれば困難である)ほどモチベーションを高めるともあった。
この当たり前の変化をポジティブに捉え、自身もメンバーもともに成長できるよう努めていきたい。

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