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資本主義の次を模索する社会実験Exographの概要

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はじめに

20XX年の全員が働かなくてもいい時代に、働いていない人が税金の代わりに公共の福祉のために納めるものはその人の生き様全てのデータ。組織はそのデータを運用した利益で社会を回すのである。
2019年、このプロジェクトでは都内23区の30歳前後に人に支給される月々の生活保護費用132,930円を人々に提供する代わりに、その私生活データを全て収集してその費用を賄うことに挑戦する。

背景

昨今GDPRを始めとしてデータの所有や集め方の在り方が問われ、規制はますます厳しくなっている。
それはデータを活用した広告を始めとしたサービスは、2016年のアメリカ大統領選挙のロシアの関与を始めとして人々の行動・考え方に大きく干渉出来るほど強力であり、悪意をもった利用は社会的に大きな損失を生むからである。
一方で正しいデータの活用は、経済的利益だけでなく医療や人々のQOLを上げることに繋がり、社会に役立つ善である。
このような状況で、私たちはデータの利活用について個人・社会の保護と公共の便益の均衡を早急に考える必要に迫られている。

目的

1. 我々の仮説として、GAFAを始めとしたプラットフォーマーへの批判の一つとして、無料のサービスを気持ちよく使っていたのに自分のデータが見えない部分でマネタイズされていたという「裏切られた感」や「騙された感」が大きく寄与していると考えている。
そこで本実験では「データを売る、金銭的対価を与える」と公明正大に宣言した状態で、倫理的・社会的にそのような価値観が容認されるのかを明らかにしたい。


2. 現在位置情報を常時シェアし続けるZenlyが10代に流行っているように、プライバシーに関する認識は世代間で大きく変わってきている。
我々の仮説として若い世代にとって「Googleに検索結果を知られること、Facebookに自分の近況と趣味嗜好を知られること」と「自分のオフラインの私生活動画データを集められること」との心理的な差は大して無いと考えている。そこで本実験ではその仮説を検証するために、倫理的にグレーではあるが敢えてそれでもやりたいと思える人が果たしているのかどうか、そしてその人たちはどのような属性でどの程度の金銭的対価であれば実行してくれるのかを明らかにしたい。


3. これまでスマートホームなどでも取得するデータはリスクの低いIoTデバイスの頻度情報など比較的「浅い」データであった。
また消費者動向調査でもアンケートや特殊な準備された環境下でのモニタリングがほとんどであった。
そのような状況の中で我々は仮説として、各人の部屋の人の行動、振る舞い、仕草といった生の情報が商品開発やマーケティングに対して大いに役立つデータであると考えている。
本実験では、被験者の身体・顔をマスクするが行動や表情などは読み取れるデータとして消費書行動調査のデータとすることで、どれだけこれまでのパネルデータよりも経済的価値があるかを明らかにしたい。

実施案とスケジュール

都内23区の30歳前後の人に支給される月々の生活保護費用132,930円を人々に提供する代わりに、その私生活の状況を動画データで収集する。
そのデータをマスク・匿名化した消費者の行動データとして企業に販売・運用し、生活保護費用を賄えるようなデータの活用の仕方を模索する。
またその過程で有識者や一般の方々に本取り組みに関する意見などを伺い、これからの人々の生活とデータとの関わり方、そして資本主義のあり方について提唱する。
~11/15:被験者募集、有識者・一般の方、生活保護費用受給者やホームレスの方などへのヒアリング開始
11/15~11/22:被験者選定
11/25~12/25:動画収集開始12月:動画収集終了。引き続きヒアリング継続
1月:ヒアリング結果まとめ。本実験の検証結果公表。

マネタイズ検討の制約条件

1. 匿名・人物をマスクした上での消費者行動データとして利用する
日常品やテレビ番組・CMなどを開発販売している会社の消費者動向調査のパネルとしてデータを提供した時の経済的価値で算出する
2. 取得動画をYoutuberやライブチャットのような娯楽コンテンツとして配信しない
プライバシーや人気などを意識して行動してしまうと「ただ生活している」だけを目指すビジョンと相容れないため。気にして媚を売った生活した時点でモデル業として精神的・肉体的な労務となってしまう。
娯楽コンテンツでは、被撮影者の特性(性格、容姿、キャラなど)によりマネタイズ金額に大きな差が出るため

最終的なアウトプットの方法

1. 定期的なブログ/Twitterでの進捗報告
2. メディアアートの一種として作品化
3. ドキュメンタリーのような形で、取り組みを動画でアーカイブしたい

組織

責任者:Plasma Inc.(2019/11/1登記完了予定)、代表取締役:遠野宏季
協力者:5名ほど

社会的リスク

アップサイド
1. 人々が自分の生み出しているデータの価値に気付く
2. これまでドブに捨ててきた人々の生み出す価値を汲み取るサービスが生まれる
3. 新しいマーケットの創出
ダウンサイド
1. プライバシー侵害・人間を実験動物のように扱っているなど一部の人から批判を受けて何かしらの被害を被る
2. データの管理が不十分で、被験者のデータを漏洩してしまい、本人的に精神的・経済的・社会的な損害を与えてしまう

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ウホッ(°▽°)
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1991年生まれ/京大工学部卒/ 2016年「人類の感覚器官に自由を取り戻す」株式会社Ristを創業、2018年末に京セラグループに売却、現在は顧問。2019年11月株式会社Plasma創業、代表取締役就任。資本主義の次の形を探る社会実験Exographに取り組んでいる。
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