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大腰筋について考える①

牛や豚のヒレ肉を食べたことがあるだろうか。
柔らかくて、脂肪も少ないお肉で、非常にトレーニーにもありがたい部位である。

そう。タイトルから察しの通り、ヒレは牛や豚の大腰筋である。

四足歩行の動物は大腰筋をあまり使わず、発達しないため、希少部位となっている。

ちなみにオラウータンやヒヒ、ニホンザルは一部に足歩行する部分もあるため、牛や豚と比べると大腰筋は発達している。

もちろんヒトの大腰筋も断面積は結構太い。

筋線維を見るとヒトの大腰筋は赤筋(タイプⅠ)、いわゆる遅筋の割合が多く。オラウータンやヒヒ、ニホンザルは白筋(タイプⅡ)、いわゆる速筋の割合が多いらしい。

というのも、直立で立位をとるヒトは常に姿勢保持のために大腰筋が活動しているため、遅筋が多く。樹上生活である他のサルなどは速筋が発達するのは、なんとなくイメージがつく。

特にヒトの大腰筋は筋頭部では第3-4腰動脈、筋腹では腸腰動脈、筋尾では内側大腿回旋動脈の3つの動脈が栄養を供給していることからも、そのエネルギー代謝が大きいことが示唆されることになるのか。

一般にヒトの大腰筋の作用として
 1)股関節の屈曲(骨盤の前傾)
 2)下位腰椎の屈曲
 3)腰部の側屈
 4)腰椎の垂直方向の安定機構

が思い出される。特に直立するためには腰椎の安定機構は重要な役割を果たしているのは間違いない。

起始は第12胸椎から第5腰椎横突起であり
停止は遠位で腸骨筋と癒合し小転子につく

腰椎から大腿骨につくわけで、大腰筋は骨盤には付着しない。
これは個人的には結構知ったときはびっくりで、これだけ骨盤の前傾が。。。みたいなこと言うのに骨盤にはつかないんだよね。
と思いました。

ただ逆に言えば股関節をまたぎ脊柱と下肢を直接繋ぐ筋って他になにかあるかな。。。大殿筋や大腿直筋は骨盤から大腿骨。腰方形筋は骨盤から脊柱や肋骨。見当たらず。。。

それにヒトの身体重心位置を考慮しても、一般に仙骨のやや前方に位置するわけだから、大腰筋の走行と近い部分である。

ヒトが直立するうえで重要であることは間違いなく、進化の過程も含めてとても興味のある筋です。

個人的な興味が先行しました。

直立した「良い姿勢」ってなんでしょうか。

四足歩行の歴史から比べると、二足歩行の歴史なんて浅いわけですから、あとから発達した大腰筋。重要でもろくて、伸びしろですか?

また、調べてみます。

今回読んだ文献↓