「何ができるか」より「何を思うか」
ひろきちです。こんにちは。
今回の記事は、パーソルホールディングスが開催する
「 #私らしいはたらき方 」コンテストへの応募作品です。
この記事で「はたらき方」に悩んでいる、もやもやを抱えている人にとって、少しでも心が楽になる助けになれば・・・と思います。
①私の「はたらき」とは
まず自己紹介がてら・・・私は地方の製造業で「品質保証業務」に携わっています。
業界外の人には耳なじみのない「品質保証業務」ですが、一般的にはニッチな職種といえます。
よく「品証」と略して呼ばれます。
その品証の業務は大きく分けて3つあります。
(1)クレーム処理
(2)社内のルールづくり、ルールの管理、教育
(3)品質を守るためのチェック
(1)弊社の場合はBtoBなので、クレーム処理は対外的には同業他社や他業界の法人が相手となります。主にはクレームが発生したあとの後処理(報告書を書いたり、お客様と交渉をしたり)です。
(2)社内を相手にした場合は、製造工程や物流工程への管理です。
現場と一緒にルールを作って導入したり、ルールが守られているかの管理をしたり、現場の管理者と打ち合わせをしたり議論したり、です。
製造工程への教育もします。
(3)品質チェックをすることも多いです。不良や異常の芽を見つけて、現場へ改善を促します。
このような職種なので、現場の社員からは敬遠されたり、嫌われがちです。
頻繁にコミュニケーションを取ってない方から見ると
「怖い人」「面倒くさい人」という風にとられています。
社外でもわりと似たようなものです。
クレーム、というと「平謝り」という印象が世間ではありますが、製造業では全てがそうでもありません。
もちろん、自社に非があれば謝罪しますし、改善に向け努力します。
しかし場合によっては、自社の利益を守るために(損害を小さくするために)お客様との交渉/駆け引きをすることも多いです。
なので、私も社外の品証に対して同じように思うのですが、
「品証は面倒くさい」
「品証は腹の中が読めない」
「品証は舐めてかかってはいけない」
と周りから見られる傾向にあります。
つまり、「品証」は(他の職種に比べると)嫌われやすい。
という職種です。
しかしながら、品証は製造工程のように機械を動かしたり、モノを作る仕事ではありません。
文章作成などのPC仕事や品質チェックを除けば、「コミュニケーション」が仕事の大部分を占めます。
嫌われていながらも、周囲の全ての人と上手くコミュニケーションができないと、成立しない職種です。
だって、自分の話を聞いてもらえなければ、自分が作るルールも品質も守ってもらえませんから・・・
前置きが長くなりましたが、私の仕事はこんな感じです。
そんな中で、「私のはたらき方」とは?について掘り下げていきます。
②私の「はたらき方」
ここからは仕事の内容からは少し離れて、私の仕事への考え方を述べていきます。
私の考え方は・・・年を重ねるごとに変わってきました。
上述したように私の仕事はある種、周囲の同僚を「監視」することが本分でもあります。
なので、数年前までは周りの人に対して「怒り」を抱えて仕事をしていました。
「なんでルールが守れないんだ!」
「なんでそんな判断をするんだ」
・・・・と。
「怒り」は、時として大きなエネルギーになりえます。
怒りがモチベーションの源泉になっていたのです。
しかし数年前に「このままでは自分はダメになる」と考えて、「自分を変えよう!」と自己啓発を始めてからは少しずつ、考え方が変わっていきました。
今でも「怒り」と無縁ではありませんが、今の私は
『自分のパフォーマンスを最大化すること』
を第一に置いて仕事をしています。
怒りは燃えている自分の炎を表面的に大きくするガソリンにはなりますが、炎が大きくなればなるほど、燃え尽きるのも速い。
怒りは、常に心を燃やし続ける薪にはならないことに気が付いたのです。
今の私は、仕事の内容については以前と大きく変わっていないものの・・・
自身の考えることは大きく変わりました。
今の私は、自分以外の他人に何を求めるかではなく
「自分はどうするべきか」
「自分の使命を常に忘れないこと」
を意識して仕事をしています。
③「私らしさ」とは?
#私らしいはたらき方
このハッシュタグと矛盾する言い方になってしまいますが、
「私らしさ」を追い求めることは、時に不幸を生むと思っています。
まず、私らしさ とは何でしょうか?
もちろん私にも個性や向き不向きがあるので、
「私に合う仕事」や「私に合うやり方」はあります。
しかし、「私らしい仕事」が幸せに必ずつながるか、というと・・・
そうでもないことも多い。
私らしい、というのは「自分が思っている自分」という枠に当てはめて、そこから外れないことを指すのだと思います。
しかし上述したように、私の仕事への対し方は数年で大きく変わりました。
もしあの時、怒りを源泉に仕事をしていたとき、その時の「私」の枠に固執していたら・・・今の成長した自分は無かっただろう、と思うのです。
なので、「私らしい」わたしを追い求めることよりも、自分がやっている仕事に対して「自分の信念から外れていないか」「自分が自分を許容できるか」を考えるほうが生産性が高いと思っています。
よく、「自分探し」という言葉を聞きますよね。
でもそれって多くの場合、
「自分が何をできるかわからない」
「自分に何が向いているかわからない」
ということだと思います。
・・・それって「自分らしさ」なんでしょうか?
それはただ特性や能力の問題であって、
本質的には「貴方らしさ」とは別の問題だと思うのです。
向いていることや能力が無い人が「自分らしさ」が無いというのなら、
自分らしさ、というものに価値はありません。
本当に大切なのは、「貴方がどう思うか」であって
「貴方が何ができるか」ではないんだ!と思うのです。
だって、私は私であるだけで、貴方は貴方であるだけで価値があるのだから。
私の価値は、私の能力だけではないはず。
④「何ができるか」より「何を思うか」
私は、私の仕事の価値を決めるのは私の能力でも、ポテンシャルでもなく、
「私の考え方」だと思っています。
例えばスポーツなら、必ずどこかに「限界」があります。
どんなにトレーニングを積んだとしても、100メートルを5秒で走りきることは人間には不可能でしょう。
でも仕事では、限界というものはありません。
努力をすればしただけ、
考えれば考えただけ、
自分の仕事は変わっていきます。
そこに終わり(限界)はありません。
でも もし、私が自分の持つ能力やポテンシャルだけで仕事をしていればどうなるか?
どんなに良い結果を得られたとしても直ぐ頭打ちで、継続的な成長はありません。
人間が他の動物と違って大きく進化した要因は、
「言葉を習得したこと」だと言われています。
言葉という道具を得たことで脳が大きく発達したのだと。
しかしパワーや体の強さでいえば人間は自然界に対して大きく劣ります。
馬とかけっこはしないでしょう?
だからこそ、人間は「考えること」が最も向いている動物だと言えます。
であれば、私が仕事でやるべきはポテンシャルの追求ではなく、
「思考」をすべきだと思うんです。
よく、就職面接で
「会社にとって何ができるか、どんな貢献をできるか」
を聞かれると思います。
その時に「何ができるか」の根拠は、
それまで自分が何をやってきて、どんな能力があるか、だと思うのですが
自分の能力値(知識、経験)と、その会社で自分が成せることは完全にイコールではありません。
であるならば、自分の能力値を説明するよりも、
「自分の考え方がこうで、だから、これができます」と答えるべきだと思います。
ビジネスにおいて「思考する」ことが一番の成功への道筋ですから。
⑤「はたらき方」は自分次第
このコロナ禍において、リモートワークの普及や通勤時間の分散など、「はたらき方」を取り巻く環境は常に変化しています。
また、よく言われる「働き方改革」で勤務時間や休日日数、残業の見直しもなされています。
世の中の傾向として、勤務時間や拘束時間を「少なくしよう」という流れになっています。
ただ、「はたらき方」とは勤務時間や環境だけの問題ではありません。
一日24時間のうち、通勤時間を含めれば約半分を「仕事」に使っているわけです。
であるならば、その「仕事」に消費される時間をいかに生産的に、「楽しく」過ごせるかを考えることを放棄すべきでない、と思っています。
なぜなら、一日の半分は人生の半分でもありますから。
人生の半分を、「ライスワーク」としてただ金銭のために費やすのか。
それとも、自分の人生を楽しく消費するための「娯楽」として仕事をするのか。
その「考え方」や「意識」の違いは自分の人生において、大きな意味を持つと思っています。
「ライスワーク」から、『プレイ アズ ワーク』へ。
遊ぶように仕事をする、その考え方がこれからの「はたらき方」をより良いものにしていくと思います。
⑥最後に
ここまで、私が思う「はたらき方」について述べてきました。
冒頭で書いたように、私の仕事は「クレーム処理」が大きな割合となっています。
クレーム処理と言うとネガティブに聞こえますが、私自身はそこまでネガな意識はありません。
むしろ、クレーム処理にあたっている間は普段よりハイテンションになってやる気がみなぎっているくらいです。
この職種が私に合っている、ということもあります。
しかし、それだけではやっていけません。
仕事だから辛いこともあって当たり前。そのつらさもひっくるめて、すべてを自分で「楽しもう」と思えるか。
その意識こそが「はたらき方」を左右する最大の要素だと思っています。
私にとって、仕事とは
『何ができるか ではなく、 何を思うか』。
あなたの一日が、仕事が
素敵になりますように。
では、また。
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