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中小企業診断士2次試験副読本30選+1

中小企業診断士は過去問を解くことが一番の鍵です。

しかし、2次に関しては1次と異なり、解答は公開されず、設問の趣旨のみが短く公開されるだけです。毎年出題委員の名簿が公開されています。出題委員の先生の著書を読むことで2次の解答の方向性を探ることや設問文の意図を把握することができるようになるのではないかと思います。

試験勉強に疲れた。
何年も勉強しているが、まだ読んだことがない。
合格後ももっと研鑽を積みたい!

そういう方にこそ読んで欲しい本です。1年目の方は過去問や通信、予備校の問題を解くことで精一杯かと思いますので、気が向いたらで十分かなと思います。ただ知っておくと有利に働く可能性はあると思います。

令和二年度中小企業診断士試験委員名簿

出題委員名簿から調べて、これはと思う本を選んでいると30冊にもなってしまいました。事例IVは良いものがなかったので、過去の出題委員の先生の著書となっているため+1とタイトルはつけさせていただきました。31冊もありますので、Amazonのリンクは貼っていますが、私は図書館をフル活用しました。図書館だと入手に時間がかかる、蔵書がないということもありますので、ポチしていただけると幸いです。

それでは見てみましょう。

事例I 組織・人事

これまで事例Iは岩崎尚人先生が作問を主導していました。その岩崎尚人先生の著書を紹介します。組織と経営に関連する本になります。

中小企業はファミリービジネスであることが多いです。令和2年も令和元年もファミリービジネスの事例でした。山田先生はファミリービジネスに関連する著書を執筆されています。

同じく山田先生の著書ですが、こちらは組織について論じられています。事例Iでは、年功序列を廃止した実力・能力主義による人材登用が解答の方向性ととして問われることがありますが、本書が参考にされているかもしれません。

地方の産業に関する与件が多いのも事例Iの特徴です。酒造、たばこ乾燥機、和菓子などが取り上げられてきました。地方産業について山田先生が執筆に参加された著書になります。

参入障壁や、製品の差別化、スイッチング・コスト、ネットワーク外部性と言った事例Iでは必須キーワードについてまとめられた著書になります。このあたりの切り口を覚えておくだけで設問1あたりは解答できてしまうパターンも多いのではないでしょうか。

競争戦略について大きく4つの流派についてまとめらた本になります。マイケル・ポーターのポジショニング派やJ.B.バーニーのケイパビリティ派などがありますが、それら原著に当たる前に読むとわかりやすいかもしれません。

人事評価については設問4辺りで問われる事が多い論点です。人事考課の設計や評価手法に関する留意点や助言を求められるときに意識したいモチベーションの向上についての研究が記されています。

組織・人事の論点の暗記方法として、幸の日も毛深い猫というものがあります。採用、配置、賃金報酬、能力開発、評価、モチベーションなのですが、それらについて体系的に触れられている一冊です。また、人材活用として、非正規社員の登用や女性活用、高齢者活用、ワークライフバランスについても述べられていて、事例Iでの頻出論点に触れるという意味でも重要な1冊と言えます。

事例II マーケティング

事例IIは岩崎邦彦先生が主導していると言われています。実際に令和2年度の問題は観光業でかつ農業でしたし、小規模企業のマーケティング事例がよく出ています。キーワードは「体験による口コミ誘発」です。特にスモールビジネス・マーケティングは必読です。

事例IIでは体験と口コミが効果的とされています。その関連の著書です。また、澁谷先生は、デジタル・マーケティングについては著書があります。デジタル・マーケティングも必須論点であり、実世界でも重要なマーケティングスキルと言えるので、合格後でも読むべき本の1冊と言えます。

鶴見先生が8章の「SNSが販売実績に及ぼす効果の測定とソーシャル・リスニングの意義」を書かれています。事例IIではSNS活用による顧客エンゲージメントの向上や製品開発への参画に関する設問が出題されています。今後も頻出の論点だと言えます。

令和2年の事例IIでは、その地方独特のハーブを用いた農業法人を立ち上げた経営者が取り上げられており、地方活性化とアントレプレナーシップについても作問することができる与件となっていました。アントレプレナーシップになると事例Iの論点になるかと思いますが、事例IIの問題のシチュエーションのほうが近かったので、こちらの方で取り上げたいと思います。

エスノグラフィーによるフィールドワークの著書です。小売店のマーケティングを知る上には興味のある本だと思いますが、試験という切り口では関連性は薄いかもしれません。

令和2年から設問委員になられた平木先生が翻訳された著書です。

事例III 運営管理

木内先生の本を見ることで生産現場と生産管理と問われたときに何を指しているのか?が理解できると思います。令和2年度は設計と製造での切り分けで問題点を指摘することを求められたので、切り分けが今までと異なっていましたが、令和3年度ではまた切り分けが戻るかもしれません。

数年前までは作問の主体は本田康夫先生と言われていました。本田康夫先生の論文を読むことで切り口として、5Sや標準化が論点として重要であることがわかります。

本田康夫先生の論文は上記本でなくても札幌大学のサイトからダウンロードすることが可能です。

事例IIIでは最終的に新規事業として高付加価値ビジネスを提唱することが多いのですが、それらの事例の例と言えるの本書です。事例Iでも使える大企業との比較などが記載されています。

令和2年では納期遅延に関する論点で設問されていました。サプライチェーンでの納期に関する切り口も今後出てくるかもしれません。

事例IV 財務会計

事例IVに関してはこれ!というおすすめの本がありませんでした。2次の勉強にしてはやや難しいですが、よく挙げられている勉強本を紹介しておきます。通称「イケカコ」です。ちょっとむずかしいですし、この本をマスターしなくても事例IVはA評価は取れると思います。

まとめ

出題委員の先生たちの書籍を30冊まとめてみました。

試験まであと9ヶ月、まだまだ2次の勉強はモチベーションが上がらないと言ったときに読んでみてはいかがでしょうか?特に事例IIが苦手とされている方はスモールビジネスマーケティングは必読です。

もちろん合格後でも教養を深める意味でもおすすめの本ばかりです。

令和3年の出題委員の先生が発表されたらまた更新したいと思います。

お読みいただきありがとうございました。本選びの参考になると幸いです。このまとめがよかったらスキボタンやSNSでのシェア、コメントなどをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!

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