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9/80 Work Scheduleという働き方

海外の企業とメールしてたら、The company works a 9/80 work schedule and they are not working today.と連絡が来たので、どういうこと?と疑問に思ったので調べてみました。フレックスタイムやみなし労働、裁量労働制とは異なる勤務体系ですが、日本ではなじみがあまりないと思うので、紹介したいと思います。

9/80 Work Scheduleとは?

9日で80時間働くという労働形態のことを指します。2週間を区切りとして、9時間勤務を8日、8時間勤務を1日、1日は休日と言った感じです。月曜から木曜まで9時間働き、金曜日は8時間働くか、1日休むと言った勤務や金曜日は半日だけ働くと言った勤務を行うということです。
一般的な1日の勤務時間8時間とすると1週間の平日は5日で40時間、2週間(10日)で80時間なので、勤務日数を10日から9日に圧縮して、80時間働くことから9/80 Work Scheduleと言われています。

この働き方のメリットデメリット、他の働き方などを見ていきたいと思います。

9/80 Work Scheduleのメリット

平日を個人的な事情に使いやすい
平日しか空いていない役場への公文書取得や銀行での手続き、病院への通院などを行う際に、有給休暇などを取得せずとも行うことができます。

自由な休み
もちろん週末を3連休のように利用して、通常の週末よりもより有意義に使用すると言った選択可能です。一泊二日のような旅に出る場合にも土曜日よりも金曜日の宿の方が取りやすいですからね。二泊三日で小旅行と言った使い方もできます。

9/80 Work Scheduleのデメリット

ウィークデイでの高いプレッシャー
1日余分に休むことになるので、働いている営業日、ウィークデイでの高い生産性を求められることになり、プレッシャーとなりえます。働いている時間自体は同じ80時間なのですが、特に金曜日が休みとなる週は、金曜日が休みなのだからと高いプレッシャーに晒されやすい傾向にあります。
米国のエモリー大学の研究によると、モラルに関する問題が引き起こされるとされています。このモラルに関する問題とは、多くの残業を行ったり、休みとされる金曜日の1日に仕事を行ってしまうことです。このことから、すでに残業が多い職種にはこの働き方は向いていないとも言えます。その他にも納入業者や納入先など外部要因に対してこのスケジュールに合わせてもらう必要もあります。このため、高いプレッシャーに晒されてしまうのです。

平日の帰宅が遅くなる
9時間働く日があるということは、その日の帰宅時間が遅くなってしまうデメリットがあります。9時間勤務ということは残業なしでも仕事が終わるのは6時や7時になります。通勤時間を含めると使える時間は短くなり、平日夜に友人との会食や社会活動、趣味の時間を過ごすなどの活動が難しくなってしまいます。ご飯を食べて、少しリラックスしたらもう寝る時間です。子どもがいる家庭の場合、子供のお迎えという問題も発生します。保育園にしても学童にしても延長は7時までというところや遅くても8時までというのが一般的ではないでしょうか。こちらに対応するのも難しくなります。

9/80 Work Scheduleが向く仕事

作業時間に応じた対価が支払われたり、作業内容が決められている作業員に対して向く勤務体系ではないかと思います。製造業の工場では有効かもしれません。Webデザインやソフトウェア開発などでも有効かも知れません。すでに残業時間が多いという場合には、そもそもその残業をどう減らすのかを同時に議論する必要はあります。

まとめ

月曜から木曜までは1日9時間働いて、金曜日は8時間働くかお休みという勤務体系9/80 Work Scheduleについて紹介しました。働き方改革の一環としてこういう働き方も導入される企業も増えてくるのでしょうか?

通常の平日にしかできないことを行うために1日休むのは何となくもったいないということもなくなりますし、週末が3日あると旅行なんかにも行きやすくなるのは大きなメリットです。
一方で平日夜に家族や友人と過ごす時間の減少や仕事の生産性へのプレッシャーにも耐える必要がありそうで、一筋縄ではいかない働き方かな?と思います。

働き方改革は休み方改革とセットで考える必要があります。9/80も平日1日を休むためにどう働くかという勤務の例示であると言えます。自分にあったら休み方、働き方が柔軟に選べるようになるといいですね。

参考文献



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