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OSとしての組織カルチャー

組織を何かを成し遂げるためのソフトウェアであると捉えた場合、そのOSは組織のカルチャーだろう。

OSはソフトウェアの開発環境を規定するように、組織カルチャーはその組織が何かを行おうと組織に属する人が働く環境を規定するものだ。

コンピュータ言語が様々な概念を規定するように、組織内のルールは、その組織内の人々の役割や機能の概念を規定する。

コードがデータの処理を規定するように、組織に属する人はそれぞれが目的に対する役割を果たす。

コードの束がそのソフトウェアの機能を規定するように、組織内の各部署は事業に対してどういった役割を果たすかを表す。

そしてそうしたコードの全体がソフトウェアとして何かの目的を達成するように、組織は様々な部署の全体として事業を実現する。

複雑なソフトウェアがバグが多く、非効率になることが多いのと同じように、複雑な組織はアウトプットに達するまでのプロセスが非効率だ。

ソフトウェアと組織は非常に似ている。ソフトウェアをアナロジーとして組織を見直すと、なぜ多くの組織が生産性を上げられないかが明らかになる。

組織内のルールが明確になっておらず、組織に属する各メンバーが効率的に動けていない、その結果として、各部署も調和が取れていないような組織は、非効率だということだ。

この点において、組織は簡素かつ明快な構造がその効率化を実現するという示唆がここにはある。デジタル化を進めようとする組織はこのような点からより機能に合わせた部署設定、人材配置が必要になる。

組織デザインを通じてよりきれいなソースコードを用意することは、組織のパフォーマンスを上げることにつながる。

しかしソフトウェアがデジタルでロジカルなコードの束であるのに対し、人間は感情という不確実性が存在する。この不確実性はプラスに働くこともあればマイナスに働くこともある。

ひとりの強い意志が他の仲間を感化し、さらに強い意志となり、パフォーマンスを高めることがある。一方でひとりの不正や怠惰が組織全体に蔓延して貶めて行くこともある。

だからこそOSであるカルチャーがはっきりとその組織に属する人に意識され、感情レベルでも作用することが重要となる。

カルチャーをデザインできない組織マネジメント層は、本当の意味で組織のパフォーマンスを最大化することができない。これはどんな組織にもこのことは当てはまるのではないか。

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