見出し画像

声を出せってどういうこと?

「声出せ!」選手ならコーチや監督から言われたことが必ずあると思います。僕も数え切れないほど言われてきました。でも昔から疑問に思っていたことがありました。それは、なんで高校野球の選手はあんなに声を出しているのにプロ野球選手は淡々とプレーしているのだろうと。

本当に勝つために必要であれば、プロ野球選手も必死に声を出すはずですよね。子供だからやらなければいけない、プロ野球選手だからやらなくていい、なんてことは同じ勝つことを目的にしている以上存在しないと思っています。

ここで間違えて欲しくないのは、プロ野球選手も声を全く出していないわけではないです。ただ出している声が高校生と比べて明らかに違います。今回はその「声を出す」とはどういうことなのかについて書いていきます。

1 「バッチこい」はもうやめよう


 野球を始めた少年野球時代の時はよくグラウンドで「バッター」に向かって声を出していました。でも大人になって思うのですが、これってあんまり意味がないなと思います。


いろんな野球を経験をしましたが、日本以外でまずこういう声を出す習慣がなかったという点と、独立リーグ時代やNPBの球団と試合をしたときにこういう声を出す人は少なかったからです。

中には気持ちが入ってそういう声を出す人もいましたが、全体的に見て少なかったです。まずノックでも良くありますが、呼んでも打球は来ません、というか来るときには黙っていてもきます。

僕はバッターに対して声を出すことよりもバッターをよく観察してどこに打球が来るのか予測することの方がよほど大切だと思っています。

さらに周りもよく見えるようになります。野球は何もバッターと自分だけで野球をやっているわけではないですよね。
他のポジションの選手、ベンチの声、審判、相手選手など試合では見るべきポイントがたくさんあります。なので集中しながらも冷静に余裕を持って試合に臨むことができます。


2   出す声の質を上げる


 では声を全く出さないということですか?となるかもしれませんが、声は出す必要があります。僕が考える声を出すという点に関しては、次の3点が大切だと思っています。

①予測
②指示
③確認


まず予測です。これはスポーツに共通していることだと思いますが、先のことを予測してあらゆる可能性を考えることが重要です。例えばここは「エンドランを仕掛けてくるかもしれない」、「盗塁があるかもしれない」などを予測して周りに伝えることで周りも想定することができます。自分だけがわかっていてもチームに共有することでチーム全体が準備できるようになります。


 次に指示の声です。先程の例でいくと「エンドランがあるから二遊間はベースカバーを少し遅らせる」とか「盗塁があるから捕手に準備しておけよ」とかこういった指示の声です。これもわかっている選手も含めて出す必要があります。周りからの指示を聞いて次のプレーに備えることができると同時に頭を整理してプレーできます。


 最後に確認ですが、これが一番大切です。ランナー3塁でバッターがファーストゴロを打ってバッターランナーをタッチしホームがセーフになったプレーがプロ野球であったように、普通ならホーム優先と見ている人はわかると思いますが、実際にプレーしているとプレッシャーや焦りからこういった当たり前の判断ができなくなってしまいます。

特に高校野球のようなトーナメント戦やプレイオフなどの短期決戦では特にありがちです。僕自身もこういった経験もあったので、「わかっていても確認してな」と教え子たちには口すっぱく伝えてきました。

この確認の声がなかったがために試合に勝てなかったというのは高校野球ではよくある話です。なのでしっかりとした準備をするためにもこの3点は意識して日頃の練習から取り組んでいきましょう。

最後に


今回は声を出すことの大切さについて書きました。声の大切さがわかってもいざ試合で出すためには日頃の練習から癖づけていく必要があります。日頃の練習が試合につながるというのは前回の記事にも書いていますが、プレーだけでなく声も同じです。なので練習を大切にしてください。練習を大切にする選手は試合も大切にできます。失敗してもいいんで、間違えてもいいんで、まずはトライしてみてください。今週も頑張っていきましょう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?