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日本の連合艦隊が敗北した理由:エリートたちが見逃していた、たった1つのこと

指標の話

「超」入門 失敗の本質』の内容で、続きです。

日本海軍の連合艦隊は、太平洋戦争の開戦前後で勝利を重ねた時期がありました。これもみなさんがご存じの通り、ミッドウェー海戦後は転げ落ちるように敗北を重ねて、最後は壊滅します。

「なぜ?」という疑問符が非常に多くつく状況です。

これが、最初から負け続けているならわかります。
しかし、日本の近海から東南アジアでの海戦で、日本の連合艦隊は非常にうまく勝ちを収めた海戦が続いた時期がありました。

海軍トップはエリート中のエリートで、彼らはその類まれなる頭脳で、作戦を立案していました。しかし、彼らが自分たちの勝利の中で、気づいていなかった「たった1つの重要なこと」があったのです。

それは、初期の日本海軍の圧勝には、「敵の位置を先に把握している」という共通条件があったのです。

索敵によって(高高度の偵察機による偵察)で、敵の艦隊の位置を、日本海軍のほうが先に把握していたのです。このたった一つの優位によって、日本海軍は優れた戦闘機、爆撃機集団による先制攻撃をおこなうことができた。

その結果、初期の日本海軍の勝利が生まれていたのです。

ところが、連戦連勝に浮かれて、「日本海軍は武力で勝った」とエリート集団が勘違いします。索敵による優位を確保しないで、敵の位置を先に把握する、という最重要指標を極めずに、放置したまま戦いを続けました。

武器の優位性はありました。
しかし、それは「敵の位置を先に発見する」という最優先指標が満たされてから、初めて機能する優位性だったのです。

結果、お互いに同時に位置を把握した場合、引き分けがせいぜい。米軍にこちらの位置を先に把握された場合、ぼろ負けという事態が続いていきます。

結局、

①指標は時間の経過で(相手の成長で)劣化することがある
②自分の過去の勝利の本質を理解していないことで敗れていく

上記2つが、太平洋戦争の勝敗に、非常に大きな要素となっていた。
この2つの大きな気づきは、原著『失敗の本質』の6つの作戦をヨコ串的に分析、解説することができ、エッセンスとして最適だと判断した次第です。

やや堅苦しい話ですが、現代ビジネスでもこの2つの対策はまだまだですし、気づかなければ、対策をしなければ、失敗が繰り返されると思います。

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