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「トランスジェンダーポリス」第二話

第二話「トランスジェンダーのアイドル」
若い女性が仰向けで馬乗りのジャックオーランタンの仮面を被った不審者に首を絞められている、被害者は桃園ピーチ
ピーチ「うっ、苦しい・・・やめて・・・離して」足をばたつかせ抵抗する
不審者「ふふふ、今楽にしてあげるよ」更に強く首を絞める
ピーチ「うっ、ぐっ・・・」ぐったりとして意識を失う
不審者、ゲランの化粧品を出し、死に化粧を始める「くっくっくっくっ」
笑いだす
不審者が南瓜の仮面を脱ぎ捨てニヤニヤとほほ笑む、なんと不審者の顔も 桃園ピーチ 


メロン「ピーチちゃん、大丈夫?」ベッドに寝ているピーチを揺さぶる
ピーチ「うっ!あっー?夢かー」全身汗まみれで起き上がる
フルーティ娘の3人が住むマンションのシェアハウス、ピーチの寝室
メロン「ピーチちゃん大丈夫?すごく魘されてたよ」心配する
ピーチ「あっ、そうか?病院から帰って薬飲んで、寝ちゃたんだ」
タオルで汗を拭く
メロン「悪い夢でも見てたのかな?」顔を近づける
ピーチ「あっ、うん、大丈夫、何でもないよ・・・」歯切れが悪い
メロン「でも、良かった、コロナじゃなくて、ただの疲労だって」
安心する様子
「仕事とストーカー事件でストレスマックスだったんだね」手を握りしめる
ピーチ「うん、心配してくれてありがとう、3日も休めば回復するよ」
ガッツポーズする
メロン「あっ、勝手に部屋入ってごめんね、食事持って来たんだ、食べて」おかゆを出す
「ピーチちゃん、さすがビジュアル担当、化粧品もいいの使ってるね
これフランスのゲランだよね?」
化粧台の上に置かれたゲランの商品を指さす
ピーチ「あっ、これね、ある人から勧められて使ってるんだ」
少し焦った様子
メロン「あっ、それから、寝てる間にピーチちゃんの秘密知っちゃたよー」真顔で言う
ピーチ 心の声「うっ、マジか?見られたか?」顔面蒼白、冷や汗垂らり
布団越しに股間を隠す仕草
メロン「ピーチちゃん、私と同じで『ひんぬーう』Aカップ?」
胸元を見つめる
ピーチ「うっ、そっちか?」胸元を手で押さえ真っ赤な顔をする『カッー』
ピーチ 心の声「そう、アタシは、MTF(体は男性、性自認が女性)
トランスジェンダー 本名 桃園トリス そしてアタシは・・・」


美人女子大生強姦殺人事件から2週間後、捜査の進展なし
一本の電話が鶴亀署刑事課強行犯係に鳴る『トゥルルルル。トゥルルルル』『ガチャ』
蜜柑「はい、鶴亀署強行犯係」電話に出る係長
ジョニー瓜田「すいません、瓜田芸能事務所の瓜田と申します」
「先日は、内のイベント会場で、タレント達を救助して下さり、誠に
ありがとうございます」かしこまった様子
蜜柑「あー、フルーティー娘の社長さんですね。その節はどうも」
瓜田「あのー、すいませんが、あの時の刑事さん居ますか?あっ
男の方のね?」
蜜柑係長、手招きで栗本を呼ぶ「あっ、はい今、栗本と変わります」
受話器を栗本に渡す
栗本「はい、お電話変わりました。強行犯係の栗本です」
電話だがお辞儀をする
瓜田「先日は、内のピーチを暴漢から助けていただきありがとう
ございます」「実は、言いずらいんですが、ピーチとメロンが昨日から
居なくなりまして」困った様子
栗本「はっ?ピーチさんとメロンさんが失踪した?」驚いた表情
電話をスピーカーにして強行犯係一同が一斉に耳を傾ける
瓜田「はい、失踪というか?家出みたいな?昨日、仕事の事で言い合いになって、連絡も取れないんですわ」
「最近この地域治安悪いじゃないですか?ストーカーとか
神社で強姦殺人とかね」
「捜索していただけませんかね?アリーナのコンサートも近いし」
心配そうな様子
栗本「はい、それは心配ですね。丁度そちらの方に防犯パトロールに行く
所でしたので、様子を伺いに行きますよ」またお辞儀をする
瓜田「ありがとうございます。お待ちしていますわ」
『ガチャ』電話が切れる

柿ノ上「おいおい、この忙しいのに家出人捜索はないぞー」少し切れ気味
蜜柑「そうね、昨日社長と揉めて、漫喫でも泊ってんじゃないの?」
「二人とも未成年じゃないんだし」呆れた様子
柘榴「ストーカーは檻の中だし、拘束まで後5日あるしな」首をかしげる
蜜柑「そういえば、鬼頭亀吉まだ黙秘続けてますね。ザクさんまだ落とせ
ないんですか?」柘榴刑事を見つめる
柘榴「いがいに、しぶとい奴でな。それと、物証の刃物が
見つからないんだよ」
栗本「でも、防犯カメラに全部映ってますよね」柘榴刑事を見つめる
柘榴「それが、肝心の刃物が死角で映ってないんだ」困った様子
柿ノ上「映ってなくて、打つ手なし!ですか」
どや顔でオジサンギャグを言う
西瓜「出た出た、柿ノ上のオジギャグ」呆れた様子でツッコむ
栗本「まあ、丁度、あの事務所の方へパトロールに行く予定でしたから
寄っていきますよ。約束もしてしまいましたし」
上着に腕を通し襟を正す
柿ノ上「おいおい、相棒、俺はいかないぜ。今日は本庁と合同捜査
だからな」手でナイナイをする
野苺「私、行きます。ピーチちゃん心配だし。栗本先輩行きましょ」
栗本と腕を組む
柿ノ上「おいおい、何腕組んでんだー離れろーやっぱ俺が行く」
少し切れ気味
西瓜「柿ノ上アウト!」


瓜田芸能事務所、応接室に座る瓜田社長と栗本、野苺刑事
瓜田「お忙しいところ、ありがとうございます」お辞儀をする
栗本「いえ、丁度この辺をパトロールするところでしたので」お辞儀をする
野苺「まだ、連絡とか取れないんですか?」心配そうな様子
瓜田「はい、携帯を鳴らしているんですが、電源が切れているみたいで
ラインも既読つかなくって」困った様子
栗本「そうですか?普通、電源は切らないですよね。ほかの人から電話が
来る可能性もありますから着信拒否かな?」少し疑問に思う
瓜田「昨日のお昼ごろから携帯を鳴らしたんですが、電源が切れた状態で」
野苺「おかしいですね?二人共ですか?」メモを取り始める
瓜田「はい、ピーチもメロンも電源が切れた状態で、GPSの位置情報もダメですわ」両手を広げお手上げのポーズ
栗本「ピーチさん達のお部屋を拝見させていただいてもよろしいですか?」「何か手がかりがあるかもしれません」少し焦り始めた様子
瓜田「はい、ここの10階に3人のシェアハウスがあります
ご案内しますわ」立ち上がる3人
シェアハウスに入る3人、リンゴは仕事で出かけている
瓜田「こちらです。ここがピーチの部屋です緊急ですからどうぞ」
合鍵でドアを開ける
栗本「うっ?これは?」顔色が変わる、化粧台の上にあるゲランの商品を
見つける
野苺「あっ、ピーチちゃんゲラン使ってたんだ。さすがセンスいいなー」
天然炸裂
瓜田「この化粧品が、どうかしましたか?フランスのゲランですね?」
不思議な顔
野苺「実は、これ、カボチ・・」栗本「いや、何でもありません高いんでしょうね」野苺の発言をかき消すように会話する
瓜田「まあ、普通の化粧品より少々、ピーチにはいい物使えって、日ごろ
から指導してますのでー」少しドヤ顔
栗本 心の声「そうか、ピーチさんとの初対面で違和感を感じたのは、この化粧品の香水が原因か?」少し納得した様子で頷く
栗本 心の声「まさか?ピーチさんがメロンさんを連れ出して殺害?ピーチさんが『南瓜のおくりびと』いや違う、違う、化粧品だけで考え過ぎだ
僕は何を考えているんだ」動揺する様子
瓜田「どうです?何か手がかり見つかりました?」
野苺「そうですね、まだ見つかりません。次メロンちゃんの部屋
お願いします」
3人でメロンの部屋に行く途中、瓜田社長の携帯に非通知の着信
『ツッツッウ ツッツッウ』『ピッ』携帯の着信ボタンを押す

瓜田「はい、瓜田ですが、どちら様?」携帯を耳に当てる
ボイスチェンジャー「ピーチとメロンを預かっている」
「警察には連絡するな」驚く瓜田
栗本、瓜田社長の様子を見て、携帯をスピーカーにする様、指示する
瓜田「はっ?どういう事?」急いで携帯をスピーカー状態にする
ボイスチェンジャー「ピーチとメロンを預かっている」
「警察には連絡するな」スピーカーが響く
瓜田「ちょと、どういう事?アリーナのコンサート近いのよ」
怒り気味の様子
栗本がメモに『二人は無事か?声を聴かせて』と瓜田に見せる
瓜田「ちょっとー、二人は無事なの?声を聴かせて頂戴」メモの通り話す
ボイスチェンジャー「今のところはな!」「変な真似すると即、殺す」
栗本がメモに『何が目的?声を聴かせて』また瓜田に見せる
瓜田「何が目的なの?二人の声聞かせてよ」少し強めに言う
ボイスチェンジャー「そこの刑事さん、全部見えてますよ」
驚いた様子の栗本と野苺、窓の方を見るがカーテンが閉まっていて
外からは見えない
瓜田「どういう事?ここはセキュリティ対策が強いマンションよ」驚く様子
ボイスチェンジャー「ふふふ、ファンからの贈り物」
「例えば、そこの猿の縫いぐるみ」
野苺「あっ、目の部分に小型カメラが・・・」驚いて縫いぐるみの目を
手で塞ぐ
ボイスチェンジャー「女刑事さん、目を塞がないでください。正面の
犬の置物から丸見えですよ」「この部屋は、ファンからの贈り物
監視カメラでいっぱいです。ふふふふふ」
栗本「だったら話が早い、目的はなんだ?二人は無事なのか?」
猿の縫いぐるみに向かって叫ぶ
ボイスチェンジャー「さあな?もう死んでるかもな?」
「人質がいる以上、君たちは我々に協力するしかないだろ」
ボイスチェンジャー「30分後また連絡する。その間、変な真似をすれば
二人の命の保証はないぞ」『ガチャ』電話が切れる
瓜田「うわー大変、誘拐よー警察に連絡しなくちゃー」
焦って気が動転している
栗本「僕たち警察ですよ、落ち着いてください」社長を宥める
野苺「困ったわ、監視カメラが何処に何個あるかわからないし
探してたらバレるし身動き取れないじゃない」困った様子
栗本 心の声「ピーチちゃんを疑るなんて、なんて軽率で愚かなんだ
彼女は女の子じゃないか」自分を責める
三話に続く 

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