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「ジャン・ケン・ポン」第一話


第一話『愛のジャン・ケン・ポン』
ミュージックスタジオ『Mスタ』のスタジオ、MCのタムリから紹介される新人アイドルグループ『ジャン・ケン・ポン』
タムリ「Mスタ初登場、新人アイドルグループ『ジャン・ケン・ポン』
人気あるねージャンケンダンスも、皆踊っているぞ」
アシスタント「オリコンランキング月間トップ、YouTube月間再生回数
2億回超え、J-POPでは断トツです。それでは、自己紹介を
お願いします」
石野「はい、石野龍星(いしのりゅうせい)です。リーダーやっていますジャン・ケン・ポン、よろしくお願いします」
蟹鋏「永遠のセンター、蟹鋏剣志郎(かにばさみけんしろう)です
皆さん、応援ありがとう。ジャンケンダンス踊ってね!」
本田「ボンソワール、本田カミューです。日本人とフランス人の
ハーフです。ジユ.フェ.ドゥ.モン.ミィユー」
※仏語(こんばんわ)(頑張ります)
タムリ「それでは、曲いってみよう『愛のジャン・ケン・ポン』」
スタンバイする『ジャン・ケン・ポン』
 
不乱拳法日本支部、総帥アイーン・シュタインと、その息子で日本支部館長のフランケン・シュタインがTVでニュースを見ている­
フランケン「あっそうだ、今日、Mスタに道玄坂47が出演するんだ」
TVのチャンネルを変えると、そこに『ジャン・ケン・ポン』が丁度、歌い始めるところだった
フランケン「ちっ、軟弱アイドルグループか、道玄坂47はまだか?」
アイーン「ン?これは?・・・似ている・・・」
フランケン「オヤジ、この軟弱アイドルグループが、どうかしたのか?」
アイーン「15年前、我々が潰した東洋の神拳『ジャン拳法』の型と
このダンスが類似している」
フランケン「ははは、何かの間違いだよ。こんな軟弱ダンス」
そして、三人がそれぞれ最後の決めポーズをした瞬間
アイーン「間違いない、当時失踪したジャン拳法の総裁 天神龍蛇
(あまがみりゅうじゃ)が関与している可能性が高い」

翌日、フランケン・シュタインと弟子5人が天神龍蛇の存在を確認するためエンターチャンプ事務所に乱入するが、居たのは『ジャン・ケン・ポン』の三人とマネージャーの愛子だけだった
フランケン「おい。龍蛇はいるか?」怒鳴り声を上げる
石野「あんた達、誰ですか?いきなり入ってきて・・・」
フランケン「不乱拳法の者だ、天神龍蛇という男がいるか?」
不乱拳法と聞き、マネージャーの愛子が顔面蒼白になる
愛子「すっ・・・すいません、その様な人は知りません
ここ芸能事務所です。何かの間違いではありませんか?」
蟹鋏「さあ、さあ、帰って、レッスンが忙しいので」
本田「お役に立てなくて パルドン!エクスキューゼモワ!」
※仏語(すみません)
フランケン「なんだと、この軟弱アイドルグループが、社長を出せ、こんな事務所、ぶっ潰してやるぞ!」
石野「ちょ、待てよ。言いがかりつける気か?」
事務所で揉める中、石野とフランケンが一触即発の瞬間
社長の佐藤一郎が帰宅する。キャップにサングラスの社長登場
佐藤「ユゥー達、どなたですかな?私が、社長の佐藤一郎です」
フランケン「ほほう。貴様が、天神龍蛇か?正体暴いてやるぜ!不乱拳法 核弾正拳突き(かくだんせいけんづき)」
いきなり正拳突きを放つが、佐藤社長は顔面にもろに食らってしまい
血しぶきを上げ吹っ飛んでしまう
フランケン「ぐっははは、まともに食らいやがった、即死だな、やはり
オヤジの勘違いだったか」
石野「貴様、社長に何するんだ!」飛びかかろうとするが
愛子に静止される「龍星くん、だめ!」
蟹鋏と本田は、佐藤社長の元に駆け寄る「社長大丈夫ですか?救急車だ!」
本田「社長 エスクサヴァ!」※仏語(大丈夫ですか?)
フランケン「ちっ、無駄足踏んじまった。帰るぞ」
フランケンと弟子達はその場を立ち去り、佐藤社長は救急車で
病院に運ばれる

佐藤社長が入院中に『ジャン・ケン・ポン』の三人が、事務所に戻り
マネージャーの愛子から15年前の出来事を聞く
石野「愛ちゃん、さっきの奴ら、何者なんだ?」
蟹鋏「天神龍蛇って誰?社長と関係あるの?」
本田「不乱拳法って言っていたけど?」
愛子「皆、隠していてごめんなさい。おじいちゃん、佐藤一郎社長は
元ジャン拳法の総裁 天神龍蛇です」
愛子「15年前、不乱拳法に潰され、ジャン拳法を封印したって聞いたわ」「その後、私を連れ世界中を放浪して5年前に日本に帰国したの」
「そして、これからは、エンターテイメントの時代だと芸能事務所を立ち上げて皆をスカウトし『ジャン・ケン・ポン』を結成したの」
 
一方、不乱拳法日本支部に帰還したフランケン・シュタインと弟子達は
アイーン・シュタイン総帥に、エンターチャンプ事務所での出来事を
報告する
フランケン「オヤジ、とんだ無駄足だったぜ、俺様の核弾正拳突きを
もろに食らって吹っ飛んだ、ありゃ即死だな全くの素人だぜ」
弟子達「はははは、まったくだ」「ありゃ天神龍蛇じゃありませんよ」
弟子「あっそうだ、総帥、動画撮ったんで確認してください」
アイーン「ン?こっ・・・これは!」動画を見るアイーン・シュタイン
しかし、その動画を見たアイーン総帥は、正拳突きを一瞬で双掌打で受け
血糊で血しぶきを演出し、自ら吹っ飛んだ様に見せているジャン拳法の技
石(グー)は 紙(パー)で受ける防御法を見破り、天神龍蛇である事を
確信する
アイーン「お前たちの目は、節穴か?よく見てみろ、これはジャン拳法の
防御法『紙ノ型 蛸足八掌打』(かみのかた たこあしはっしょうだ)」
フランケン「マッ・・・マジか、あの狸おやじ、天神龍蛇だったのか?」
アイーン「やはり、生きていたか天神龍蛇」
フランケン「騙しやがってあの狸おやじ、ぶっ殺してやる」
翌日、エンターチャンプ事務所に乱入するフランケンと弟子達
しかし佐藤社長は、病院に入院中
フランケン「昨日は、よくも騙しやがって、天神龍蛇はどこだ?」
石野「だから、そんな人はいない・・・うっ!痛っ」
石野が言いかけた瞬間、弟子の一人が石野の腹に正拳突きをする
蟹鋏「貴様、なにすんだ」本田「暴力反対」
石野「てめえーやる気か!」石野が殴り返そうとする
フランケン「うるせいー軟弱アイドル、お前たちもぶっ殺してやる」
愛子「待ちなさい!私が相手になるわ、皆とおじいちゃんは私が守る」
愛子がジャン拳法の構えをする
フランケン「ほほう。お前、ジャン拳法をやるのか?」
「おじいちゃん?・・・そうか龍蛇の孫娘か、こりゃ面白い」
「お前も15年前のお父さんの様に、不乱拳法で葬ってやろうか?」
愛子「えっ?なっ何を言っているの・・・」動揺する愛子
 
病院のベッド、天神龍蛇の夢の中
天神龍蛇の息子、天神虎武龍(あまがみとらぶりゅう)とアイーン・シュタインが戦っている。そして顔面に一撃を食らい天神虎武龍が倒れる
「虎武龍~」叫びながら冷や汗をかき目が覚める龍蛇
龍蛇「ふう~嫌な夢を見た・・・嫌な予感がする・・・」
病院から抜け出し事務所に戻った天神龍蛇は驚愕する
事務所が荒らされ、ジャン・ケン・ポンの三人がボコボコにされ倒れていた
龍蛇「しっかりしろ龍星!」「どうしたんだ剣志郎?」「何があったカミュー?」「愛子?愛子はどこじゃ?」
そして三人にジャン拳法伝承の秘薬『神通薬』を飲ませ意識を回復させる
石野「うっ・・・社長」意識を取り戻す
「ふ・・・不乱拳法の奴らが・・・」
蟹鋏「あっ・・・愛ちゃんが奴らに拉致された」
本田「ジャン拳法の秘伝書を・・・持って来いって言っていました」
石野「愛ちゃんから、社長がジャン拳法の総裁 天神龍蛇だって聞いた」
蟹鋏「15年前、不乱拳法に潰され、ジャン拳法を封印し失踪した事も
聞いた」
本田「奴らが、不乱拳法の者で、社長を狙っている事も聞きました」
「15年前、ジャン拳法と不乱拳法の間で、何があったのですか?」
石野「奴ら、15年前、愛ちゃんのお父さんを殺したって言っていた」
蟹鋏「愛ちゃんのお父さんて、社長の息子さんだよね・・・」
「交通事故で亡くなったんじゃないの?」
本田「社長、何があったか、教えてください!」
龍蛇「くっ・・・奴ら、愛子の前で、その話をしたのか・・・」

15年前、回想シーン
東洋の神拳『ジャン拳法』と西洋の魔拳『不乱拳法』は闘争の歴史を重ねてきたのじゃ・・・
ジャン拳法総本山(富士山)に不乱拳法本部(ベルリン)から親善試合の
招待状が届く

『 拝啓 ジャン拳法総裁 天神龍蛇 殿
我が西洋の魔拳不乱拳法と、貴殿の東洋の神拳ジャン拳法は
悠久なる歴史の中、数多な争いを犯し続けた事を遺憾に思います
時代の変化に伴い、これからは世界平和と拳法発展の為
共に協力して行きたく思う次第で御座います
過去の清算とし親善試合を開催し、勝敗に関係なく平和調停を
結びたく思います
つきましては、不乱拳法ベルリン本部にて選抜五名様をご招待いたします
是非とも、ご参加お願いいたします。
不乱拳法ベルリン本部館長 アイーン・シュタイン 』
 
虎武龍「父上、これは、罠です、五人で適地に行くなんて、殺されに
行く様なものです、危険すぎます辞退しましょう」
龍蛇「わしは信じようと思う、和解する絶好の機会だ
虎武龍、心配するな」
虎武龍「それでは、選抜に私も入れてください」
龍蛇「何を言っておるか、紗蘭(さらん)さんが、重要な時ではないか
選抜は、わしと四天王に任せなさい」
紗蘭さんとは、虎武龍の妻、その時、臨月を迎えていた
胎中には愛子が宿っていた
四天王「そうだ、そうだ、お前は残れ、俺たちに任せろ」
わしと四天王は、約束の日に不乱拳法ベルリン本部に向かった
しかし、奴らの狙いは、和解でもなく、わしでもなかった・・・
後のジャン拳法後継者 天神虎武龍であった
なんと、ジャン拳法日本総本山にアイーン・シュタインと不乱拳法軍団が
現れたのだ
虎武龍「どういうことだ?父上たちは、不乱拳法ベルリン本部に
親善試合のため、出発したぞ」
アイーン「会場を変更した。通知が行ってなかったかね?」
虎武龍「そっ・・・そんな、馬鹿な!」
アイーン「遥々ベルリンから来日したんだ、お相手してもらおうか
虎武龍君」
虎武龍「くっ、よかろう、しかし勝っても負けても他の者には
手を出すな」
半ば強引に親善試合を開催する事になった
虎武龍とアイーン・シュタインの試合が始まった、しかしまだ若い虎武龍
には、アイーン・シュタインの相手は重荷過ぎた
アイーン・シュタインの回し蹴りが虎武龍の顔面に炸裂した
その瞬間、紗蘭さんが破水し気を失う
ジャン拳法の弟子、達磨(だるま)「誰か!紗蘭さんを病院に連れて行け」
高らかに笑うアイーン・シュタインと不乱拳法軍団「ジャン拳法破れたり!ぐっはははは」
そして、虎武龍の約束は守られず大乱闘になった
至急ベルリンから帰還したが、時すでに遅く、ジャン拳法は壊滅状態、虎武龍は試合での顔面の回し蹴りが致命傷となり死亡した

亡骸を見つめる龍蛇と四天王
達磨「龍蛇総裁、すいませんでした。虎武龍の敵討ちに即刻、ベルリンに
行きましょう」重症を負いながら泣き叫ぶ
無言の龍蛇、そこに弟子の沙武尊(さむそん)が赤ちゃんを抱いて現れる「龍蛇総裁、お孫さんです、可愛い女の娘です・・・」
「しかし、紗蘭さんは、早産による出血性ショックで産後間もなく息を
引き取られました・・」
衝撃が走り、立ち竦む龍蛇
達磨「畜生、奴ら、許せね~」怒鳴り声を上げ、号泣する
四天王「龍蛇総裁、不乱拳法をぶっ潰しましょう!」
「即刻、ベルリンに!」「虎武龍の無念を晴らしましょう」
血気に走るジャン拳法の四天王と弟子達
龍蛇「お前たちは、何を修行してきたのじゃ?ジャン拳法は救いの拳
憎しみや怒りの為の拳ではない」一喝する
「例え、親友が殺されても・・・例え、肉親が殺されてもじゃ・・・」
回想シーン終了 エンターチャンプ事務所に戻る

龍蛇「弟子達は、ジャン拳法の精神について行けず皆去って行った
総裁の立場上、ジャン拳法の精神は分かっていたが、親として子供を
殺された怒り、憎しみの心が葛藤し己の未熟さから、ジャン拳法を封印し
愛子を連れ世界を放浪したのじゃ」
「10年間世界を放浪し、暗い世を明るく変え、悲しく苦しい人々を幸せにすることができるのは拳法ではなくエンターテイメントだと悟った」
「そして5年前、日本に戻り拳法とは全く関係ない芸能事務所を始め
ユゥ達をスカウトしたのじゃ」
龍蛇「過去のことで、ユゥ達を巻き込んでしまい申し訳ない」
一人で愛子を救出に行こうとする龍蛇だが、昨日の攻撃で、頭と腰を打ち
松葉杖の社長に対し、三人は、自分たちも行きたいと懇願する
石野「話は分かった、俺も行くぜ、愛ちゃんを助けないと」
蟹鋏「だな!愛ちゃんのメンタルも心配だし、俺も行く」
龍蛇「だめじゃ、ユゥ達には関係ない事じゃ」「大事なアイドルに
これ以上、怪我をさせる訳にはいかん、スキャンダルも禁物じゃ」
石野「社長こそ、そんな体じゃ一人では無理でしょ?」
本田「あっ!そうだ愛子ちゃんから『愛のジャン・ケン・ポン』のダンスがジャン拳法の型になっているって聞きましたよ」
蟹鋏「だな、天神龍蛇総裁、俺たちにジャン拳法を伝授してください」
石野「おう、そうだジャンケンダンスなら、5年間もレッスンを
受けているぜ」
本田「社長、お願いします、僕たちにジャン拳法を教えてください」
三人はジャン拳法を伝授し、不乱拳法を倒し愛子を救出したいと懇願し
社長を説得する

龍蛇 心の声「確かに、これだけの攻撃を受け、致命傷を受けていない
のは、5年間のレッスンで培ったジャンケンダンスで
防御していたからじゃ」
「ジャン拳法の極意は防御こそ最大の攻撃なり」
「それに、ユゥ達の身体能力ならジャン拳法を伝授出来る・・・かも?」

龍蛇「あっ!15年前に秘伝書は燃やしてしまったのじゃ、ユゥ達が
生きた秘伝書として、奴らに生身で教えてやるしかないか?」
石野「おぉー、奴らに叩き込んでやるぜ」
蟹鋏「生きた秘伝書か面白いじゃんか」
本田「特別レッスン、シルヴプレ!」※仏語(お願いします)
龍蛇「わかった!修業は辛いぞー。ジャン拳法の特別レッスン開始じゃ
ミュージックスタート」

♪『愛のジャン・ケン・ポン』♪  作詞 天神龍蛇 作曲 愛虎
1,ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ケン・ポン
 アイ・アイ・アイ・アイ・愛コデショー
 愛のジャン・ケン・ポン
 僕たちは、この地球(ほし)で生まれ、究極の愛を知った
 巡りあう愛の奇跡、伝えたい、この気持ち
 愛の駆け引きジャン・ケン・ポン、いつまで経っても愛コデショー
 サプライズなんて出来ない僕さ
 アイ・アイ・アイ・アイ・アイ・ラブ・ユゥー
 愛・愛・愛・愛・愛してる
 愛のジャン・ケン・ポン
 どんな時でも どんな敵でも あなたのためなら
 生命を懸けても 守り抜く ♪

2.ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ケン・ポン
 アイ・アイ・アイ・アイ・愛コデショー
 愛のジャン・ケン・ポン
 僕たちは、この地球(ほし)で暮らし、永遠の愛を誓う
 結ばれた愛の証、新たなる生命(いのち)が宿る
 愛のトラブル、ジャン・ケン・ポン、いつでも、あなたを愛してる
 グッバイなんて出来ない君と
 アイ・アイ・アイ・アイ・アイ・ラブ・ユゥー
 愛・愛・愛・愛・愛してる
 愛のジャン・ケン・ポン
 ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ケン・ポン
 アイ・アイ・アイ・アイ・愛コデショー
 愛のジャン・ケン・ポン 
 どんな時でも どんな敵でも あなたのためなら
 生命を懸けても 守り抜く ♪
 
特別レッスンを受ける三人、『愛のジャン・ケン・ポン』のダンスによるジャン拳法の基本形を身に着ける
そして最後の決めポーズ、ジャン拳法必殺技 
石野龍星が『石ノ型 亀甲大車輪三方突き(いしのかた きっこうだいしゃりんさんぽうづき)』
蟹鋏剣志郎が『鋏ノ型 毒蠍延髄蹴り(はさみのかた どくさそりえんずいげり)』
本田カミューが『紙ノ型 鶴の舞扇双手刀(かみのかた つるのまいおおぎそうしゅとう)』の秘奥義を伝承する

特別レッスンを終え、龍蛇が盃にジャン拳法伝承の秘薬『神通薬』を
瓢箪の器から注ぎ乾杯する
龍蛇「これは『神通薬』と云う、飲めば飲むほど蘇生復活するジャン拳法
伝承の秘薬じゃ!愛子救出の前祝じゃ乾杯!」
龍蛇「ジャン拳法は救いの拳!ユゥ達、忘れるでないぞ」
石野「よっしゃー行くぞ!待ってろ愛ちゃん」
蟹鋏「負ける気がしねー!愛ちゃんは俺が救う」
本田「愛子ちゃんを ヌゼドン!」※仏語(僕たちは助ける)
不乱拳法日本支部に向かう四人・・・
 
不乱拳法日本支部
道場では50人くらいの不乱拳法の弟子たちが組手稽古中、館長室には
アイーン・シュタインとフランケン・シュタイン、そして拉致され両腕を
後ろで拘束されている愛子がソファーに座っている
アイーン「そうか、君があの時、虎武龍君の奥さんのお腹の中にいた
子か・・・大きくなったね」
愛子「あなたが、お父さんを殺したの?」アイーンを睨みつける
アイーン「ははは、殺したなんて人聞きの悪い、あれは試合中の事故
だったのだよ」
フランケン「そうそう、虎武龍が未熟だったんだ、ジャン拳法の後継者
なんて奴には無理だったんだ」
愛子「おじいさんは、何していたの?総裁はおじいさんだったんでしょ?
何故おじいさんが、あなたと戦わなかったの?」泣きそうな愛子
フランケン「親善試合の場所を間違えたんだよ、我々が来日したのに
天神龍蛇と四天王は、不乱拳法総本部があるベルリンに行った」
アイーン「虎武龍君は、遥々ベルリンから来た我々を快く迎えてくれて
天神龍蛇が不在の中、親善試合を開催してくれたんだよ」
アイーン「私は、格闘家として手を抜くのも失礼だと思い全力で
戦った・・・」
愛子「うっ・・・」堪え切れず嗚咽する・・・その時
道場で物音とともに争う声が聞こえる
『ドカーン』扉が開く音「誰だ!誰だ!」騒ぐ弟子たちの声
フランケン「なんだ、なんだ、道場破りか?」道場に出る
アイーン「来たか天神龍蛇!」館長室のドワから覗く
愛子「えっ? 龍星くん達・・・」
石野「愛ちゃんはどこだ!」
蟹鋏「ジャン拳法の秘伝書が来たぜ!」
本田「ボンソワール 愛子ちゃんを返して下さい」※仏語(こんばんわ)
弟子達「こっ・・・こいつらジャン拳法の者か?」
フランケン「がっははは、なんだ軟弱アイドル達じゃねーか
天神龍蛇はどうした?秘伝書は持って来たのか?」
石野「はははは、社長が15年前に秘伝書燃やしちまったらしいよ」
蟹鋏「でも、自分の頭の中に全て入っているらしいぜ」
本田「そう、それで、たった今、僕たちが生きた秘伝書として、ジャン拳法を伝承しました」
フランケン「何を馬鹿な事言っている、軟弱アイドルが、今度は手加減
しねーぞ、お前ら相手してやれ!」
弟子達「おぅー、生きたサンドバッグだ、やっちまえ!」
蟹鋏「社長、ミュージックスタートして」
背後にいた天神龍蛇「おう、そうじゃった、ミュージックスタート」
持参したCDコンポのスイッチを押す天神龍蛇、『愛のジャン・ケン・ポン』のミュージックが流れ始める

♪ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ケン・ポン愛の
ジャン・ケン・ポン♪
龍蛇「そうそう、先ずは防御じゃ」手拍子でリズムをとる 
バム、バム、バム、バム
本田カミューが正拳突きを双掌打で防御
「紙ノ型 蛸足八掌(かみのかた たこあしはっしょう)」と叫ぶ
蟹鋏剣志郎が人差し指と中指で手刀をしてくる相手を挟み防御
「鋏ノ型 蟹鋏二爪(はさみのかた かにばさみにそう)」と叫ぶ
石野龍星が正拳突きと二爪手刀突きを拳を固め正拳で防御
「石ノ型 亀甲正拳(いしのかた きっこうせいけん」と吠える

♪アイ・アイ・アイ・アイ・愛コデショー 愛のジャン・ケン・ポン♪
龍蛇「よし!続いて攻撃じゃ」手拍子を続ける バム、バム、バム、バム
本田カミューが双掌打の連続技で相手を攻撃「紙ノ型 ヒトデ百裂掌打(かみのかた ひとでひゃくれつしょうだ)」と叫ぶ
蟹鋏剣志郎が人差し指と中指で連続手刀突きの攻撃「鋏ノ型 蟹鋏百裂二爪刀(はさみのかた かにばさみひゃくれつにそうとう)」と叫ぶ
石野龍星が正拳突きを連続し攻撃「石ノ型 亀甲百裂正拳突き(いしのかた きっこうひゃくれつせいけんづき)」と吠える
次々と倒される不乱拳法の弟子達

♪僕たちは、この地球(ほし)で生まれ、究極の愛を知った
 巡りあう愛の奇跡、伝えたい、この気持ち♪
龍蛇「いいぞ!いいぞ!次は蹴り技じゃ」足踏みでリズムをとる 
ズン、ズン、ズン、ズン・・・
本田カミューがバレエの白鳥の湖の様に回転し次々と相手を回し蹴りする「紙ノ型 白鳥の舞い回転蹴り(かみのかた はくちょうのまいかいてんげり)」と呟く
龍蛇「さすが元フランス名門バレエ団のダンサー優雅じゃのう!」
蟹鋏剣志郎がサッカーのオーバーヘッドキックの様に背後の相手にバク転で蹴りを入れる「鋏ノ型 海老反り爆転蹴り(はさみのかた えびぞりばくてんげり)」と呟く
龍蛇「凄い身体能力じゃ!さすが元天才サッカー少年」
石野龍星がブレイクダンスのバックスピンからパワームーブで相手を蹴り
飛ばす「石ノ型 亀甲大車輪蹴り(いしのかた きっこうだいしゃりんげり)」と吠えまくる
龍蛇「うん!うん!元ストリートダンサー最高の切れ味じゃ」

♪愛の駆け引きジャン・ケン・ポン、いつまで経っても愛コデショー
 サプライズなんて出来ない僕さ♪
防御技と攻撃技を繰り返し次々と不乱拳法の弟子達を倒して行く
『ジャン・ケン・ポン』の三人
♪アイ・アイ・アイ・アイ・アイ・ラブ・ユゥー
 愛・愛・愛・愛・愛してる 愛のジャン・ケン・ポン♪
ミュージックが終盤に差し掛かり不乱拳法の弟子たちは、ほぼ壊滅状態
フランケン「くっそーなめやがって!この軟弱アイドルグループが・・・」
フランケンは左腕に注射、不乱拳法伝承の秘薬『魔薬』を注入する
フランケン「ぐっおおおおおー」血管が浮き出て体が増長すると共に
鬼の様な形相に変化する
※『魔薬』とは化学、薬学を結集させ調合した心身共に人間を究極状態にし、強靭な肉体と脳の覚醒により、痛み苦しみを感じさせなくする不乱拳法の秘薬である。副作用により長期の服用では人体に悪影響を与えてしまう
危険な化学物質
龍蛇「まだあんな物を使用していたのか・・・哀れじゃのう」
フランケン「ぐっおおおおーぐっおおおおー」超人ハルクの様な体型になり唸り声を上げる
石野「くっ、フランケンが超人ハルクになりやがった」
本田「うわーどっちもジェプー」※仏語(怖い)
蟹鋏「うっ、来るぞー」
フランケンが猛ダッシュで三人の方に向かって来る
フランケン「ぐっおおおおー不乱拳法 阿修羅千手掌打(あしゅらせんじゅしょうだ)」
もの凄いパワーとスピードで三人に連続掌打を浴びせるフランケン
龍蛇「うっ、まずい、やられる逃げるのじゃー!」叫び声を上げる
石野と本田がフランケンの攻撃を受け吹っ飛び、道場の壁に激突
壁は破壊し二人は頭を打って気を失う
フランケン「ぐっはははー調子に乗りやがって軟弱アイドルが」
中指を立てる
第一話完


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