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老子にみるワンネス

諸子百家の中で、推し思想家が言えると物知りっぽくてかっこいいだろうなぁ。そんな単純な動機から東洋哲学の本を少し読んでいました。笑

そんなときに読んだのが『ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (ハヤカワ・ノンフィクション)』マイケル・ピュエット 、クリスティーン・グロス=ロー 著 でした。

代表的な諸子百家の思想を分かりやすく丁寧に説明してあって一気に読みきりました。おすすめです!


その中で惹かれた思想家が、老子。


なんだかもっとこの思想を知りたいと感じました。知識を得るなら原典をたどれ。すぐに書店で老子の原典を購入。買ったのは『老子 全訳注』池田知久 著 です。

老子はとても奥が深い書物で、何周か読みましたが分かったような分からないような。笑


そんな老子の中に、大いなる全て=ワンネスについて書かれていると感じた箇所がありました。これを読むために直感的に老子に導かれたのだと感じました!

今回はその章を抜粋してご紹介します。


* * *

第四章

〔一体、道という実在は空の器のようなものであるが、その働きはどんなに注いでも〕一杯になる〔ことがない。〕深々として万物を生み出す大本であるかのようだ。

この道は、それに向かおうとする人(修道者)が、己の〔鋭い頭脳を〕挫いて、乱れた万物それ自体の中に融即し、己の〔知恵の光を〕和らげて、〔塵のような混沌たる世界〕と一つになった、その揚げ句の果てに現れるものである。〔深々と水を湛えて〕その奥底に存在する〔かのようだ〕。わたしにはそれが〔誰から生まれた〕子供か分からない。どうやら世界の万物を生み出した天帝よりも、さらに古い祖先であるらしい。

『老子 全訳注』池田知久 著

* * *


この章は、まず道(根元的な存在)が、それ事態が虚無であるがために無尽蔵の働きをするという逆説的な解釈が書かれています。

どんなに注いでも満たされることのない存在って無限の表現がすごいですよね。とてつもなく巨大な器。想像したくてもできないです。

この道という概念、この章の最後に「どうやら世界の万物を生み出した天帝よりも、さらに古い祖先であるらしい。」とありますが、まさにワンネスですよね!

万物を生み出した天帝=高次元の存在よりもさらに古い存在があると、老子は予想しています。

インスピレーション、おりていますね~。


このワンネスを感じるためにどういう心がけをすればよいかが、「この道は~」以下に示されています。

自分の知覚を閉じて、知恵の光を和らげて、塵のような世界とひとつになった先にワンネスが見えると。

自分の見ているものが全てではないと理解して、固定観念を取り払い、すべてのものと素粒子レベルでつながる感覚の先に、ワンネスがあるんだよ。とぼくは解釈しました。

今自分の感じている世界よりも大いなる世界があるんだと、創造力を解き放ちたくなります。

そんな風にワンネスを見いだせたと感じても、水の奥底に存在するかのようにぼやけて認識するのが人間にはやっとなのかもしれません。

次元をあげねば!


上記抜粋は現代語訳ですが、原文には「其の光を和らげ其の塵に同ず」とあり、これが和光同塵という言葉の由来です。

和光同塵の意味は、自分の才能などを隠して一般に紛れ込むような解釈で一般的に理解されがちです。

しかし、老子が伝えたい和光同塵が全然違った意味だとこの章を読むと分かります!

ワンネスと繋がる、みんな宇宙人(宇宙の中の尊い存在のひとつ)と思い出すための秘訣が込められた四文字なんですよね♪


和光同塵、ぼくは大好きになりました!

ぼくの推し思想家は老子です。みなさんも探してみてはいかがでしょうか?


今日も素敵な1日を心穏やかにお過ごしください🌠


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