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夢を叶える について

こんにちは。
絵本作家をしています、はっとり ひろき です。

今日は、僕がどのようにして絵本作家になったのかと言うお話しと、
「夢を叶える」ということをテーマにお話ししていきたいと思います。

この中身は、いつも小学校などでお話しさせていただいていることを、アレンジしてまとめたものです。

今は、コロナの影響で、なかなかお話しに伺う機会もなく、せめて誰かに届くかと期待しつつ書かせていただきます。

はじめに、簡単に自己紹介をしたいと思います。
僕は、岐阜県の海津市というところで生まれ育ちました。
岐阜県の一番下で、三重県と愛知県との境目にあります。
いまは、結婚していて、子どもは、息子が2人います。

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2017年に講談社絵本新人賞という賞をもらい
翌年、「いっぺんやってみたかってん」という絵本で絵本作家デビューしました。
他にも、「トイレロケット」「ひよこがほしいもの」「そこでええはなさかせてや」という作品があります。

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そして、
絵本作家というお仕事をしながら整備士としても働いています。
整備士と言っても、普通の自動車を整備しているのではなく、高校を卒業してから、建設機械の整備士、その後フォークリフトの整備士を20年。
今は、アスファルトや燃料を運ぶタンクローリーの整備士をしながら、
絵本作家をしています。

じゃあ、絵本作家ってどんなお仕事なのかな、と言いますと、
まず、いろんなものを見て考えて、思い浮かんだアイデアを形にしていくという仕事です。
じゃあ、この「いっぺんやってみたかってん」という絵本が、どのようにして出来ていったのかなというお話をします。
この絵本は
僕の家の近くにある息子たちとよく遊ぶ公園をイメージして作りました。
その公園は、木に囲まれていて中が見えにくい公園なのですが、
ある雨の日に、その公園の横を通りかかった時、
もしかしたら、誰もいないこの木の向こう側で
遊具たちが遊んでいたら面白いなあと思ったんです。
そして、家に帰ってから夜中にひとりクスクス笑いながら書きあげた作品です。

⑴文だけの物⑵ラフ⑶原画⑸ネーム原画⑹見返し原画⑺色校正⑻完成
こんな感じで作っていきますが、1年くらいで出来るものもあれば、
1冊作るのに何年もかかることもあります。
これが、大まかな絵本作家のお仕事です。

この絵本を作るというお仕事のほかにも、
本屋さんや、図書館などに呼んでいただいて、イベントをしたりもします。
小学校とか、幼稚園に行って、読み聞かせや、お話しなどもします。
また、海外で発売されることもあるため、
世界を相手に仕事が出来るわくわくするお仕事なんです。
興味がある子は、ぜひ、絵本作家になってもらいたいなと思います。

夢について

それでは、今から、夢についてのお話しと、僕がどのようにして絵本作家になったのか
と言う、お話しをしていきます。

では。みなさんに、ちょっと質問です。みなさんの夢ってなんでしょうか?
今、頭の中に思い浮かべてみてください。

例えば、サッカー選手になりたいとか、野球選手になりたいとか、漫画家になりたい
とか、あるいは、ユーチューバーになりたいとか、いろいろあるかな、と
思います。
別にお仕事である必要はなくて、テストで良い点を取りたいなとか、
一生ゴロゴロして暮らしたいななど、いろいろあるかと思います。

そんなもの無いよ、という方もいるかもしれません。
僕は、夢が無いなら無いで構わないと思っていますが、
せっかく夢を見ることが出来る環境があるのであれば、
それを見つけてみるのも面白いのでぜひ探してみてほしいと思います。

こうやって夢について考えると、ちょっと胸がドキドキすると思います。
うまくいったら嬉しいな。うまくいかなかったらどうしよう。など
このドキドキする気持ちというのを、大人になっても持ち続けて欲しいと思います。

それでは、僕が幼い頃は、どうだったかといいますと、
まず、僕が行っていた小学校は、小さな小学校でした。
当時僕が通っていた小学校は、1学年1クラスで28人でした。
そんな小さな小学校で、僕が 何か特別な存在だったのかというと、全くそうではなく、普通の小学校生活を送っていました。

ただ、小さい頃から絵を描くことが好きだったのです。
みなさんも、なんかこれ好きだな、ということが有るかもしれませんが、
僕は、絵を描くことが好きだったのです。
やっちゃだめですが、教科書とか、ノートとか、下敷きとか家の壁にまで
絵を描いたりもしていました。
だから、単純に漫画家になりたいな。と思っていました。

そして、もうひとつ夢があったんです。それは、プロ野球選手でした。

僕が入っていた野球チームは、とても弱かったんですけど、一度だけ強いチームの監督に
上手だね、と褒めてもらえたことが有ったので勘違いしてしまい、
もしかしたら、プロ野球選手になれるんじゃないかと思っちゃったのです。
だから、小学生の時の将来の夢は、絵を描く仕事と、プロ野球選手だったのです。

ものすごい強いチームの監督に褒めてもらったこと。と言うのを、ずっと覚えていて、なんか上手くいかないなぁ、という時に、あの時褒めてもらえたんだ、ということが頭に浮かんで、よし!頑張ってみようか。となっていました。
そういうこともあって、自信満々で頑張っているつもりだったのです。
ところが、小学校を卒業して中学校に行くようになってから、その自信が一気に崩れていってしまいました。

どうしてかというと、僕が通っていた中学校は、5つの小学校の生徒が集まってできていて、1学年で6クラスもある学校だったのです。
そしてその半分ほど人が、大きな小学校からで、
残りは、中くらいの小学校が2つ、小さな小学校が2つだったのですね。
そうすると、小さい小学校からの僕は、6年間一緒だった友達はクラスがバラバラになってしまいました。

でも、野球部に入りたいと思って野球部に入部しました。
そうしたら、体格の大きな子がたくさんいて、強い小学校からも集まってきていたので、上手な子がたくさんいたのです。
僕は、体格も大きくはなかったですし、中学3年間ほとんど試合に出られませんでした。
高校1年生までは、自分なりに一生懸命野球をやっていたんですが、
とうとう自信を無くして諦めてしまいました。

そして、絵の方はですね、中学校に入って仲良くなったこが、とても絵が上手だったんですね。
ずっと、その子には敵わないなぁ、という気持ちがありました。
その頃は、他人と自分を比べて落ち込むこともあり、
野球にも、絵にも、自信が持てなくなってしまったのです。
そんな頃に、もうひとつ興味があるものに出会いました。

それは「F1」なんです。
みなさん知っていますか?鈴鹿サーキットなどで特別な車でレースをするものです。

このF1を運転するF1ドライバーになりたい!と思いはじめたのです。
だから、高校卒業した後 仕事をして、お金を貯めながらレースを始めたのです。

それで、20代の頃は、レーサーを目指していました。
そして、プロのレーサーになるぞと思ってレーシングカートはじめたんですね。

そして、自分なりに一生懸命にやってみました。

例えばですね、鈴鹿サーキットのあるクラスの当時のレコード記録を持っていたこともありました。
その後1年間だけですが、全日本カート選手権にも出場していました。

ところが、ところが、レースはお金がとても掛かっていましたので、
とうとうお金も底をついて、レーサーへの道も諦めなくてはならなくなったのです。
それが25才くらいでした。もう、それは本当に悔しかったです。

そして、その頃たまたまインターネットを見ていましたら、
先程の中学生の時、絵が上手だった同級生が
有名なイラストレーターになっているという事を知りました。

僕はそれを見て凄いなぁ、と思ったのと同時に
僕も、もう一度何かにチャレンジしたいと思いはじめました。

絵本作家へ

ここで、とうとう絵本の話しが出てくるのですが、
28才の時に結婚し、その後息子が生まれ、妻が子供に毎晩、絵本を読み聞かせするようになったのです。
それを見ていて、そうだ、僕は絵を描くことが好きだし、絵本を描いてみようと思ったのです。

それが絵本を描き始めたきっかけです。30才くらいの時です。
そして、せっかくだからコンテストに出してみよう!と出してみたらなんと!

全く駄目だったんですね。。。

だから、そこで少し考えました。


野球をしていた時、レースもそうなのですが、
何が自分に足りなかったのか。という事を考えました。
そうすると、やっている最中は気がつかなかったのですが、
明らかに足らないものがあったのです。

それは、努力する方向と、努力する方法と、努力する場所が間違っていたんじゃないかと思ったんです。

努力する方向というのは、例えば野球選手になりたいのに、毎日ゲームばかり一生懸命しちゃうなどです。全く違う方向ですよね。

努力する方法というのは、野球選手になりたいのに少ししか練習しないとかです。方向は合っていても、努力の中身が間違っているなどです。

そして、この努力する場所は結構肝心なのですが、
何でも良いからレースが出来たらいいと思って入ったチーム、
環境によっては、とても遠回りになることもあるという事です。

絵本作家になりたいのなら、まず絵本を描くという事。
じゃあ、どのような努力をするのか、そして、その環境はどうするのか、
という事ですね。

そこで、僕はどうしたのかというと、
まず、プロの絵本作家をたくさん出している絵本の塾に行こうと思ったのです。
三重県の四日市という所にある、メリーゴーランドという
こどもの本専門店があるのですが、そこはプロの作家や、講談社絵本新人賞を受賞している人を何人も出しているのです。

ここでプロになれなかったら、間違いなく自分のやり方の何かが間違っているのは明らかです。

僕は、とても弱いので、そのように言い訳できないところへ自分を置きたかったので、努力する場所としてここに通うことにしたのです。

そこからは、仕事をして帰ってきて、家族が寝てから夜中まで絵本作りをして、月に1回のメリーゴーランドの絵本塾に通うという日々を繰り返していました。
絵の勉強のために毎日子供のリクエストのイラストカードを描いたり
自分に合う描き方を探したりもしていました。

やりたいことがあるなら、とにかく時間を作ることが大切なので
やりたいことのために時間を作ることもしてみてください。


ありがたいことに、39才の時に、講談社絵本新人賞という日本で有名な絵本の新人コンテストで賞をいただき自分が思っていたよりも数年早く絵本作家になることができました。

それまで、たくさんあきらめたり、人と比べてしまったりしてきました。
今でも、そんなことはたくさんありますが、
もし失敗しても大丈夫です。諦めても、人と比べて落ち込んでも
自信を無くさないでほしいです。

夢は ひとつじゃないので、とにかく今やっていることに全力で、取り組んでみてください。

うまくいっているときも、上手くいかなかった時も、それがなぜだったのか、自分で考えてみてください。そして、それを次に活かせるように出来たらと思います。

勉強もですが、なぜしなければならないのかと、思っている子もいるかと思います。僕もそうでした。
良い大学に行くためでしょうか、良い会社に就職するためでしょうか。
それが理由でも構いませんが、僕はこの年になって気がついたのです。
大切なのは、成功を体験することなのだと思います。

いつもより上手に字が書けたね!

この計算がわかるようになった!

テストに向けて頑張ってみたら上手くいった!など

他人には小さく思える成功でも、自分にとっては大切な成功をした体験をするために
勉強をやらされるのではなく、うまく利用してもらいたいと思います。

大人になっていくにしたがって、子供の頃に体験した成功の体験を思い出して、小さいことだったけど上手くいったこともあるよね。
だから大丈夫。次の挑戦もきっとうまくいく。と、
子どもの頃の自分が背中を押してくれる日が、きっと来るはずです。

何でも良いので、チャレンジしてみてください。
そして、真剣にやって失敗している人を 笑わないでほしいです。
失敗している人は、自分に出来ない何かに チャレンジしているのかもしれません。
本当にしたいことは、失敗したくないから怖いかもしれませんが、
でも、そこで えい!と、やってみるのも良いのかもしれません。

最後にひとつ、流れ星を見た瞬間に、願い事を3回言うと願いが叶う。というお話しを聞いたことありますか?流れ星が流れている一瞬のうちに願い事を3回言う話あれは本当だと思いますか?

僕は、たぶん本当だと思います

なぜだと思いますか?

それは、突然やってきた一瞬でも願い事が出てくるほど、いつも強く願っているということなのです。

もし、将来なりたいものが出来たら、それくらい一生懸命やってみて欲しいと思います。
そして、上手くいかない時がきても、何度でもチャレンジしていただきたいと思います。

今日はありがとうございました。

絵本作家 はっとり ひろき

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