[これからの経済]循環する経済 - サーキュラーエコノミーとは? #3
少し間があいてしまいましたが、[これからの経済] 循環する経済 - サーキュラーエコノミーとは?#2の続きになります。以下の記事では、サーキュラーエコノミーの三原則について紹介しました。
今回は、サーキュラーエコノミーに移行する上で、基礎となる4つの要素についてまとめていきます。
サーキュラーエコノミーの基本要素
1. サーキュラーエコノミーデザイン
まず1つ目は、デザインについてです。デザインといっても、すぐに連想されるような、パッケージデザインや、ロゴデザインなどのブランディングに関わる表層的なものではなく、プロダクトを製作する際に、もっと根本から関わるデザインです。
サーキュラープロダクトを目指すには、再利用しやすく、リサイクルしやすく、さらに分解しやすくデザインすることが重要です。
特に意識するポイントとして、素材の選定は、まだ使えそうな廃棄物から選ぶこと、部品は標準化されたものを使うこと、寿命は長く使えるように作ること、そして、利用した後に簡単に素材分けができることが挙げられます。
例としてよく出てきますが、Patagoniaの製品は、サーキュラーデザインをきちんと取り入れて製品化されています。寿命を長くするために、修繕サービスなどにも積極的に投資もしていますね。
2. 新しいビジネスモデル
サーキュラーエコノミー化を加速させるためには、ビジネスモデルの根本的な移行が求められます。小さな例で言えば、スーパーでの量り売りビジネスなど、現在のリニア型の経済を前提としたビジネスモデルを変化させる必要があります。そこで、アクセンチュアが提唱した5つのビジネスモデルのパターンを紹介します。
・再生型サプライ:繰り返し再生し続ける100%再生/リサイクルが可能な、あるいは生物分解が可能な原材料を用いること。
・回収とリサイクル:これまで廃棄物と見なされてきたあらゆるものを、他の用途に活用することを前提とした生産/消費システムを構築すること。
・製品寿命の延長:製品を回収し保守と改良することで、寿命を延長し新たな価値を付与すること。
・シェアリング・プラットフォーム:Airbnb(エアビーアンドビー)のようなビジネス・モデル。使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、より効率的な製品/サービスの利用を可能にすること。
・サービスとしての製品(Product as a Service): 製品/サービスを利用した分だけ支払うモデル。 どれだけの量を販売するかよりも、顧客への製品/サービスの提供がもたらす成果を重視すること。
(参照:https://www.accenture.com/jp-ja/insight-creating-advantage-circular-economy)
3. リバース サイクル (可逆サイクル)
3つ目は、土に還すために分解したり、また別の形で活用するために素材の状態に戻したりと、製作工程と逆の流れのリバースサイクルという技術が重要になります。
このリバースサイクルに求められることしては、新しい流通の構築、分解作業、倉庫管理、リスク管理、さらには、再生エネルギー分野や分子生物学や、高分子化学などの知見も必要となります。(急に難しそうな話になってきましたね。)
4.市場の原理
最後に、僕らみんなが関わる、市場についてです。
企業も個人も、当たり前のように素材を再利用したり、資源を効率的に活用するようには、市場の原理が重要になり、以下の要素を含んでいます。
・業界をまたいだコラボレーション
・報酬システムの再構築
・環境に対する国際的なルール
・テスト事例から、スケールしていく速さ
・資金調達手段
まとめ
今回は、サーキュラーエコノミーに移行するにあたり、重要となる4つの要素について取り上げました。大企業から私たち個人まで、全ての関係者が意識的に取り組んでこそ、サーキュラーエコノミーへの移行が実現できます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでもサーキュラーエコノミーについて興味を持ち、考えるきっかけになれば嬉しいです。
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